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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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ボスにだって弱点はある

「行くぞ!」


龍儀叫びに応じて全員が攻撃に転じた。怪獣は太い尻尾を振り回し凪払おうとする。リチェリアとエレキナが空中を舞いながら上から怪獣の背中や頭部を攻撃する。下からは他のメンバーが剣や魔法で足元を崩すように攻撃する。


しかし、怪獣は足をバタバタさせヴィザル達を払うと体から骸骨を出現させた。


「うわぁ、また来た。」


ヴィザルが骸骨を払おうとするとエウリアとグレンが骸骨を吹き飛ばした。


「行きなさい、ヴィザル。あの骨は私達がなんとかするから。」

「わかった!」

「さぁ、行きなさい少年!」

「え!?僕一人!?」


エウリアがグレンの後ろから魔法で骸骨を払っているうちにヴィザルは足元を崩すように剣で斬りまくった。その間に龍儀が首に傷をつけ、カリスティとルリカが魔法を命中させ首を抉った。それでも怪獣は倒れず、暴れ回る。


「硬すぎでしょ。」


ヴィザルが上がった息を整えていると歌が聞こえた。その歌を聞くとみるみるうちに力が湧いてくのを感じた。ヴィザルが歌が聞こえてきた方向を見るとセレナがキレイな声で歌っていた。


「いい歌じゃないか。」

「はい。キレイな歌ですね。」

「あぁ、サリアより綺麗な歌声だ。」

「ちょっとケン!?」


ケンとヴィザルがセレナの歌を聞いて褒め称える。すると、怪獣がセレナに向けて石化ガスを放射した。セレナは動けず目を瞑るとヘルマがセレナの前で地面をおもいっきり踏み地面を壁のようにして石化ガスからセレナを守った。しかし、壁の前にいたヘルマは石化ガスをまともにくらい石像になってしまった。


「ヘルマ!」

「ヘルマさん!」


サリアが叫びヘルマに駆け寄ろうとすると今度はサリアに狙いを定めて石化ガスを放射した。サリアは炎魔法で壁を作るが目から放つ怪光線で炎が吹き飛びガスがサリアに近付く。すると、今度はローレライが水の壁を作りつつサリアをその場から遠ざけることでサリアを守ったが次はローレライが石像になってしまった。


「ヤバいわね。攻撃の頻度を上げてきたわ。」


カリスティが怪獣の攻撃に警戒していると上からエレキナが石像になって落ちてきた。どうやら、傷をつけたところから石化ガスが溢れ出しガスに包まれたエレキナが石像になってしまったようだ。


「エレキナさん!」

「おいおい、口からだけじゃなく全身からあれが出るのか。ますます、厄介だな。」


ケンは怪獣から距離をとり魔法で牽制する。すると、今度は火炎で攻撃を始めた。ケンは火炎を避けながら攻撃を続ける。怪獣は火炎が無駄だと感じたのか再び石化ガスで攻撃した。しかも、骸骨と交戦しているグレン達を骸骨ごとガスで包み込みグレンとエウリアを石像に変えてしまった。


「グレン!」

「エウリアさん!」


ヴィザル達がエウリアに目を向けていると怪獣は岩石を操ってヴィザル達にも飛ばしてきた。ヴィザルはなんとか小さい岩石なら受け流せたが大きい岩石がくると受け流せずに飛ばされた。そこに追い討ちをかけるように岩石が向かってくるとクロアが拳で岩石を破壊した。しかし、数が多く岩石が直撃しクロアは気絶した。

もう一方ではサリアをかばったカリスティが怪獣の岩石攻撃にさらされクロアと同じように気絶してしまった。


「このままじゃ全滅です!」

「・・・なぁ、ヴィザル。ギャンブルしてみない?」

「え?」

「勝てばハッピーエンド、負ければバッドエンド。次の攻撃に全てをかけるの?どう?」

「・・・迷っている暇はないみたいですね。乗ります。」

「よし。ケンは?」

「俺もその話に乗ろう。このままじゃ全滅なのは確実だろうからな。」

「・・・私もマスターについて行きます。」


サリアの提案に乗ったヴィザル達。ヴィザルは怪獣を警戒しながら龍儀のところへ行く。


「龍儀さん、僕達はこれから最後の攻撃に出ます。完全なギャンブルになりますが大丈夫ですか?」

「問題ない。俺達もそのつもりだ。」

「分かりました。作戦はシンプル。距離を保ちながら怪獣を削っていき水晶が見えたら全力で破壊する。」

「OK。」


ヴィザルが龍儀達にこそこそ話す。龍儀達は了解したように頷くと一気に走り出した。まず、リチェリアがケンと合わせて怪獣の足、首、尻尾を切り刻むとルリカとマキナが傷に魔法と光線を放って大まかに破壊した。


「ゴロンゴラー!」


怪獣は叫ぶと石化ガスを放射した。それを見たルリカとケンがとっさに風魔法で返すと怪獣は自分が吐いたガスで視界を防がれた。その隙にサリアが砕けたところが再生しないように炎魔法を大量に打ち込んで破壊すると空中に飛んだリチェリアが怪獣を切り裂き、マキナが怪獣に風穴を開けた。

すると、体の中に怪獣の核と思われる光る水晶を見つけた。


「あれだ。行くぞ、ヴィザル。」

「はい!」


二人は水晶目掛けて走り出す。怪獣の岩石飛ばしにはルリカとケンが防ぎサリアが炎魔法で作った腕の上に乗るとサリアはおもいっきり水晶の方へ飛ばした。そのまま二人は水晶に向かうが砕けた破片から現れた骸骨がヴィザルの腕を斬りつける。骸骨はマキナに破壊されたがその際、ヴィザルは剣を手放してしまう。


「・・・マスター!」

「ヴィザル!」

「そのまま行ってください!」


龍儀はヴィザルの諦めない目を見ると頷いて逃げようとする水晶に刀を当てた。しかし、水晶は硬い上に空中なため力が上手く入らない。すると、そこにヴィザルが破片を足場にして近付き龍儀の刀の峰におもいっきり蹴りを入れた。


「《雷神王之槍(ケラウノス)》!」


ヴィザルの蹴りが龍儀の刀をアシストし遂に水晶に亀裂が入った。それでも水晶が逃げようとした瞬間、反対側からリチェリアとマキナが龍儀とヴィザルと同じように水晶を攻撃した。


「・・・《雷神王之槍(ケラウノス)》!」


水晶の両側からヴィザル達とマキナ達が攻撃する。水晶は動くことができずに段々と亀裂が大きくなる。


「龍儀!」

「ヴィザル!」

「「「「いけえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」」」」


その場にいた全員が叫ぶ。ヴィザル達も力を合わせて水晶を攻撃する。

そして、水晶はヒビが入ったところから砕けていくと怪獣は叫びながら崩れていくのであった

次回予告の前に今回倒した怪獣


怪獣名 マガゴロンゴラ

別名 岩石魔王獣

全長 30m

高さ 25m

体重 4万t

特徴

龍儀達が終始“怪獣”と呼んでいた存在。口からは相手を石像に変える石化ガスと骨になるまで溶かす火炎、目からは怪光線が主な武器。その他にも骸骨をスケルトンとして操るネクロマンス、自身が作り出した遺跡を操る能力も兼ね備えている。

何の目的でこの世界に現れたのかはまだ謎である。


「・・・ねぇ、ホントにこいつ大丈夫なの?いろんなところから訴えられない?」

「・・・訴訟されたら終わりだな。」

「全然大丈夫じゃない!」

「あ、あの~、私はどうしたらいいのでしょうか?」

「あ、セレナちゃんはカンペ読んで次回予告してくんない?」

「ゲストへの扱い雑!」

「は、はい!・・・え~と、次回、なんやかんやで解決?」

「おい!雑な次回予告をゲストにさせてんじゃねぇ!」

「次回お楽しみに~!」

「待て作者!」

「・・・あ、あの~。私どうすれば・・・」

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