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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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兄弟喧嘩はほどほどに

前回のあらすじ

兄弟喧嘩勃発


「それよりアイアンガイアがマスターズ出場したことを言ってください!」

「ヴィザル、俺からの忠告だ。今すぐ、アイアンガイアを辞めろ。」

この一言から始まった。

「い、いきなり何言っているんですか、バルド兄さん!?」

「ヴィザル、これは兄からのアドバイスだ。」

「ちょっと待てよ。いきなり出てきてヴィザルに辞めろっていくら兄でも横暴過ぎでしょ!」

「部外者は黙ってろ。」

「思いっきり関係者なんですけど!」

「落ち着け、クロア。バルドって言ったな。そう言うには理由があるんだろ。」

クロアを落ち着かせたケンはバルドに理由を聞いた。

「理由は簡単だ。ヴィザルは冒険者としての才能は無い。」

「そんな・・・」

バルドの言葉にヴィザルは下を向いた。

「それに、アイアンガイアはオリュンティア公国内でも有名な問題クランだ。偶然、マスターズに出場できたみたいだが、本来ならいつ解体されてもおかしくないクランだ。こんなところで何ができる?優柔不断なお前が選んだのがこのクランなら尚更お前には冒険者としての才能は無い。」

バルドの言っていることにヴァンガス達はイラついていた。ヴィザルも握り拳を作ってバルドに反論した。

「そう言うの止めてください!確かにアイアンガイアは借金だらけでお金に汚くてがめつくて変態でまともな人はケンさん以外はいません!」

「あれ?ちょっと待って。それ一切フォローしてないよね?」

「完全に愚痴ね。」

「事実だろ。」

「てめえ、ちょっといいこと言われたからって調子にグホッ!」

「今は黙ってろ。」

クロアやカリスティがヴィザルの言っていることにツッコミを入れ、ケンがヴァンガスを気絶させている間もヴィザルは叫んでいる。

「それでも、ここにいます!このクランが好きでここにいるんです!」

「優柔不断なうえに飽き性で諦めの早いお前がここまで言うとはな。」

そう言ってバルドはゆっくりと剣を抜いた。

「だったら剣を抜け、ヴィザル。お前がどれぐらいの強さか教えてやる。」



ここはカブジナの中にある広場。そこにヴィザルとバルドが剣を構えて立っていたらその周りにはアイアンガイアのメンバー以外にレザニア、オリヴィエ、ジルフレイム、フィルディオがいた。

「あんた達、本当に何やってんのよ?」

「あの、ヴィザル君はなんでこんなことに?」

「いろいろあってな。」

「大丈夫ですかねぇ、ヴィザルさん。相手はオルディダンテ家の次男、バルド・オルディダンテ。レジェンドドラゴンに所属している剣術の才能がある冒険者ですよ。」

「え!?あいつ、レジェンドドラゴンのメンバーなの!」

「はい。」

みんなが見守っている中、ヴィザルとバルドは立ったまま動かない。

「・・・とりあえずヴィザルが勝つに100レクス賭けるわ。」

「じゃあ、私は200レクスを賭けるわ。もちろん、ヴィザルに。」

「では私はバルドさんが勝つにジルフレイムさんの魂を賭けます。」

「待ちなさい、フィルディオ。あなた、一体何を賭け事に使ったの!?」

「おい、お前ら。」

サリアの賭ける発言にエレキナ達が乗り始めた。そんな中、二人はゆっくりと距離を詰め寄ってきた。そして、同時に剣を振った。互いの剣は拮抗し、つばぜり合いになった。

二人が闘っていると冒険者や他の人達が集まって野次馬ができた。

「少しは上達したか。」

「当たり前です。」

「だが、少しだけだ!」

バルドはヴィザルを押し飛ばした後、すぐに間合いに入って剣を振り払った。ヴィザルも剣でガードして下がりながら炎魔法を放った。

「あれ?ヴィザルって魔法使えたんだ。」

「はい。ヴィザル君は魔法も使えます。けど・・・」

「けどどうしたの?」

「ヴィザル君、どっちも中途半端と言われているの。」

ヴィザルは下がりながら必死に魔法で攻撃するもバルドは全ての魔法を切りながらヴィザルに詰め寄ってきた。

そして、バルドはヴィザルの剣を弾き飛ばし剣をヴィザルの首に当てた。

「わかっただろ。お前は剣も魔法も中途半端に諦めた怠け者だ。そんなんで強くなれるわけないだろ。」

バルドに言われたヴィザルはその場に座り込んだ。サリア達がヴィザルに駆け寄る。

「これでわかっただろ。自分がどれだけ冒険者にむかないのか。そんな半端な強さじゃ何もできない。さっさと抜けるんだな。もっともマスターズ出場が決まった後で人数が足りなくなるとどうなるかは俺にも分からんがな。」

ヴィザルは踞ったまま動けずにいた。ヘルマやオリヴィエが心配そうに声をかける。

「ヴィザルさん、大丈夫ですか?」

「ヴィザル君。」

バルドはヴィザルを見た後、その場を立ち去ろうとした。

「何よ!卑怯者のイカサマ野郎のくせに!」

「は?俺がいつイカサマした。言ってみろ。」

「いつってヴィザルにトランプのイカサマとか教えてたのあんたじゃないのか?」

「確かにヴィザルが言ってたぞ。イカサマは兄から学んだって。」

クロアとエレキナの発言にバルドは少し考えた。

「・・・フォルス~!」

「!?」

「フォルス?」

「・・・僕にイカサマを教えたのはバルド兄さんじゃなくてフォルス兄さんです。」

「あ、そうなんだ。」

「なんか、ごめんね。」

「あの野郎~!弟に何教えてんだー!」

バルドは怒りながら叫んでいる。

「ヴィザルの前に説教しないといけないバカがいた!今度、帰省したらあのバカにお灸据えてやる!」

そう言ってバルドはその場を去った。

「なんか、兄弟喧嘩が有耶無耶になったわね。」

「まぁ、とりあえず賭けは勝ったのでジルフレイムさんの魂が無事で良かったです。」

「良くないわ、バカもん!」

ジルフレイムがガトリングガンでフィルディオを殴った。

「あ、賭けのこと忘れてた。」

「それ、どうでもいい。」

こうして、ヴィザル達アイアンガイアの帰宅した。


マスターズまであと一週間。

次回予告

とりあえず修行回です。


「とりあえずって何?」

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