入りたい大学とかの合格発表ほどドキドキするドラマはないと思う
前回のあらすじ
脱衣ポーカーで全裸になるアルトディーナが見たかった。
「自重してください。」
アイアンガイアのメンバーがカジノのクエストをクリアした翌日
オリュンティア城 魔聖七天王会議室
「・・・と、言うことで私もアイアンガイアをマスターズに推薦するわ。」
そこではアルトディーナがマスターズにアイアンガイアを推薦すると言っていた。
「待て!それだけで推薦するのか!?そもそも、ヴィザルがイカサマが得意ってのは危険だろ!」
ガッチェスが必死に反対していた。しかし、誰もそれに賛同はしなかった。
「確かに危険な技術を持っている人はいる。例えば、俺だ。しかし、どんな技術も扱う人次第でどうとでもなるのも事実。今回は私もアイアンガイアに期待するつもりだ。」
そう言ってバルウェインもアイアンガイアをマスターズに推薦した。
「これで四人の魔聖七天王の推薦があったのでアイアンガイアもマスターズの出場資格を獲得したということでよろしいですね。」
フレアガルドがアイアンガイアもマスターズに出場資格を獲得したとして進行した。すると、ネフティウスが手を挙げた。
「バルウェインさんが推薦するなら僕も推薦する。」
「な!?おい、ロキエル!お前はどうなんだ!?」
「確かにアイアンガイアはヤバいクランだが面白いのは大歓迎だ。俺も推薦してやるよ。」
「な!?」
これでガッチェス以外の全員がアイアンガイアのマスターズ出場に推薦した。
「これで出場資格を持ったクランは全部で95つ。しかも、今回はオリュンティア公国以外からの出場クランが一つあります。」
魔聖七天王のマスターズ推薦の会議はしばらく続いた。そして、
「・・・では、今回のマスターズ出場クランはこの8つでよろしいでしょうか?」
フレアガルドが最終確認を行い、ガッチェス以外が賛成したことで会議は終了した。
(こうなれば、マスターズでアイアンガイアを潰す。)
翌日、ギルドにて
多くの冒険者が集まる中、アイアンガイアのメンバー達もそこにいた。
「なんか、ドキドキしますね。」
「そりゃ、マスターズ出場がかかっているんだ。誰だってそうさ。」
ヴィザルがマスターズに出場するクランの名前が貼り出される掲示板を見ていると後ろからオリヴィエがやってきた。
「ついにこの時がきたね、ヴィザル君!」
「う、うん。」
「ヴィザル君も緊張してる?」
「うん。入るかどうかわからないからね。オリヴィエさんはいいよね。マスターズ常連のエンジェルフォースにいるんだから。」
「ううん。私もドキドキしてる。だって、ヴィザル君と一緒に出れるかも知れないから!」
明るい笑顔で純粋に語りかけるオリヴィエにヴィザルは赤面していた。
「リア充爆発魔法とか持ってないか?」
「残念ながら持ってないわ。」
「止めろ、お前ら。」
二人の関係にイラついているヴァンガスとエウリアを止めるケンだった。
そして、マスターズ出場クランが貼り出された。
【マスターズ出場クラン】
[レジェンドドラゴン]
[オールドマギア]
[シルバーホーク]
[エンジェルフォース]
[ワイルドビースト]
[ギガントタイタン]
[天桜の狐]
[アイアンガイア]
「は、入ってたー!」
「よっしゃー!」
「やったぁ!」
「良かった。本当に良かった。」
アイアンガイアの名前があったことにヴィザル達は喜び、サリアは泣いていた。
「良かったね、ヴィザル君!」
「うん!」
オリヴィエはアイアンガイアが入っていたことをヴィザルと一緒に喜んでいた。他の冒険者達はアイアンガイアを見て愚痴っていたり、アイアンガイアのことを初めて知ったような顔をしたりしていた。
「とりあえず、今夜は家でパーティーだ!」
「おぉ!」
「あ、私、エンジェルフォースに戻らないと。じゃあね、ヴィザル君、また今度ね!」
「は、はい!」
オリヴィエと別れたヴィザルはサリア達と一緒にアイアンガイアに戻っていった。
アイアンガイアの本部に戻ると扉の前にレザニアが立っていた。
「マスターズ出場、おめでとう。」
「ありがとう、レザニア!」
「早速だが、今までの家賃を払ってもらうよ。」
「・・・」
180度方向転換してダッシュで逃げるサリア。
↓
すぐに追い付くレザニア。
↓
サリアの頭に拳骨をくらわせるレザニア。
「待って!今からパーティーなんだけど!」
「パーティーする金があるならさっさと今までの家賃払わんかい!」
頭にたんこぶを作って泣いているサリアにレザニアは詰め寄っている。ヴィザルはもう慣れたのか温かい目でサリアを見ていた。
「まぁ、今回は違う用事だしね。」
「どうしたんですか?」
「ヴィザルにお客さんだよ。中で待ってもらっているよ。」
「え、僕に?」
サリアに大量のたんこぶを作ったレザニアはヴィザル達を中に入れた。ヴィザルが中に入ると一人の男がテーブルにいた。
その男は細身ながらもがっしりとした体格で背中に剣を携えていた。
「え?」
「誰よ、あいつ?」
「バ、バルド兄さん!?」
「えぇ!?」
「久しぶりだな、ヴィザル。」
バルドはゆっくりと立ってヴィザルの方を向いた。
「ヴィザル、俺からの忠告だ。今すぐ、アイアンガイアを辞めろ。」
バルドの一言にその場の空気がこおった。
次回予告
兄弟喧嘩勃発
「兄に勝る弟などいない!」
「バルド兄さん!?」