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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
11/406

才能は意外なところで発揮される

前回のあらすじ

アイアンガイアはギャンブル中毒


「異議無し。」

「待ってえぇ~!」

カジノ、バスベラスでサリアとアルトディーナはイカサマの容疑者であるロザルトとポーカー勝負を始めた。

この時、三人のチップは共に200枚だった。


1戦目

「まずは3枚。」

「私は2枚。」

「ノーチェンジ。」

ロザルト 8とジョーカーのワンペア

アルトディーナ 5のスリーカード

サリア ハートのフラッシュ

サリアのみベット

「やった。いただき。」

「あ~。残念。折角ジョーカーがきたのになぁ。」


2戦目

ロザルト 4とQのツーペア

アルトディーナ Aのワンペア

サリア 10のワンペア

サリア以外ベット

「俺の勝ちだな。」

しばらくこのまま三人の戦いが続いた。

そして

36戦目

ロザルト 3、4、5、6、7のスペードのストレートフラッシュ

アルトディーナ ダイヤのフラッシュ

サリア ハートのフラッシュ

全員ベット

「またまた俺の勝ちぃ!」


現在

ロザルト 453枚

アルトディーナ 122枚

サリア 25枚

「な、なんでいきなり勝てなくなったの!?」

(多分、イカサマ。でも方法がわからないわね。)

「なぁ。」

二人が悩んでいるとロザルトがある提案をした。

「こんなに観客がいるのにただのポーカーじゃつまらんだろ。ここはエンターテイメントとしてこれから負ける度に服を脱ぐってのはどうだ?」

その提案に観客、特に男共が歓声をあげた。

「マジかよ!もしかしたら、アルトディーナさんの裸が見れるのか!?」

「サリアのは・・・金払ったら簡単に見せてくれそうだな。」

「いいですねぇ。サリアさん、とびっきりの裸体を期待していますよ!」

「おい、誰だ!?金払ったら簡単に見せてくれそうって言った奴!?私はまだそこまで落ちぶれてはいないぞ!」

「っていうか、なんでフィルディオさんがここにいるんですか!?」

サリアの周りで撮影しているフィルディオにヘルマがツッコミを入れていた。

「で、どうするお二人さん。まさか、ここで引き下がるわけないですよね?」

二人がニヤニヤしながら挑発するロザルトを睨んでいるとヴィザルが近づいてきた。

「あの、僕も今からポーカーに参加していいですか?」

「え?」

「誰だ、お前。」

「僕はヴィザル・オルディダンテ。オルディダンテ家の四男で今はアイアンガイアのメンバーです。」

「は?オルディダンテだと?」

ヴィザルの提案にサリアが急いでヴィザルに近づいた。

「おい、大丈夫なのか?」

「大丈夫ですって。僕、兄と一緒にこういうのよくやるんですよ。」

「・・・よし、わかった。」

ヴィザルはサリアとロザルトの間に座った。

「僕もチップを200枚用意したので大丈夫ですよね。」

「おいおい、話を聞いていなかったのか?今から負ける度に服を脱ぐってルール。お前が脱いで誰が喜ぶ?」

「あ、そこは大丈夫ですよ。僕が負ける度にアイアンガイアの皆さんが脱いでくれるので。」

「・・・え?」

「えぇ~!」

ヴィザルの発言にエウリア達が驚愕した。

「何勝手に決めてんのよ!」

「そうだぞ!」

エウリアやクロアが猛反発している中、ロザルトはニヤリとしながらヴィザルの提案に乗った。

「よし、いいぜ。但し、女性メンバーだけだ。男の裸なんか見たくない。」

(あれ、これ僕はどうなるんですか?)

(とりあえず、あんたも脱ぎなさい。もし全裸になった時、あんたの裸で乗り切るわ。)

(ちょっとひどくないですか!?)

これでヴィザルを含めた四人でポーカーが始まった。


37戦目

ロザルト スペードのフラッシュ

アルトディーナ QとKのツーペア

サリア 9のスリーカード

ヴィザル ノーペア

ロザルトのみベット

(くっくっくっ。バカが来た~!これで俺に勝てるわけねぇだろ!何故ならディーラーもグルだからな。イカサマ魔法防止トランプ、んなわけねぇだろ。こいつは普通のトランプだよ。ディーラーが俺が有利になるようにトランプを配る時に魔法で柄を変えているだけ。これだけで誰も気付かない。)

「さて、負けたから脱いでもらおうか。」

「ということですよ、皆さん。」

「ヴィザルー!」

「なんであんな自信満々で出てきたのにあっさり負けてるの!」

「おい、さっさと脱げ。」

「ちっ。仕方ない。」

そう言って、全員靴だけ脱いだ。

「おい、卑怯だろ!」

「どこが?靴も立派な服だぞ。」

「・・・まぁ、いい。」

次の戦いが始まった。

「あ、次の戦いで全賭けしま~す。」

「!」



38戦目

ロザルト スペードのロイヤルストレートフラッシュ

アルトディーナ ノーペア

サリア 2のスリーカード

ヴィザル Aのワンペア

ヴィザルとロザルトのみベット

「俺の勝ちだー!」

「ちょっと、ヴィザル!」

「さてと、これでチップが全部なくなったからお前ら全員、全裸になれよ。」

「あちゃー、負けちゃった。・・・でも変ですね。なんでスペードのAが2枚あるんですか?」

「え?」

ヴィザルの一言にサリア達や周りの観客が二人の手札を見てみると確かに二人ともスペードのAを持っていた。

「なにぃ~!」

「おいこれ、イカサマじゃん。」

「イカサマだ。」

「イカサマよ!だからノーカンよ!ノーカン!」

「落ち着け、エウリア。」

みんながロザルトを睨んでいる。

「待て!俺は知らん!そのガキが魔法で柄を変えてイカサマしたんだろ!」

「だったらなんでヴィザルが負けてるのよ。」

「うっ!」

「それに、言ってたわよね。イカサマ魔法防止トランプを使ってるって。なのになんで魔法でイカサマしたと言いきれるの?」

ロザルトがサリアとアルトディーナに詰め寄られているとフィルディオがディーラーが持っていたトランプを見ていた。

「あ、ここに2が2枚ありますよ。」

「何!?」

フィルディオの発言に真っ先に反応したディラードがそのトランプを見たら確かにテーブルに2のスリーカードができているのにトランプの山にも2が2枚あった。怪しんだディラードがトランプに魔法をかけるとトランプの柄が変わった。

「なるほど、貴様もグルか。お前ら二人でイカサマをしてたわけだな。」

ディラードに詰め寄られた二人は言葉を発することなくカジノの従業員に連れていかれた。




「お見事、ヴィザル!」

「すげぇな、ヴィザル。」

「初めてあんたをカッコいいと思ったわ。」

「いやぁ。」

二人のイカサマを見抜いたヴィザルはみんなから感謝されていた。

「まさかヴィザルがポーカーの才能と運があったとは。」

「でもよくわかったわねぇ、あのイカサマ。」

「あ、それはこういうことですよ。」

そう言ってヴィザルは袖からトランプを出した。

「え!?」

「皆さんが戦っている間に他のトランプからこっそりくすねてたんです。あの時、僕が全賭けするって言ったらあの人はトランプの中で一番強い柄、つまりスペードのAを使うと予想してたので。そして、配られたトランプを取る時に他の手札とスペードのAを入れ変えたんです。こうすれば、魔法を使わないので怪しまれませんしわざと負けることで疑いの目は全てあの人に向くって寸法です。」

唖然としているサリア達。

「やっぱりイカサマは魔法じゃなくてテクニックでやるものですよ。ちなみに、これは兄から学びました。」

「あんたのお兄さんって凄くヤバいわね。」

「兄と一緒によくやるってのはこれのことだったのね。」

ヴィザルの説明に驚嘆する中、サリアがヴィザルに近づいた。

「ヴィザル、これからお前も私と一緒にカジノで大儲けしよう。」

「ヴィザル君。」

「は、はい!」

二人が振り向くとそこにはディラードが睨みながら立っていた。

「今回はイカサマ野郎を捕まえるためとして目瞑っておきますが次、イカサマをしたら出禁ですよ・・・この世から。」

「なんか恐い!」

「いいですね。」

「はい!」


こうして、アルトディーナからのクエストをクリアしたサリア達は家でポーカーをした。ちなみに、ヴィザルが全勝ちしました。

「ヴィザル!絶対イカサマしただろ!?」

「してませんよ。ただ、サリアさんが弱いだけです。」

次回予告

・・・


「せめて何か言ってください!」

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