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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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ワープは便利過ぎる

前回のあらすじ

強い老人ってなんかカッコいい気がする。


「あらすじで感想言わないでください。」

クロアは迷っていた。ゲーテウェルズ研究所に侵入してから特に何も考えずに進んでいたため今どこにいるのか検討すらついていなかった。クロアが周りをキョロキョロ見ながら歩いていると後ろの陰に二人の人影がクロアをこっそり覗いていた。


「あいつが対象?」

「みたいですね。」

「こっちが言うのもなんだけどもう少し慎重にするべきだと思う。」

「私も同意見です、レオ。」


クロアを見て心配している二人。片方は宍色の髪と龍のような尻尾が特徴的な青年、何故か頭頂部からはアホ毛がピョコッと飛び出している。もう片方は金髪碧眼の人間の女性で手からは何か黒い球体を出していた。


「じゃあ、仕事するか。」

「了解しました。」


クロアがキョロキョロしているといきなり後ろに黒い球体が現れそこからさっきの青年の腕が伸びてきた。クロアはすぐに気付き腕を払って下がると黒い球体から青年が飛び出して攻撃を仕掛けてきた。


「何それ!?」


クロアは攻撃を避けながら二人から距離を取る。すると、青年の後ろにある球体から女性が現れた。


「意外と俊敏ね。」

「誰だお前ら?」

「ゾディアックアルゴ、レオルス。」

「同じくハルコ。」


二人はクロアの質問に対して正直に自己紹介した。自己紹介を終わらせるとレオルスが拳を光らせて攻撃してきた。


「《獅子閃乱拳(ネメアラッシュ)》!」


クロアはレオルスの怒涛の攻撃をかわし続けているといつの間にか彼女の周りに黒い球体が大量にあった。クロアがそのことに気付き周りを見るとハルコの手のひらにある黒い球体から次々と小さい黒い球体が分裂するように増え、クロアの周りを囲っていた。


「《スピカ》」


ハルコはスピカを作り出すとそこに炎魔法を放った。すると、クロアの隣のスピカからさっき放った炎魔法が出てきた。


「!」

(あれってまさか・・・)

「これが気になる?スピカはスピカ同士をワープさせることができる。」

「やっぱり。すげぇ欲しい能力じゃん。」


クロアは愚痴りながらも近くのスピカにレーザーで攻撃するとクロアの真上のスピカからレーザーが飛び出してきた。


「うおっ!」

「どのスピカを繋げるのかは私が自由自在に設定できるからあなたじゃ意味ないよ。」

「それにしてもレーザーってどんな体してんだ?」


ハルコはレオルスの周りにスピカを移動させるとレオルスは雷魔法を周りのスピカに連射し始めた。すると、クロアの周りのスピカから雷魔法が襲ってきた。


「やっぱりワープ能力はズルいって!」


クロアが避けていると目の前のスピカが大きくなりそこからレオルスが獅子閃乱拳(ネメアラッシュ)しながら現れた。クロアはとっさに防御するもまともにくらってしまい吹っ飛ばされてしまった。


「いった~!さすがにリザードの攻撃はまともにくらうと痛い。」

「あ、知ってたんだ、俺の種族。」

「まぁね。うちにも龍人がいるからね。」


レオルスはアホ毛をピョコピョコさせて嬉しそうだった。しかし、攻撃の手を緩めることはなく拳と一緒に足や尾でも攻撃してきた。クロアは隙をつこうとレオルスを殴ろうとしたがスピカが間に入りスピカに入った拳は真横から出てきて自分を殴ってしまった。


「またそれかよ!めんどくさい!」


クロアは数歩下がると右手を前に突き出してレオルス目掛けてロケットパンチを発射した。


「マジで何それ!?」


レオルスは驚きながらも尻尾でロケットパンチをはね飛ばした。クロアは再び左手でロケットパンチを発射しようとするとクロアの前にあるスピカからレオルスの腕が伸びて彼女の首を掴んだ。


「やっとチェックメイトね。」


レオルスの後ろに来たハルコ。クロアは彼女を睨み付けた後、ニヤリと笑い右腕を再び動かした。


「あれってまだ動くのか。」

「大丈夫よ、レオ。こうやってスピカを配置すれば私達に攻撃は絶対に出来ないから。」


そう言ってハルコはレオルスの前に敷き詰めるようにスピカを配置した。それでもクロアは右腕を飛ばして攻撃しようとした。


「無駄よ。さっきも言ったでしょ。どのスピカが繋がるかは私しか知らない。どのスピカに攻撃しても私には届かない。」

「いや。一つだけどこに繋がっているか私にも分かるぜ。」


そう言ってクロアはロケットパンチをレオルスの腕が出ているスピカに命中させた。すると、レオルスの前にあるスピカからクロアのロケットパンチが出てきたためレオルスはとっさに避けた。


「残念だったな!俺には効かないぜ!」

「そうだな。あんたには効いてないかもな。」


スピカの隙間からクロアのニヤリ顔が見えたので後ろを向くとロケットパンチはハルコの顔面に命中していた。


「・・・え、嘘?」


油断していたところにクリティカルヒットしたことでハルコは鼻血を出しながら後ろに倒れて気絶した。すると、彼女の手のひらにあったスピカが消え周りのスピカも段々少なくなってきた。


「これってヤバいんじゃ!」


レオルスは慌ててクロアを離して腕を抜くとスピカは消滅した。


「やってくれたな。」

「これでうざいワープはなくなった。ここからは自力勝負だぜ。」

「あぁ・・・上等だ!」


ハルコを倒したクロアは右腕をはめ直すとそのままレオルスと第2ラウンドを開始した。

次回予告

一旦、ゲーテウェルズ研究所は置いといてサリアがいるコキュトルス監獄に話を変えます。


「え?いきなり?」

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