障害だって何のその
前回のあらすじ
ヴィザル達の前にはだかる傭兵クランゾディアックアルゴ。ヴィザル達は勝利してマキナのところに行くことが出来るのだろうか!?
「ここからしばらくバトルの連続です。」
ゲーテウェルズ研究所に侵入したカリスティは近くにいた女性の研究員を気絶させてIDカードを盗んで魔法で彼女に変装して研究所内を他の研究員にバレないように歩いていた。
(ふふ~ん。これならマキナちゃんのところまで簡単に行けるわね。)
周りを警戒しながら歩いているとカリスティの目の前に2本の刀を携えた男が立っていた。カリスティがその男に警戒していると男はいきなり背中の刀を手に取りカリスティを縦に真っ二つに切った。
「!?」
すると、変装魔法で変装した女性の研究員が真っ二つになりカリスティが露になった。
「やっぱり。なかなか高度な変装魔法だな。」
「分かってたの?」
「ここは一般の研究員は立ち入り禁止だぞ。」
「え、そうなの?」
カリスティが周りをキョロキョロ見ると確かに研究員の姿はなかった。カリスティは周りを確認すると頭を抱えた。
「・・・もう少し考えて行動するべきだったわね。」
「その前に不法侵入だぞ。」
「それはもう覚悟してるから。」
カリスティは両手から炎を出して戦闘態勢に入った。男も背中のもう1本を手に取ると刀の柄の部分をトンファーみたいに変形させて交差させた。
「コード・キャンサー、いざ、尋常に勝負。」
キャンサーは刀を振り払った瞬間、両手の炎が消えた。カリスティは驚いて今度は水と風の魔法で攻撃しようとするとキャンサーが再び刀を払って魔法をカキ消した。
「!?」
「驚いたか?このカルキノスは魔法のみを攻撃する。」
「なるほど、だからさっき切られても私は無傷ってわけなのね。」
「そうだ。実を言うと俺は血が苦手だ。特に注射は大の苦手だ。採血とか注射器に入っていく血をみると気絶しそうになる。って言うより血を抜くと言う表現がおぞましい。」
「そこまで聞いてないけど・・・」
キャンサーはカルキノスの説明と共に自分が苦手なものを紹介した。カリスティはジト目で見ると少しずつ下がりながら戦闘態勢に入った。キャンサーがカリスティの動きに気付くと再びカルキノスを構えてハサミのように空間を切った。その時、カリスティの体が何かに切られたような感覚が襲ってきた。
「!」
「さっき、下がりながら魔法でステータスを上げただろ?カルキノスは全ての魔法を切り裂く。例え魔法でステータスを上げたとしても魔法そのものを切るから意味をなさない。」
キャンサーは緩急付けて近付くと一気にカリスティに詰め寄りトンファーの柄の部分でカリスティの腹を突いた。カリスティは歯を食いしばって後ろに下がった。腹を押さえたまま炎魔法で反撃するもキャンサーは炎を真っ二つに切り裂いた。
「無駄だ。魔法を得意とするエルフには相性が悪い。」
「・・・ねぇ、そういえばあなたって魔法使わないのね。」
「ああ、俺は魔法が使えないんだ。魔力伝達阻害症候群って言うのかな。魔法を使う時、体中に流れる魔力を一旦脳に集めて神経に伝達させて放つが俺の場合は脳から神経に魔力を伝達させることが出来ない。だから、俺の体は魔力が流れるだけで魔法は何も使わないってわけだ。」
「へえ。」
キャンサーの話を聞きながらカリスティはゆっくりと回復させていた。 しかし、キャンサーが話を終わらせても完全に回復が出来なかった。
「さて、話はここまで。行くぞ。」
キャンサーは再びカルキノスを構えて突っ込んだ。その時、キャンサーの足元が爆発し雷魔法が彼を攻撃した。キャンサーはびっくりして後ろに下がりダメージを負った足を見た。
「何だ!?」
「悪いわね。あなたが話している間に地雷魔法を張らせてもらったわ。」
「なるほど。俺の悪い癖だ。」
キャンサーは足の状態を確認するとカルキノスを振り回して鎌鼬を作り出して全ての地雷魔法を爆破させた。
「うっそ~。」
「じゃあ、気を取り直して・・・行くぞ。」
キャンサーは再びカルキノスを構えたまま走り出し、カリスティを柄の部分で殴った。しかし、カリスティは寸でのところでカルキノスを抑えて防いだ。そのまま後ろ回し蹴りでキャンサーを蹴飛ばした。キャンサーもとっさにカルキノスで防ぎながら下がった。
「まさか、エルフが格闘とは・・・」
「驚いた。こういう仕事していると必然と必要になってくるのよ。」
「普段からどんな仕事しているのだ?」
(本当はエレキナちゃんから身を守るために最近覚えた護身術なんだけどね。)
キャンサーの質問を目を反らして完全に無視するカリスティ。キャンサーは格闘が出来ると知ったためかさっきより警戒し、距離を保ったまま構えた。カリスティもまだ格闘に関しては素人なことがバレないように構えた。
二人はこのまましばらく膠着状態となった。そして、両者同時に飛び出した。
次回予告
今度はヴァンガス戦に入ります。
「あれ?私の活躍ここまで?」




