ゾディアックアルゴ
前回のあらすじ
遂に潜入。
「いきなりテキトーになりましたね。」
ゲーテウェルズ研究所正門前
そこに見張り達とケンがいた。
「いくら待っても所長は予定のない人間とお会いするつもりはない。帰れ。」
「悪いが所長が来るまでここに居させてもらうぞ。」
ケンが見張り達と言い争っている。しかし、この場にいるのはケンだけだった。
約1時間前
「作戦はこうだ。まず俺が正門で目を引き付ける。その間にお前らがどこかから侵入してマキナを捜索する。」
「なんかテキトー過ぎない?」
「たった今考えたからこんなもんだ。」
ケンの作戦に文句を言うクロア。それでも今のところいい作戦がすぐに思い付かないためケンの作戦で行くことに決めた。
そして、今・・・
「ケンが上手くしているみたいだな。」
「侵入するなら今のうちね。」
ケンの様子を見てヴィザル達は監視カメラが無いところへ移動した。周りを確認して誰もいないと分かるとエウリアが壁に円を描いた。すると、壁が描いた円状に空いた。
「おぉ~、凄い魔法。」
「でしょう~。」
褒めるヴィザルにエウリアは気持ち良さそうに胸を張っていた。張るほどの胸が無いのに・・・
ガスッ
・・・すみません
「行くわよ。」
「今、何したんですか?」
ヴィザル達はゲーテウェルズ研究所に侵入するとそれぞれ別行動でマキナを捜し始めた。
ゲーテウェルズ研究所最深部
「・・・誰か入ってきました。」
そこには所長らしきじいさんと水晶を持っている女性、数人の研究員達がいた。すると、女性は何かに勘づいたのか入口の方を見る。すると、そこから30代ぐらいのリーダーらしき男と眠そうな表情の女性が入ってきた。
「そうか。なら俺達もきっちりと仕事をしよう。」
「いきなり何を言う?侵入者なんて分かるのか?」
「ああ、ピスケラの感知魔法なら信用できる。俺達はその侵入者を捕らえよう。」
「待て。この研究がバレるとまずい。出来れば殺して欲しい。」
「・・・おい。」
所長が殺しを頼むと男は所長を睨んだ。その睨みにびびった所長はたじろぎ後ろに下がった。
「忘れていないだろうな。俺達傭兵クラン”ゾディアックアルゴ“との契約内容。」
「も、もちろんだ。1つ、報酬は半分前金、残りは契約完了時にその場で。2つ、メンバーに危険が生じた場合は、契約を破棄。3つ、いかなる場合でも殺しに関与しない。だ、だろう?」
「そうだ。ちゃんと覚えているならいいが忘れるな。俺達は如何なる理由があろうとも殺しだけは絶対にしない。」
男は所長にそう言って確認すると部屋から出て行った。所長はその後ろ姿を苦虫を噛み潰したような顔で黙って見ていた。
男は部屋を出ると右手を頭に当てた。そして、テレパシーみたいな魔法で仲間に指示を出した。
(任務だ。研究所に侵入した奴らを全員捕らえろ。)
ゲーテウェルズ研究所に侵入して手分けして捜索するヴィザル達。
正門で見張り達と揉めながら時間稼ぎをしているケンのところに長いポニーテールの女性と筋骨粒々の牛の獣人の男が現れた。
同時刻、研究所の廊下をひっそりと進むエウリアの後ろにはエルフの女性。
変装魔法で研究員に成り済まして歩くカリスティの前には2本の刀を携えた男。
地下に入って捜しているヴァンガスの前には大きな亀に乗った少年。
空から捜索しているエレキナのところには弓矢を持った男と山羊の獣人の男。
研究所内のどこかで迷っているクロアの後ろに宍色の髪と龍のような尻尾が特徴的な青年と金髪碧眼の女性。
同じく研究所内の別のどこかで迷っているヘルマの前にはヘルマと同い年ぐらいの気弱そうな少年。
そして、地下の少し広い部屋にいるヴィザルの前にはリーダーと思わしき男が待ち構えていた。
次回予告
研究所内に侵入したヴィザル達。しかし、彼らの前に傭兵クランゾディアックアルゴが待ち構えていた。各地で始まる交戦。果たしてヴィザル達はマキナのところにたどり着けるのか!?
「とりあえず、カリスティ戦から始める予定です。」
「そこは軽いのね・・・」




