ギャンブルはほどほどに
前回のあらすじ
ヴィザルの数少ない友達紹介
「数少ない言わないでください!僕にだって、友達、くらいは、たくさん・・・いるよね?」
「俺に聞くな。」
ヴィザルがアイアンガイアに帰ると受付に一人の女性が立っていた。その人は露出度の高い服に妖艶な身体に豊満な胸ととにかくエロい体をしていた。
「あの、誰ですか?」
「私はアルトディーナ・スワンシェリー。魔聖七天王の紅一点よ。よろしくね、オルディダンテ君。」
「あ、よろしくお願いします。」
ヴィザルは普通にアルトディーナと握手を交わした。
「あら、意外と冷静ね。もっと驚いたり可愛い反応すると思っていたのに。」
「もう既に驚愕することがあったので。」
ヴィザルがアルトディーナと会話していると目をキラキラさせたサリアが出て来た。
「帰ってきたか、ヴィザル!早速行くぞ!」
「え、どこに?」
「カジノだ!」
「は?」
ここはオリュンティア公国で一番大きいカジノ、バスベラス。ここには国中から多くの人達が一攫千金を夢見てギャンブルしにやってくる。
サリアもその一人である。
「ここで何するんですか?」
ヴィザルはジト目でサリアに質問した。
「今回のクエストの依頼人はここのオーナーだ。」
「何をやらかしたんですか?」
「だから今回はクエストの依頼だ。」
「今回?」
「あ・・・」
「そうよ。サリアちゃんと私はここで出会ったの。その時のサリアちゃんは面白かったのよ。スロットマシンにかじりついてねばってだのよ。」
「アイアンガイアの恥ですね。」
「そんなさらっと言わないで!」
その後、アイアンガイアのメンバーとアルトディーナは正装してバスベラスに入った。
バスベラスの中はスロットマシンを始め、ルーレット、トランプゲームなどの台がたくさんあった。ヴィザル達が歩いていると一人の男が現れた。
「いらっしゃいませ。当カジノ、バスベラスに御越しいただきありがとうございます。」
「やぁ、ディラード。久しぶり!」
「お久しぶりです、アルトディーナ様、カモのお客様。」
「おい、カモと言いやがった!」
「おい。」
ケンは叫ぶサリアにアイアンクローをした。
「あの、クエストってなんですか?」
「それはこちらへ。」
ヴィザル達はディラードに連れられ裏のオフィスに入った。
「お久しぶりです、サリアさん。まさか、アルトディーナ様が連れてきたのがサリアさんとは。まぁ、確かにこのクエストにはうってつけですけど。」
「それで依頼はなんだ。」
ケンがサリアの顔にアイアンクローをしながらディラードに聞いた。
「依頼はイカサマ調査です。」
「イカサマ調査?」
「はい、あるお客様がこちらでかなり勝って稼いでいます。最初は運やテクニックが良いからと思っていたのですが明らかに勝ちすぎなのです。かといって、こちらから聞くわけにはいかないので。」
「それであなた達を私が紹介したのよ。」
「なるほど。」
「あれ、そういえばヴァンガスさん達がいませんけど。」
そう、ここにいるアイアンガイアのメンバーはヴィザル、ケン、ケンにアイアンクローされているサリア、エウリア、ヘルマだけだった。
「多分、カジノで遊んでるわよ。」
「大丈夫なんですか!?」
「あいつらも後で絞める。」
「ケンさん、漢字が怖いです。」
「なぁ、みんなこの状況にツッコミ入れないの?私、絶体絶命なんだけど。」
「そういえば、ディラードさん。こいつは今までここでいくらすった?」
「そうですねぇ。少々お待ち下さい。」
そう言ってディラードはあるファイルを調べ始めた。
しばらくして
「約500万ですね。」
それを聞いたケンは黙ってサリアを絞め落とした。
カジノ内
「よっしゃー!当たった!大当たりじゃねぇか!」
「こい、こいこい。きたぁ~!」
「はい、フルハウス。」
ヴァンガス達がカジノを楽しんでいた。ケンは黙って全員を絞めて連れてきた。
「それで、その容疑者は誰だ?」
「はい、あそこにおられます。名前はロザルト様と言います。いつもポーカー台にいられます。」
「わかった。」
ディラードはポーカー台にいる金髪の男を影から指差した。ヴィザル達はその男、ロザルトを見ていた。ロザルトは数人の客とポーカーしていたらしく圧勝していた。
「どうします?」
「まぁ、普通は現行犯が一番いいな。」
「じゃあ、私が行こう。」
「私も行くわ。」
復活したサリアがロザルトのいるポーカー台に向かった。その後ろをアルトディーナがついていった。
「なぁ、私も参加していいか?」
「私も参加するわ。」
サリアとアルトディーナがポーカー台着いた瞬間、周りに人だかりができた。
「ねぇ、あの人って魔聖七天王のアルトディーナ様よ!」
「その隣にいるのギャンブルの破産 女王、サリアだぞ!」
周りの観客が騒いでいるのをヴィザル達は遠くから見ていた。
「マスターってここじゃ、凄い人気なんですね。」
「あのこれって人気って言うんですか?」
「不名誉過ぎるだろ。なんだよ、破産 女王って。」
周りが騒ぐ中、ロザルトはサリアとアルトディーナを見るとニヤリと笑った。
「はじめまして、お二人さん。いやぁ、こんな美人が二人も近くに来られるとは今日は素晴らしい日だ。」
「ありがと。ねぇ、ディーラーさん。私達も彼とポーカー勝負がしたいわ。」
「かしこまりました。」
ディーラーは三人にトランプを5枚配った。
「では、改めてルールを確認します。使うのはこのイカサマ魔法防止トランプ。こちらは魔法でトランプの柄を変えるのを防ぎます。こちらのトランプで普通のポーカーをしていただきます。」
まず、ディーラーはトランプの紹介をした。
「次にハンドの紹介です。弱い方からノーペア、ツーペア、スリーカード、ストレート、フラッシュ、フルハウス、フォーカード、ストレートフラッシュ、ロイヤルストレートフラッシュ、ファイブカードとなっております。また、スートは強さがスペード>ハート>ダイヤ>クラブとなります。そして・・・」
「もういい、ベットとかはもう知っているだろ。」
「えぇ、知っているわよ。」
「もちろん。」
こうして、みんなが見守る中、三人はディーラーの説明を省かせポーカーを始めた。
次回予告
これこそ後付けみたいな設定の登場です。
「何も言い返せない。」