ようこそ!アイアンガイアへ!
ある漫画に影響され投稿しました。
いろいろ挑戦するつもりなので温かい目で見てください。
ここは日本とは違う異世界
そしてここはエドラシア大陸、オリュンティア公国首都カブジナ。そこのギルドに一人の少年がいた。
彼の名はヴィザル・オルディダンテ、オリュンティア公国有数の貴族の一つオルディダンテ公爵家の四男である。彼は学校に通いながら、冒険者になるべくクランに入ろうとしていた。
「う~ん。どのクランに入ろうかなぁ。やっぱり《レジェンドドラゴン》かなぁ。でも、あそこは倍率高いし、どうしようかなぁ。」
クランの募集中の掲示板を見ているヴィザルを見ていた冒険者達はニヤニヤしていた。
「あいつ、レジェンドドラゴンに入ろうとしてるぜ。」
「おい、あれオルディダンテの息子じゃね。」
「マジかよ。公爵様がまたクラン入りか?ちょっとムカつくなぁ。そうだ。」
冒険者の一人がニヤリと笑いながらヴィザルに近づいた。そして、ヴィザルに何か囁いた。
「なぁ、オルディダンテ家の坊っちゃんよ。レジェンドドラゴンは止めとけ。応募者の数が多過ぎて入れないぞ。」
「やっぱりそうですか。」
「あぁ、入るならあのクランがいいぜ。常時メンバー募集中だとよ。」
「わ、分かりました。ありがとうございます。」
ヴィザルはお礼を言って去った。
「おい、テンユー。どこ紹介した。」
「あそこ。」
「うわー。ひでぇ。」
冒険者の言う通りに行くとテーブルに4人座っていた。紅い髪の女性と狼の獣人の男とツインテールの少女と胸が大きい子だった。
「あの、どうしますか?」
「どうするって、依頼がくるのを待つしかないんじゃない。」
「いや、無理だろ。ここ1ヶ月依頼が3しかないのに新しい依頼がくるわけねぇだろ。」
「じゃあ、どうするのよ?」
「それを今考えてんだろうが。」
嫌な会話が聞こえたけど聞かなかったことにしよう。
ヴィザルはおそるおそる声をかけた。
「あの~。」
「お!まさか、依頼か!」
「マジか!」
「やったー!」
「本当にやっとね。」
「いいえ、依頼じゃないですけど・・・」
「なんだ、冷やかしか。」
「ふざけんな!依頼じゃねぇなら帰れ!」
「そうよ!依頼以外は声かけないで!」
「ええと・・・ここのクランに入りたい・・・なんです・・・が。」
「おい、マジか!依頼よりいいじゃねぇか!」
「歓迎するわ!ようこそ、アイアンガイアへ!」
「手のひらを返し過ぎじゃないですか!」
「手のひらどころか手首をぐるぐる返せるぜ!」
「どうなっているんですか、その手首!」
紅い髪の女性の手首がドリルみたいにぐるぐる回るのを見てヴィザルは思わずツッコミを入れてしまった。
「こうしちゃいられねぇ!早速、連れてくぞ!」
「「「おぉ!」」」
そのまま、狼の獣人に抱えられ連れていかれるヴィザルだった。
「う~ん、ここは?」
ヴィザルが気がつくとベッドで寝ていた。何があったのか思いだそうとしていると目の前にいた男が声をかけた。
「大丈夫か?」
「あ、はい。」
「それは良かった。すまないな。うちのバカ達が迷惑をかけた。」
「あ、あの~あなたは?」
「俺はケン。ケン・アレスザードだ。アイアンガイアの副リーダーを務めている。」
ケンと名乗った男は黒髪に高身長、がっしりとした体格をしていた。
「ええと、ここは?」
「アイアンガイアの本部。と、いっても借りてるけどな。動けるか?」
「はい!」
「それじゃ、ついて来い。」
そう言ってケンとヴィザルは部屋を出た。すると、廊下で正座させられた4人がいた。
「あの、これは?」
「あぁ、お前に乱暴なことをしたからな、その罰。ついでに紹介する。まず、一番手前にいるのがヴァンガス・リュカリオン。狼の獣人でいろいろと荒い。」
「なんだその説明!」
「その隣で正座しているのがエウリア・フェニシア。一応、優秀な魔導師。」
「一応って何よ!」
「で、その隣で正座しているのがクロア・アングルボラ。ガサツ。」
「え、それだけ?なんか説明が雑じゃない!?」
「そして、最後に彼がヘルマ・プロディトス。この中じゃ一番の常識人。」
「あの、本当にごめんなさい。」
「あ、いえ!僕なら大丈夫です。ん?彼?」
「あぁ、ヘルマは男だ。」
「ええぇ~!」
ヴィザルは驚いてヘルマを見た。ふわふわのミドルヘアー、童顔、何より作り物とな思えない豊満な胸を持っていた。
「ヘルマは産まれた時から女性ホルモン過剰分泌症とか言う病気で性別は男なのに女みたいな見た目になってしまったらしい。まぁ、変な目で見ないでやってくれ。」
「わ、分かりました。」
「じゃあ、一階に行くか。」
一階に行くと一人の女性が座っていた。女性がヴィザルに気がつくと立ち上がり、ヴィザルに挨拶した。
「はじめましてだね。私はアイアンガイアのクランマスター、サリア・へラクロス。私の仲間が迷惑をかけたようだね。すまなかった、彼らも悪気はなかったんだ。よろしく。」
女性は右目に眼帯をしているが整った綺麗な顔とモデルみたいなスラッとした体型をしていて、どこか気品があるように見えた。
「ヴィ、ヴィザル・オルディダンテです!こちらこそ、よろしくお願いします!」
「あぁ、よろしく。・・・ん?オルディダンテ?」
「もしかして、オルディダンテ公爵の息子か?」
「はい。四男ですけど。」
ヴィザルがケンを見て答えた後にサリアを見ると彼女は土下座していた。
「・・・え?」
「頼みます。お金を貸してください!」
「えぇ!」
「1万、いや千レクスでいいので貸してください!必ず、倍にして返します。」
さっきまであった気品が見事に消え、サリアはヴィザルにお金をせびっていた。
「お願いします!次のレースは絶対当たるから大丈ぶっ!」
「おいこら!何、初対面の少年相手に金せびってんだ!それと、今月の家賃はどうした!」
土下座しているサリアをケンは容赦なく踏んづけていた。
「違うんだ、ケン!まさかあそこでワイナードが抜かされるとは思わなかったんだ!」
「また、競竜に家賃つっこんだんか!」
ケンがサリアを踏んづけていると奥から一人の女性がきた。彼女を見ると尖った耳を持ち、綺麗な金髪をしていた。
「もしかして、エルフ。」
「えぇそうよ。アイアンガイアの受付嬢をしているカリスティよ。よろしくね。」
「はい、よろしくお願いします。」
二人が握手を交わしている間もケンはサリアを踏んづけていた。
「ええと、止めなくていいんですか?」
「いいのよ。いつものことだから。」
「いつもこんなことになっているんですか。」
「それに、カッコいいサリアがあんな風に弄られているのを見るとゾクゾクしちゃうの。」
(あ、この人、ヤバい人だ。)
サリアをみて頬を赤らめ興奮しているカリスティに引いたヴィザルだった。
すると、カリスティがきた方向とは違う方向からもう一人、女性がきた。
「誰もいないと思ったらいつものやつね。」
「あら、お帰り。」
彼女を見るとドラゴンのような立派な翼と尻尾を持っていた。
「え、もしかして龍人。」
「そうよ。彼女はエレキナ・レダニウス。龍人よ。」
「カリ、その子誰?」
「この子はヴァンガス達がスカウトしてきた子よ。」
「は、はじめまして。」
エレキナはヴィザルの挨拶を無視してサリアを踏んづけているケンのところにいった。
「次は何?」
「競竜で家賃すった上にヴィザルに金をせびりやがった。」
「そんなに金持ちなの、彼?」
「あぁ、オルディダンテ公爵の息子だからな。」
「え。」
その一言を聞いた瞬間、エレキナはヴィザルの両肩を掴んだ。目をキラキラかせながら。
「あなた、是非アイアンガイアに入りなさい!私達はあなたを大歓迎するわ!」
「お前もかぁ!」
サリアを踏んづけていたケンはそのままエレキナに回し蹴りをお見舞いした。
「な、何なんだ?このクラン?」
こうして、アイアンガイアの一員になったヴィザルの少し変わった物語が始まった。
「僕、まだ入ると決めてませんが!」
用語集
レクス
この世界のお金の単位
1レクス=1円
競竜
競馬のドラゴン版
12体のワイバーンに騎手が乗り、決められたコースを3周して競争し、勝敗や順位を予想するギャンブルゲーム