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癒し処の四姉妹  作者: 井上みなと
3/7

癒し処にやってきたお客様3


「柔らかい感じの泡なんですね」

「はい。炭酸入りのものですと、シュワアアっとするのですが、こちらはフワッとした泡なんです」


 耳に乗せられた泡が化粧筆のようなもので耳に丁寧に塗られていく。


 丁寧にくるーっと耳のふちをなぞるように一周し、次に耳の裏を洗うように筆をくるくると回転させながら丁寧に泡がつけられた。


 耳を化粧筆で触られるなんて今までに無い経験なので、ちょっとくすぐったくて気持ちいい。


 泡をつけおわると、桜子さんは先ほど見た、見たこともない大きさの綿棒を取り出した。


「これで耳をマッサージしながら、拭き取っていきますね」


 この大きな綿棒は耳の外側用の綿棒だったようだ。


 耳のふちをすすーっと撫でるように大きな綿棒が耳のふちを動く。


 耳のふちのくるんと内向きになっている部分も大きな綿棒でその内側までなぞるようにしてすすすーっと拭いてくれる。


「その内側のところめったに拭くことないですよね」


 私が問うと、桜子さんは拭きながら答えてくれた。


「そうですね。耳輪の上を拭くことも、こうやって内側を拭くこともないですよね」


 こういうところを拭かれるのも気持ちいいものなんだなと感じていると、今度は中くらいの大きさに綿棒が替わった。


「今度は耳の上のほうを拭いていきますね」


 桜子さんが中くらいの大きさの綿棒で、耳のくぼんだところを拭いてくれる。


 耳の外側のくぼんだ部分は上が三角窩さんかくかで真ん中あたりが耳甲介艇じこうかいていというらしい。


 解説をしてもらいながら、ツボを押すように拭いてもらうと心地良かった。


 耳のくぼんだ部分の掃除は途中で同じサイズの綿棒と交換された。


 使い終わった綿棒を見ると、白い綿棒の先に色がついていた。


「耳の外側って意外に汚れたりします?」

「いつも外気に触れていますからね。自分からは見えなくても汚れていたりするんですよ」


 綿棒が終わると、今度は温かいタオルが持ってこられた。


「お耳の後ろ側から拭いていきますね」


 温かいタオルが耳の後ろに当てられ、包むように拭かれていく。


 ふわふわとしたタオルが、とてもあったかい。


 耳の後ろを上から下に揉むように拭かれて、耳の表面も付いた泡と共に綺麗に拭ってくれた。


 丁寧に拭かれた耳は、どこかすっきりした感じがした。


「それでは耳の外の産毛を剃っていきますね」


 耳を拭いたタオルを片付け、泡が入らないように耳に入れていた耳栓を抜いて、桜子さんがシェーバーを手にする。


「それって電気のタイプですか?」

「はい。理美容家電の一つです。耳毛カッターと言う名前ですが、カッターと言ってもそんな鋭いものではないので、眉シェーバーのようなものと思ってください」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 支部から来ました! あなたの書く、読んでいるとほわほわぽかぽかしてくる癒し小説が大好きです。 [一言] 更新楽しみにしてます。これからも無理ない範囲で頑張ってください
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