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癒し処の四姉妹  作者: 井上みなと
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癒し処にやってきたお客様2

 イヤーエステの担当は桜子さん。


「どうぞこちらへ」


 イヤーエステのエリアには椅子と畳があった。


「こちらの畳は……?」

「畳は膝枕での耳かき用です。椅子が苦手と言う方もいらっしゃいますので」


 用意された椅子のほうは前に画面があった。


「ちょっとお医者さんっぽい感じがありますね」

「そうですね。そちらは耳の中を画面に映してかくことが出来ますので、見ながらかかれたいという方には人気です」


 説明しながら、桜子さんがメニューらしきファイルを取り出した


「いかがでしょう、どちらのメニューになさいますか?」


 桜子さんが見せてくれたメニューには和風と洋風があって、それぞれちょっとずつ違うメニューがあった。


 どうしようか迷ったけれど、この溜まった疲れが取れるならいろいろとやってみたい。

「それじゃ、これと、これと……」

「かしこまりました。和室で耳洗いと耳シェービングと耳かきですね」


「あと、その……膝は恥ずかしいので、クッションとかありますか?」

「はい。枕も座布団もクッションもありますよ」


 桜子さんが可愛いクッションと和風の座布団、四角い小枕を見せてくれる。


「えと、それじゃ座布団で」


 平安時代の公家さんの家にでもありそうな小枕がちょっと気になったけど、座布団が一番落ち着きそうなので、座布団でお願いする。


「では、座布団の上にどうぞ」


 貸してもらった座布団をなんとなく二つ折りにして頭を乗せてみる。


 そうすると自分の家ではない畳の上なのに、不思議と落ち着いた。


 桜子さんが和風の小さな台の上に小さな小鉢と眉毛シェーバーのようなもの、それから耳かきが3本と見たこともない大きさのものも含めた複数の綿棒、白いふわふわとした梵天が並べた。


「その梵天、何に使うのですか?」

「耳掃除の最後に使います」


 どう使うのかわからないけれど、耳かきのさじのない梵天は、最後に使うものらしい。


「それでは、始めさせていただきますね」

「あ、はい。よろしくお願いします」


 座布団の上に頭を乗せて、畳の上に転がった私の前で、桜子さんが小鉢の中でクリームのようなものを泡立て始める。


 シャッシャッシャッと小気味良い音と共にふわふわ~と泡が立ちのぼる。


「タオルを置かせていただきますね」


 頭のそばにタオルを置かれ、髪をよけられて、耳の中に軽く耳栓が入れられた。


「ピンで髪をお留めしていいですか?」

「はい」


 先に髪を結んでおけば良かったと思いながらピンで髪を留めてもらう。


「それでは耳を洗いますので、泡をお耳につけていきますね」


 耳にフワッと泡が乗せられる。


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