成長
エターナルブリザード!!(エタりました。)
───この男、リオが圧倒的な戦闘センスを持っているからである。おそらく日本に住んでいたら気づくことさえなかった才能が今、この異世界で花開こうとしていた。
*∴*∴*∴*∴*
「あれ?意外とかんたん?この感じなら余裕かも」
そう言いながら調子に乗るリオにゴブリンが襲いかかる。
ゴブリンの持つ棍棒がうなりをあげる。
だが、慢心しては成功するものも成功しない。
ゴブリンの一撃がそのままの勢いでリオの腹に入る。
吹き飛ばされ、壁に打ち付けられた衝撃で背中が痛む。
うぅ…やっぱり調子に乗りすぎたな。これは気を引き締めていかないとまずいぞ…。
俺はよろめきながらも立ち上がる。
「よし!いくぞ!」
まずは相手の攻撃を受け流すことを意識するんだ。それを続けられればいつかチャンスはあるはず!
そう考え、俺はゴブリンに向かって走り出す。
ゴブリンの横薙ぎの一撃。小さい体躯からは到底考えられないような威力の一撃だ。掠っただけでも相当なダメージを負うだろう。
俺は相手のリーチのギリギリで止まり、攻撃を回避する。さっきの攻撃でゴブリンは体勢を崩している。そこで俺はすかさず攻撃をしようとする。
だがゴブリンも脚を使い、攻撃している腕を蹴り上げようとする。
ここでまともに受ければ、ステータスの低い俺の方が負けるだろう。でも俺には技がある!
俺はゴブリンの足を掴み、床に叩きつける。そして馬乗りになって殴ろうとする。が、ゴブリンの抵抗で俺は吹き飛ばされてしまう。
やっぱりステータスが足りないのか…
「はい、そこまで。ゴブリン、止まりなさい。」
少し離れたとこで見ていたレイがそう言いながら歩いてくる。ふとゴブリンを見ると全く動かなくなっている。ダンジョンコアの力ってすごいな。
「いや、すごいわね。これだけのステータス差があるのにここまでやるなんて…。」
「そうかな?でも全然攻撃が効かなかった…。」
「まぁ、そうよね。とりあえず、ステータスを見てみて。」
?戦う前にもステータスを見たけど、何でもう一回見るんだ?そんなに変わらない筈だけど…。
まぁ…
「ステータスオープン」
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名前:カナヤ リオ
種族:??
職業:????
レベル:0
ステータス
HP:20/20
MP:0/0
力:21(D)
防御力:17(E)
素早さ:16(E)
器用さ:14(E)
魔力:0(─)
運:70(B)
スキル
なし
称号
異世界人
招かれしもの
耐えしもの
トレーニー
変人
慢心王
戦闘センスの塊
いやいや、ちょっと待って!!ツッコミどころ多すぎでしょ…。まず称号のとこふざけすぎだよね!?慢心王て…F○teかよ…
それはいいんだけど(よくはない)ステータスの伸びが異常だね。俺の半年間の努力の意味よ…
でも初めてステータスのランクがDに行ったな。それは素直に嬉しい。これで少しはレイに認めて貰えるかな…?
「どうだった?」
ニヤニヤしながらレイが聞いてくる。ステータス爆上がりの理由を知ってるのか…?
「ものすごく上がってたんだけど…。何でこんなに上がるんだ?」
「多分だけど、はじめての実戦だったからだと思うわ。この一戦で本当に筋力がついたんじゃなくて、力の出し方とかがわかったんだと思う。」
そうゆうことか。地球にいた頃も、コツが掴めると一気に上手くなるようなことがあったからな。これも多分そういうことだろう。
「わかったかしら?劇的な成長は望めないけど、これからは実践も混ぜていくから、覚悟してね?」
「ああ、これからもよろしくな。レイ。」
⁇⁇「キングクリムゾン!!時よ飛べ!!」