第一話 え?もしかして私って弱すぎ?
はじめまして。バリウム推し人間です。処女作ですが、どうぞよろしくお願いします。
━━━━━今行くからな■■。だから待っててくれ。絶対に勝ってお前を助けに行くから...!!
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拝啓、お母様お父様。
そちらは元気でしょうか?
私は今、石でできた2畳半位の部屋に居ます。
スマホが圏外で何処とも連絡が取れないのですが、どうすればいいでしょうか?
──っと、現実逃避はここらでやめにして現状を分析するか...。
確か昨日は出張から帰ってきて、そのままつかれて寝たんだよな?服はスーツのままだし、そこまでの記憶はあるんだけど...。なんでこんな所にいるんだ?
んー?誘拐とかか?でも俺なんて金そんな持ってないしな。
考えられる可能性としては、
①誘拐(でも俺を誘拐する理由があまり無い。)
②今流行りの異世界転移
・ ・ ・いや、俺だってどうかしてると思うけど、それくらいしか考えられない。
だってさ、この部屋見た感じ扉とかないんだよ。そんな所に人を閉じ込めるなんて普通はできないと思うんだよね。
それに一番の理由は、『なんか青い石がある!!』だ。もう異世界転移だよね?そうだよね!?
ということで、キラキラ輝く石を触ってみまーす。
「痛った!?!?」
触った瞬間に手に電流が走ったようになって石から手を離した。
『私に気安く触らないでくれる?それにさっきからニヤニヤして気持ち悪。ステータスもほとんど最低数値じゃないの。あんたなんかに私のマスターは3000年早いのよ!!』
ちょっと待ってちょっと待って。急すぎて何も理解できないんだけど。え?まずこの声何?どっから聞こえてんの??
『私はあんたの前にいるコアよ!!あんたに直接話しかけてるの!』
へー、この石コアなのかー。そうかーなら納得だー。
・・・ってなるかーー!!
まず1つ言わせて・・・
「俺 そ ん な 気 持 ち 悪 い!?!?」
『・・・』
「・・・」
『・・・え?そこ?』
「いや、俺そんな気持ち悪くないと思うんだよね。彼女も何人かいたし。」
高校の時は5回くらい告られたし、自分ではそこまで不細工じゃないと思ってたんだが...。
『ふふふ。あんた面白いわね。そんな気持ち悪くないわよ。あんたなら私のマスターにしてあげてもいいかも。』
よかったー。ってかマスターってなんなんだろう?メイドとかがマスターとか言ってるイメージあるけど、石がメイドって...。なんか想像したら笑えてきた。
『失礼ね。まず順序を追って説明してくわね。
私は413番コア。この世界や他の世界を管理している52柱の神様の内の1柱が、あんた達の世界から1000人の人間を連れてきた。そしてそれぞれをダンジョンマスターとして同じような部屋に閉じ込めたの。そのうちの1人があんたよ。だいたい分かった?』
内容はだいたい分かったけどなんか、心読まれてる気がするんだけど、気のせいかな?
『今まで気がついていなかったの?あんたの心を読んであんたに直接話しかけてるのよ。それで、質問はない?』
「えーっと、まず、なんで1000人もの人間を誘拐(?)して閉じ込めたんだ?」
まさか閉じ込めて殺すだけっていうのもないだろうしな。
『それは、あんたたちダンジョンマスター同士を戦わせて、創造主様を楽しませるためよ。』
「創造主か。次に、この世界での俺達の立ち位置はどこら辺だ?具体的に言うと人類の敵か?」
『敵よ。あんたたちダンジョンマスターは襲ってくる人類を殺していかなきゃいけないの。そして人間を殺して得たKPを使ってダンジョンを運営し、他のダンジョンマスターとKPの量を競うの。』
俺みたいな奴なら「楽しそうだから」でやると思うけど、他の人にやる理由がないように思えるんだけどなぁ…。
コア(?)が心を読んで答えた。
『それはね、最後に残った10人には元の世界に戻るかの決定権と、どちらの世界でも100億円分の価値のある物、そしてなんでも一つだけ創造主様が願いを叶えてくれるという特典があるの。』
「それは誰でも参加しそうだな。」
100億円も魅力的だが、それよりもなんでも願いを叶えてくれるというのは誰の目からも魅力的に映るはずだ。これは戻るにしても戻らないにしても10人に残らないといけないな。
「じゃあ、俺は君のマスターになってダンジョンを運営していくという認識でいいのかな?」
『いいえ。』
「え?」
『だってあなた弱いじゃない。試しにステータスオープンって言ってみたらわかると思うけど、ほとんど最低ランクなのよ?少なくても、最低ランクのEから抜け出してもらわないとね♪ガンバ♪』
えぇ…