表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル発動してはいけない使い魔として召喚された話  作者: マクロファージ
長い長い初日
8/26

働いてはいけない異世界生活

「さあこれであなたは私の使い魔卒業ですよ!さっさとどこかに行って、勝手に警察に監視されていてください!」とラディナ。


よし、これで俺はラディナからの支配から逃れられるはずだ。


俺の作戦第一段階は完了っと。


「つまりこれからは俺の意志で何でもできるというわけだ。」


「そうですよ!だからあなたの意志で私のもとを離れてください!」


良かった。俺の不安要素は一つ消えた。


『あなたの意志で』ということは、この〈契約解除(ターミネーション)〉とか言う技は強制的に使い魔を辞めさせられるスキルじゃなくて、あくまで俺に自由が与えられるスキルらしい。


ならば、俺はラディナにこう言える。


「じゃあ俺は、俺の意志でお前の使い魔を続ける。」


「なぜ!?」


くっくっく、その理由はな、


「お前に養ってもらうためさ!」


「なぜ!?」


それでは、俺がこの結論に至った理由を説明しよう。


もともと俺は、使い魔には物と同じくらいの権利しか与えられないのではと思っていたのだが、その考えは違ったのだと気がついた。


まずスキル診断したときの医者の発言だ。


診断を受けている最中俺に指示するとき、医者はきちんと敬語を使って話しかけてきた。


最初は俺が使い魔だってことを知らないからなのかと思ったが、診断が終わったあと俺のことを『使い魔さん』と呼んでいたことから医者は俺のことを使い魔だとわかっていたようだし、さんづけで呼ぶことにも違和感を覚えた。


その時は、この医者がただ単に誰に対しても優しいだけとも考えられたが、診断が終わったあとのラディナの言葉でその仮説は覆された。


そう、ラディナは使い魔に人体実験を施すことを、警察に目をつけられてはならないこと、すなわち違法なことだと言ったのだ。


使い魔への人体実験が法律で禁止されているということは、あの医者がただ単に優しかっただけではなく、社会的に使い魔への扱いは悪いものではないといえる。


このことから、この世界における使い魔は、俺がもといた世界における奴隷とは違い、一定の人権が与えられているということだ。


そうだな、例えるなら、ペットみたいなものか。


奴隷としてご主人様に一生身を尽くさなくてはいけないみたいなのは嫌だが、ペットとして養われ、時々主人の役に立てばそれでいいみたいな生活なら俺は甘んじる。


そもそも自立しようにも、来たばっかりのこの異世界で生き抜く自信は俺にはなく、スキルで何とか乗り切ろうにも〈自爆(モーテル)〉なんてスキルでは何の役にも立たん。


仮に役に立ったとしても、使ったら死んでまうなら本末転倒だ。


俺は人の役に立つために死ねるほど、尊敬される性格はしてない。


と、まあ長くなったが、要は自立はできそうにないし使い魔としての生活も悪くなさそうだからラディナのお世話になろう、そういうことだ。


さんざん悪事を働いてきたラディナでも、警察の前でオイタはできないだろう。


「だから俺を養ってくれ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ