世界観的なもの
主人公――無の神・ムゥ
無そのもの。
シェハザの権能なしでは形を保てず、認識されることもない。
全てを無に還すことから、最強の神とされている。レウルの命を受けて他世界に渡り、奪われた魂の回収をしている。
当初は事務的なもので、淡々と任務を遂行していたが、リーザ・サバルトが産まれた世界にいく頃には遣り甲斐を覚え、魂をレウルの子供と称して慈しむようになる。
基本的に魂を盗んだ神の世界はひどく汚れていて、レウルの子供が酷い目に遭うか、感化されて流されるので憤りを感じているようだ。
存在の神・シェハザ
非常に強い存在感のある女神。
ムゥをムゥたらしめた張本人。彼女がいなければ、ムゥは認識されぬまま消滅していた。
ムゥが身体を無に還し、シェハザが魂を存在させるコンビネーションで任務を遂行する。
ムゥに若干の負い目があるが、本人が気にしていないので、それも薄れてきている。
シェハザはムゥの姉的立場を取りたいらしい。
管理神・レウル
『地球』を管理する神。
世界を任されるが、それは一から造るということ。既存の世界を管理するわけではない。
おっとり、おしとやかで物事に動じない。相手を信じる精神を大事にしていて、得体の知れないムゥを囲ったのもレウルの提案だった。因みにムゥと名付けたのはレウル。
胆が据わっているというよりは、年の功である。
ゼドリアの女神
欲深く、傲慢で横柄、常に根拠のない自信を持っているプライドの高い女神。
滅しの炎と呼ばれる豪火を操る。炎の権能ではトップの火力を誇るが、ムゥには通用しなかった。
いざというときのために、神殺しの魔槍・セバトを隠し持っていたが、それもムゥには通用しなかった。
あっさり無に還される。
ハヤト・タケイ
勇者として召喚された当時高校生の少年(今は青年)。
三年で魔王の討伐に成功する。
仲間の女の子三人を無理矢理襲い、後は魅了の魔法と併用して調教。
帰還後、婚約者に見せ付けて婚約者を殺そうとしたがムゥが介入したことで未遂に終わり、身体を無に還される。
エリー
魔導師の女の子。
魔法のエキスパートで、勇者の従者となった。
恋人がいたが、勇者に手籠めにされ、手酷くフルように強要された。
勇者に心の奥底で抗う気持ちがあったが、ムゥの異質さに恐怖して恋人を巻き込むような魔法を撃ってしまう。
巻き戻った世界で恋人だった青年と、幸せな結婚生活を送っている。
騎士の青年
エリーの恋人。
エリーの帰りを待ちつつ、騎士として最後の砦を守っていた。
奪われた恋人を賭け、勇者に戦いを挑むも敗北。
失意のどん底に落とされ、勇者に殺されそうになったがムゥが介入したことで空気化した。
巻き戻った世界でエリーと結婚、騎士として民を守っている。
リーザ・サバルト
モッサリシュ聖国の公爵令嬢だった少女。
聖女然とした少女で、誰にも分け隔てなく接する。が、それが貴族社会、牽いては王族にまで疎まれる原因となった。
平民と同列に扱われる貴族は、リーザを疎み、ありもしない犯罪をでっち上げ、王子の恋人を迫害したとして処刑台に送られる。
執行寸前でムゥが現れ、執行人と王子は無に還され、救われた。
『地球』で新たに産まれ変わり、三児の母となって幸せに余生を過ごす。
世界観
ひとつの星を一世界として、管理神以下上級神が創造、管理している。
信仰心などは必要なく、神は半永久的に無限の時を存在する。ただ、例外として殺されることはある。ムゥが行うように。
輪廻転生を繰り返すと、魂は汚れる。汚れると悪人になりやすい。
治安は乱れ、秩序はなくなり、文明が滅ぶ。そうなると世界の管理は失敗したと見なされる。
失敗してどうということはないが、管理神には序列があり、魂が豊富で上質なほど序列の上位に位置し、有能な管理神とされる。
他世界の管理神が『地球』から魂を奪うのは、レウルを蹴落とす意味もあった。
神人とされる上位存在は、管理神同士のトラブルに介入しない。そもそも、接触事態がない。