バベルの世界「殲滅」【第1ブロック・ガル】
まだまだ、仕事が終わらず投稿にバラツキがあります(´・ω・`)
でも頑張って行きます!
それと、またまたブックマークしてくれた方が居て感謝感激!
皆さんが居るお陰で続けられます!
本当に、有難う御座います。
それと、挿絵も、いつか更新しますねヽ(´▽`)/
ガストラの試合が終了したらしい。
隣のブロックから勝利宣言が聞こえる。
俺は、第1ブロックで試合だ。
今、思えばセイントの馬鹿王子なんか殴らなければ
良かったと心の底から思うが仕方無い。
相手の敵チームは全員、獣人。
参加者から聞いた話だと何人かがバベル達によって
肉親や知人を殺された者達も居るらしい。
さっきから何人か明らかに人間より俺に対し
殺気を向けている者達が居る。
当然の結果だよな。
けど、俺だって簡単に殺されるつもりも無いし、
いつまでもバベル達に守って貰うだけの存在なんて
俺のプライドが許さない。
それに俺だって訓練して来たし京香から武器も
貰ったんだ。
けど、俺以外の人間達は貧相な装備だ。
はっきり言って防具なんて着けてないのと一緒。
武器の剣は錆だらけで所々、刃が欠けている。
ナマクラもいい所だな。
戦力になりそうも無い人間に対し憂鬱な気分に
なっていると、1人の男が話しかけて来た。
誰だ?
「俺は、第1ブロック担当で竜人族のジーン。
お前、あの人間達の仲間なんだって?
何で人間となんかと手を組んだ?」
竜人族?あの戦闘種族って呼ばれている蛮族か?
何で、いきなり俺に突っかかってくんだよ。
「答えろ!」
ジーンは、質問に答えないガルに対し少し声を
荒げる。
「金が稼げる。ただ、それだけだ」
「金の為に、誇りを捨てたのか!」
ちっ!何なんだよ、こいつ。
ジーンに対しガルは、露骨に顔を顰める。
「誇りは捨ててねぇ。テメェに俺の何が解るんだよ?
無駄愚痴叩かねぇで、さっさと始めろよ」
「……ッッ!!」
ジーンは、何かを口にしようとしたが思い留まり
闘技場の中央まで歩いていく。
そして、中央に着いたジーンは試合の開始を宣言する。
いよいよだ。
まずは、相手を良く見る事。
身長や体重、武器に利き手、相手を見て情報を
収集する。
ボス達に口酸っぱく言われた事だ。
多分、実戦の数なら向こうのチームの方が上だろう。
特に、両手剣の獣人と短剣を持っている奴は
あの中でも手練だと思う。
足運びや重心の掛け方が素人っぽく無い。
他の奴等は、素人の力自慢って所かな。
ただ、俺に殺気を向けている奴は、今にも突っ込んで
きそうだ。
と思っていたら本当に突っ込んで来やがった!
「死ねやぁぁぁ!!」
残念ながら死ねと言われて死ぬ程、俺は、
お人好しじゃないんでね。
獣人特有の脚力を活かした間合い
詰め方だが、一直線に突っ込んで来るので対処が
しやすい。
俺は、右に避けて相手の足を崩す。
崩した所で相手を突き飛ばし一気に間合いを詰め、
相手が持っている武器を蹴り上げる。
武器を飛ばされて怯んでいる所に、すかさず
顔面に蹴りを入れる。
ボスに、顔面を殴る時は、下顎を殴るか鼻先が
効果的と言われている。
その為、綺麗に下顎に蹴りが入った瞬間、
一瞬で意識を刈り取れたみたいだ。
よっし!俺も強くなっている!
次は、同時に4人が来た。
ただ、両手剣の獣人と短剣の奴は動かず俺の動向を
伺っている。
残りの3人は、人間達の所に行ってしまった。
人間の叫び声が聞こえるが悪いが無視だ。
いくら多少強くなったからと言っても
全員助けるなんて俺には出来ないからな。
俺、1人で手一杯なんだよ。
今は、間合いを詰めてきた4人に集中!
兎に角、俺は動き回った。
相手の攻撃を避け、捌く。捌き切れなくなったら
動いて離脱。
それを、繰り返し相手の隙を伺いつつ小技を入れる。
何度か小技を入れると相手の動きが極端に鈍ってくる。
その瞬間に、肘で下顎を殴り、更に股間を蹴り上げる。
男なら股間の攻撃に対する痛みは想像を絶するだろう。
出来れば、こんな攻撃したくないが俺も死にたくない。
確実に再起不能にしていく。
俺に向かって来ていた4人は、何とか倒す事が
出来た。
ははっ。昔の俺なら考えられなかったな。
地獄の訓練のお陰だ。
一瞬、気を緩めたが、直ぐに鋭い殺気を感じて
構えを取る。
あの2人だった。
「貴様、また若い獣人の癖に戦い慣れているな。
しかも、見た事の無い動作だ。何処で習った?」
短剣を持っている獣人が話しかけて来た。
けど、今は戦いの真っ最中。
気を緩める作戦かも知れない。
俺は人間達と戦っている獣人を気にしながら
構えを解かず無言で睨み付ける。
「ふっ。気を緩めないとはな。たが安心しろ。
我らは、純粋に貴様の戦い方に興味があるのだ。
もし、後ろから不意打ちなど掛ける者が居たら
俺が始末してやる。
解ったな?お前ら」
短剣の獣人は俺の後ろに言葉を掛ける。
振り向いてみたら人間達との戦いは終わった後で
今にも俺に攻撃を仕掛ける手前だった。
人間は……あぁ、全員駄目だったか…。
でも仕方無い。
これは、生き死にが掛かった戦いなんだ。
悪いな…。
「で、お前の師は誰だ?独学で学んだ訳では無いだろ?」
今度は、両手剣の奴が話しかけてくる。
「おっかねぇ人間に教わったんだよ。
お前達も見たろ?あの、人間達の戦い方を」
そう答えると、獣人の2人は何かを考える様に
眼を合わせる。
そして、短剣の獣人が口を開く。
「やはり…あの人間か。確かに動きは似ていたが、
あの人間達の方が動きに無駄が無く的確だったな。
うぅむ……人間から教わったと言うのは本当の様だ」
「どうする?兄者?」
兄者?て事は、この2人は兄弟か?
道理で雰囲気が似ていると思ったぜ。
言われて見れば、何処となく顔も似ているしな。
「うむ……、聞くが、あの人間達は弟子を取ったり
しているか?」
「はっ!?」
イカン!いきなりで、変な声が出てしまった。
弟子?弟子って何言ってんだ?
まさか弟子入りしようってんじゃないよな?
「い、いや…弟子は、解んねぇけど部下は欲しがってる」
「ふむ、そうか。なら、俺と弟は棄権する。
その代わり、あの人間達を紹介してくれ」
マジか!自分から人間の下に着くって言っている様な
ものだぞ?
なんか、弟の方も納得しているっぽいし。
「我らは、傭兵の真似事の様な事をしていてな。
あの技術は素晴らしい。
強さの為なら、人間の下に着く事だって恥と
思わんからな」
へぇ~、世の中の獣人にしては変わった奴だな。
けど、確かにボス達の技術は凄い。
理に適っていると言って言い程だ。
やっぱり見る奴が見れば解るもんなんだなぁ。
「解った。試合が終われば紹介するぜ。
ただ、言葉遣いは気をつけてくれよ?
間違っても、あの人間に対し下に見る様な
言動は控えてくれ」
「はっ!俺達が教わる側なんだから、そんな無礼は
しないさ」
「では、まずは試合を終わらせるとするか」
それと同時に一気に俺の横を摺り抜けたと思ったら
後ろに居た獣人3人の首を切り裂いた。
速い。
余りの早業に動く事が出来なかった。
多分、この2人と戦っていたら間違い無く
殺られていただろう。
審判のジーンも、まさか仲間のチームの奴を殺すとは
思っていなかった様で唖然としている。
勿論、俺もだが。
因みに、仲間に危害を加えた場合はルール違反で失格。
なので、俺の勝ちが決定する。
まさか、こんな形で終了するとはな。
獣人の2人は、観客達から罵声を浴びているが
平静な様子で、速く紹介しろと急かしている。
ジーンは、この決着に納得していない様だが
審判としての立場も有るからな。
俺達を睨みながら、勝利宣言をしていた。
はぁ…なんか思っていた勝ち方と違うが、
生き残ったんだからヨシとしよう。




