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異世界ブローカー  作者: 伍頭眼
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バベルの世界「予選」

受付では、色々あったが今の所、それ以上の

揉め事も無く大会が進行していく。

今回の大会参加者は256名。

人間が106名、獣人や亜人達が150名で

計256名だ。

それを、4ブロックに区切られた武闘場で

各々が戦い本選に勝ち上がっていく趣向だ。


本選に勝ち上がれる人数は36名。

その為に予選が行われるのだが、これが悪趣味とゆーか

何とゆーか…。

要は、人間を甚振る余興の様な物だ。

この余興を楽しみにしている観客も結構多くて

闘技場は熱を帯びている。


俺達は人間のみが入れられている待機所とは呼べない

質素な部屋で待機中だ。

勿論、俺もバベル達の仲間だから此処で待機中。


しかし、此処の待機所…空気が重い。

別に、バベル達がって訳では無く、他の人間達がな。

全員、この世の終わりみたいな顔をしており

悲壮感が半端じゃない。

勿論、今回の賞金目当てで参加した人間も居るが、

殆どの者達は、奴隷や軽微な犯罪を犯した犯罪奴隷達だ。


「もう…お仕舞いだ……」

「どうせ、俺達全員殺されるんだ…」

「獣人達になんか勝てっこねぇよ…」


皆、大体こんな感じでドンドン士気が下がってくる。

今まで予選を勝ち抜いた人間が居ないので当然だが

こっちまでテンションが下がるぜ。


「皆、テンション低いわねー」


「はなっから諦めてるとか情けないねぇぇ」


京香とボスが室内に響き渡る様に話だし何人かが

おもいっきり睨んでくる。


「負け犬なんて放っておけ。今回の目的は事前に

 説明した通りだ。忘れるなよ」


そう!今回、武闘大会に出場した目的は、いくつかある。

まず、優秀な人材の引き抜きだ。

武闘大会なんだから、それなりの人材だって揃っているだろうと

言う理由。

バベルの国と言う形態を破棄して国全体を市場に

するには、まだまだ人材…兵力が足りないのだ。

勿論、バベルの仲間になると言う事は大罪人として

国から敵視される。その覚悟が有れば多少弱くても

採用する予定だ。


次に貴族や有力者に顔を売る事。

この大会には数多くの有力貴族や王族まで来ている。

もし、実力を買われ協力関係を結べれば、

この国を影から腐らせる事が出来る。

あくまで影から操るのでは無く腐らせる事が目的らしい。

犯罪者に協力する様な貴族は基本汚職塗れだし

甘い蜜を吸わせれば従順になるのだ。

当然、汚職が横行すれば調査なんかも入るが

汚職なんて物は小規模でやるから捕まるのだ。

もっと大規模にやれば良い。そうなれば誰が誰に

通じているかも解らず疑心暗鬼の状態を作り出せば、

簡単に潰す事など出来ない。

バベルの世界では汚職で国が崩壊状態の所が

いくつもあるらしい。


今の所は、このぐらいだが、もう一つ目的が

有るらしいが未だ聞いていない。

バベルは、大会の終わり頃に言う。と言っていたが

嫌な予感しかしねぇ。


等と考えていたら予選が始まると言う事で、人間達が

次々に呼ばれていった。

最初の予選は団体戦だ。

獣人が10人。人間が10人で各4ブロックで

行われる。

4ブロック同時に行われるので、一回で80人の

参加者が戦う事になる。

それを2回行うので、これだけでもかなり人数が減る。

団体戦と言っても一人一人順番に戦うのでは無く一気に戦う。

簡単に言えば、人間チーム対獣人・亜人チームの殲滅戦だ。


次々に呼ばれていく中で、ボスが1ブロック。

京香が3ブロックになり、リーは4ブロックに決定した。

リーもバベル達の仲間と登録してあるので当然人間側だ。


「んじゃ、行って来るねーー!」


「またねぇ」


「必ず勝利をもたらしましょう!」


3人共気合充分だな。

因みに俺達も戦いを観戦する事が可能なので見に行こうと

思っているんだが、誰の戦いを見ようか正直迷う。

この会場は4つに区切られているので一箇所しか見る事が

出来ない。

但し、移動は可能だし貴族や王族の様なVIPは会場を

一望出来る貴賓席で見ている。


俺が、そうこう迷っていると試合が開始された様で

会場全体が観客の咆哮で地鳴りの様に響き始めた。


【第1ブロック】


「さぁーー、始まりました!!私、第1ブロックを担当致します!

 ククレと申します!皆さん頑張って下さーーい!!

 そして、不幸な人間の方々ーー!我々を楽しませてくれーー!!」


肩まで掛かる緑色の髪を振り乱しながらオーバーリアクションで

身振り手振り実況するハーピィ族の女性司会者

明らかに人間を軽視する実況だが仕方ない事だ。

観客達も人間が泣き叫び甚振られる事を期待しているのだから。


「人間、くたばれーー!!」

「泣き叫んで俺達を笑わせてくれーー!」

「ぎゃはははは~」


観客達の下卑た歓声が容赦なく人間チームに降り注ぐ。

人間からすれば、目の前に10人の敵だけでなく会場全体が

敵みたいな物だ。

当然、人間達は萎縮しガタガタと震えている。

その中で悠然と前に出る一人の男。


「さぁぁてぇ、皆殺しだぁ」


何百人と斬った鉈の様に分厚い刃零れをしたナイフを抜く。


【第3ブロック】


「それでは皆さん試合をお楽しみ下さい!」


言葉少なめだが、その渋い声で会場の女性陣を

沸き立たせる初老のオーガ族の男性。

開始と同然他の会場同様、人間を罵る中傷の言葉と

下卑た言葉が人間チームを襲う。

それと同じく、敵対している10人の獣人・亜人からも

下品な挑発が巻き起こる。


「げっひっひっ!女が居るぜ~!」

「俺達は当たりだな!おい!女は残しておけよ!」

「おいおい、民衆の前でかぁ~、けけけ、燃えるぜ」


その言葉を聞き笑顔の京香。

そして笑顔のまま鎖鎌を取り出す。その武器を見た

人間チームも獣人・亜人チームも奇怪な表情になる。


「なんだぁ~、あれ?」

「鎖?それに鎌を付けてんのか?」

「まぁ、なんだって良いじゃねぇかよ!さっさと片付けようぜ!」

「げっひっひ、その鎖で絞ってやるぜぇ」


下卑た表情を浮かべながら剣や斧を構える。

しかし、その下卑た表情は一瞬で変わっていく。


「アハハ~…むっさい野郎ばかり……。

 全員、ぶっ殺す!!!!!」


京香の鎖鎌が猛威を振るう。


【第4ブロック】


「皆様~、準備は良いかしら~ん?うふふ。私を

 楽しませてねぇ~ん。では、始め~」


紫色の髪で豊満な胸の艶かしい女性。

しかし、彼女の足は蛇となっている。その尻尾で

男性陣捕まえると言う魔族のラミア族司会者。


リーは人間では無い。

なので他の会場と違い小馬鹿にする観客は少ない。

しかし、それ以上に人間に肩入れした裏切り者として

観客から激しい言葉を放たれる。


「人間に肩入れした裏切り者ーー!!」

「種族の誇りを忘れた恥知らずがぁぁぁ!!」

「八つ裂きにしろぉぉ!!」


そんな言葉を浴びせられていても凛とした態度を崩さないリー。

どれだけ罵られようとリーの心は動じない。

お慕い申しているボスの言葉以外リーの心は動かないのだ。


「あぁ…我が主ボス様、あなたの為に剣となり盾となります。

 まずは、この会場の連中に見せ付けましょう!

 私とボス様の愛の力を!下衆共の首を以て!!」


瞬足で走り出し愛用の剣を素早く抜いた。

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