バベルの世界「給料」
武器の説明を一通り聞きガルは、エールを飲み干す。
「プッハーーー!!」
ドンッと空になったコップをテーブルに置く。
「落ち着いたか?」
「あぁ…。」
バベル達の話は信じがたい事ばかりだった。
発展技術・生活基準・科学技術・武器・どれも高水準な事
ばかりだった。
バベル達の世界で無いのは、魔法と魔物ぐらいだとも聞いた。
ほぼ全てにおいて俺達の世界は遅れてる。クソッ!!
「そーいえばガル、月の稼ぎっていくらだ?」
「何で、そんな事聞くんだよ?」
「気になるからだよ。給料だって払わないと駄目だろ?」
「まだ、仲間になる訳じゃねーぞ!」
確かに、こいつ等の仲間になれば利点は多い。
俺が知らない技術や知識も知ってるし、何より強力な
兵士まで付いてくるんだ。
上手くいけば成り上がれる。
だが、その分、狙われる危険性だってある。
人間とつるんでるだけでイチャもん付けてくる輩も居るし、
アテゴレ地区を仕切ってる連中に襲われる可能性だって
あるしな。
まぁ…もう少し話を聞いてやろう。
「此処の相場や貨幣なんかも調査済みだ。」
鉄貨・銅貨・銀貨・金貨・大金貨・白金貨
この世界の貨幣が、こんなもんだろ。
で、鉄貨10枚で銅貨1枚。
銅貨10枚で銀貨1枚。
銀貨10枚で金貨1枚。
金貨10枚で大金貨1枚。
大金貨10枚で白金貨1枚……今の所、間違い無いか?」
「間違いねぇーよ。」
ちっ!やっぱり計算の類とかも出来るよな。
こっちの人間なんて計算はおろか文字だって書けねぇのに。
まっ、水準が違うんじゃ仕方ねーか。
「へぇー!じゃあ銅貨が円だと100円で金貨が1万円
ぐらいだねぇー。
あっ!でも、金貨とかは多少の変動とかあるねー。」
「そゆ事。あとは、お前が稼いでる額が聞きたい。」
「……大体、金貨8枚ぐらい…。」
「安っ!!!!」
俺の給料を聞き、一同は声を上げた。
バベルに至っては鼻で笑いやがった…ムカつく!!
「なぁに、それぇ?端金じゃん。」
「アハハハハ!安っ!バイトかっーの!アハハ!」
「……辛いっすね…。」
こ、こいつ等ぁぁぁ!!言いたい放題言いやがってぇぇ!!!
「うっせえぇぇ!!テメェ等が聞いたんだろが!!
スラムじゃ大金なんだよ!他の連中なんざ、良くて
金貨3枚ぐれぇだぞ!
じゃー!お前等は、どんだけ稼いでたんだよ!?」
好き放題言いやがって!これでも努力してんだ!!
なのに、こいつ等馬鹿にしやがって!!
金貨8枚もあったら余裕で生活出来るんだ。
但し俺は…そんな余裕ねぇけど…。
「そうだな…俺達の世界での稼ぎを、こっちに当てはめると…
白金貨100枚だ。金貨で出すと10000枚だがな。」
「えっ……えええぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
ヤバイ…意識が飛びそうだ…何だよ、それ。
金貨1万枚…1万枚……一生働いても手に出来ない額だ…。
それを人間なんかが……。
「但し、こっちで1万枚稼いだって訳じゃない。」
あくまで、こっちで当てはめたらって事だ。」
こっちで稼ぐとなると土台次第だが…金貨5000枚は、
稼ぐつもりだし今後向こうの世界では金額が
跳ね上がるだろうな。クックッ」
マジか……一体どうやって稼ぐんだ?
知りたい!こいつ等が、どうやって稼ぐのか知りたい!!
いつの間にかバベル達に惹かれている自分が居た。