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異世界ブローカー  作者: 伍頭眼
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バベルの世界「問答②」

ここは居酒屋。

ファルシア大国アテゴレ地区の繁華街に位置する

スラムの居酒屋にしては、まぁ…マシな方だろう。


「そこの美しい、お嬢さんエールを」


「は、はい!すぐに!」


給仕の姉ちゃんがビビってる…当たり前か。

ここの居酒屋は人間禁制だ…とゆーか、人間に酒を

飲むだけの金なんか無いし奴隷に酒を出す訳が無い。

当然、俺達が入店しても酒は出て来なかったし、速攻絡まれた。


獣人5人に…今は、その5人共冷たい床で顔が3倍ぐらいまで

腫らして正座している。

絡まれた瞬間、バベルの部下にボコボコにされたのだ。

本当は、殺すつもりだったらしいが相手が泣きながら命乞いし、

バベルが床が血で汚れるからって理由で絶賛正座中で現在に至る。


「さて、改めて自己紹介と行こうか。」

 俺は、ラド・バベル、人身売買ブローカーだ。」


「ポス・ホバックだぁ…皆は、ボスって呼ぶけどねぇ。」


「…………ガストラ……ラベラっす…。」


「剣崎 京香でーーーーーす!ヨロピクーー」

 ガルちゃん、ほっぺプニプニ~。」


「辞めろ!!!」


京香の手を払い退ける。


「気安く触んじゃねぇよ!!」


「もう~いけずーー。」


こ、このアマァ!全然反省してねぇ!

普段ならブッ飛ばしてる所だぞ!

ただ、そんな事したら何されるか解ったもんじゃねぇ。

この剣崎って女、さっき絡んできた5人の内3人を

一瞬で半殺しにしやがった。

まず……俺じゃあ勝てねぇ…クソッ!


「フフッ、仲が良い事だな。」


「何処がだよ!!俺は、テメェ等のせいで命を

 狙われる羽目になったんだ!

 それに、聞きてぇ事も山程あんだ!!」


バンっとテーブルを思い切り叩く。


「そもそも、テメェ等何者だ!?何で、そんなに強いんだよ!」

「人間が俺達、獣人に勝つなんて有り得ねぇんだぞ!」

「それに…それ…腰に下げてる黒い鉄製の物…」

「すげぇ音が鳴った瞬間に、バルド達が血塗れになったよな!?」

「そんな物、見た事もねぇぞ!?」

「一体、何なんだよ…それ。」


疑問に思っていた事が湯水の如く溢れ出て来た。


「まぁ、そう思うのも無理は無いよな。」


軽くエールを飲み、テーブルに置く。


「まずは、順番に質問に答えよう。そうだな…。

 まずは、俺達が何者であるか…簡単に言えば異世界人だな。」


ガル 「はぁぁぁ!??」


こいつ…突拍子も無く何言ってやがる!俺を馬鹿にしてんのか!?


「…まぁ、そーゆう反応になるわな。」

 だが、馬鹿にしてる訳じゃ無いし嘘も言っていない。

 これから仲間になる奴に嘘は言わないからな。」


……信じらんねぇ、とゆーか信じる奴が居るか?異世界人って。

でも、こいつ等の化物じみた強さは……まさか、マジで?

うんうん悩んでる姿を見てバベルはニヤニヤしながら口を開いた。


「疑う事は、良い事だ。」

 それだけ人を観察しようとしてる行為だからな。

 言われた事を、鵜呑みにして信じる奴は大馬鹿だ」


褒められてんのか貶されてんのか解んねぇが…腹立つ!

そもそも、人間に褒められても全然嬉しくねぇしな。


「だが、俺が言ってるのは事実だし」

 これから話す事も事実だ……ガル、これ何だか解るか?」


そー言って俺の目の前に手を突き出した。

その手には、何と言うか…悪趣味な指輪がはめられていた。


「何だよ…これ?」


「これはな、アフリカ…いや、いい。

 ある国の魔術師から貰ったものでな、混沌の指輪と言う。」


混沌の指輪…確かに、名前に相応しい程の禍々しさを感じる。

何っーか、こう、悪意を凝縮したような感じだ。


「でだ、これを着けて扉を開けると、そのまま異世界に

 迷い込む呪いの指輪だそうでな。

 物は試しに使ってみたら……これだよ。」


肩を、すくめながら溜息をする。


「異世界に行くには指輪を付けたまま扉を開ける。

 元の世界に戻るには、指輪を外して扉を開ける。

 ようは、付けてる状態では永遠に異世界に居れるって事だ。

 但し、世界を行き来出来るのは1日に1回だけ」

   「まぁ、こんな感じだな。」


「……マジかよ…」


おいおいおい、マジで、そんな事ってあんのかよ。

確かに俺達の世界は古くから魔法とか怪しい魔術とかあるけど

異世界から来たなんて聞いた事ねぇーぞ!!

しかも異世界から来た奴が極悪人とか最悪だろ!せめて聖女とか…

いや、聖女が好きって訳じゃねーけどさ。


「流石に最初、この世界に来た時は絶句したがな。」


「あれは、ビビったわー!ガストラなんて気絶しそうだった

    もんねー。」


(コクコクッ)


「俺もぉ、気ぃ失いそうになったなぁ~。

 でも、京香はぁ、すぐに順応したねぇ。」


「あったりまえじゃーん!私、日本人だよー。」


「流石、夢の国の民族だな。」


「でしょーーーー!」


4人共、談笑を始めやがった。

これじゃあ話が進まないので割って入る。


「おいっ!テメェ等いつまで談笑してんだよ!

 異世界人っーのは、まぁ…話半分で信じてやるから次の

 質問答えろ。」


急かすように話を戻させる。


「話が逸れたな。あーっと何故俺の部下が強いか…だったな。」


そう!これは、かなり大事な事だ。

もし、強さの秘密が解かれば、こいつ等にだって勝てるし、

アテゴレ地区で名を上げれるかもしれない。

人間に興味は無いが強さには興味がある。男だからな。


「それは簡単だ。優秀だからだよ。」


「いやいやいや!全然、答えになってねーよ!」


「少し、言葉足らずだったな。正確には、

 彼らが優秀な兵士だからだ。」


ガル 「兵士……。」


兵士って、あれか、騎士団の連中みたいな奴等だろ。

そんなの、俺達の世界にも居るし珍しくもない。

でも、こいつ等は動きっーか動作も違うし剣も盾も持ってない。

明らかに、こっちの騎士の連中とは違う。


「納得出来ない顔をしてるがな、そもそも此処と

 俺達が住んでる世界では発展技術が全く違うんだよ。」


「どーゆう事だよ?」


眉間にシワを寄せ聞き返す。


「言葉通りだ。俺達の世界がお前達の技術を遥かに上回ってる

    って事だ。

 工業・農業・林業・漁業・畜産・建築・科学・兵器に軍事力

 技術が違うって事は、戦争も高度な技術を持つ者同士の戦いになる。

 俺の部下は、その中でも更に精鋭のメンバーだ。だから強い。」


「………。」


絶句した…そんな、信じられない。

俺達の世界より遥かに上の世界の人間なんて…


「ボス、銃を出してくれ。」


「はいよぉ~」


ゴトっと重工な音と共に銃がテーブルに置かれた。


「ボス、説明してやれ。」


「いいけどぉ~…ガルくぅん?大丈夫?」


多分、放心していたんだろう。そのぐらいショックがでかかった。


「えっ!あっ…あぁ!!大丈夫だ。」


「じゃあ~、説明するねぇ。」


次に、こいつ等が使っている武器の説明が始まった。



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