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異世界ブローカー  作者: 伍頭眼
202/248

バベルの世界「案内」

うひょーヽ(=´▽`=)ノまたまた、評価して下さった方がいました!

有り難うございます(`・ω・´)ゞ

励みになりまっせぇ!

「ふぅ…」


バベルと共に扉を開き俺達の

世界に戻って来た。


「随分、お疲れだな」


「まぁな…」


俺の溜息に気付いたバベルが

ニヤニヤした顔で俺に

話し掛けてくる。

今回は、疲れた……。

主に、精神的にだがな。


バベル達が住んでいた世界は、

俺達の世界と何から何まで

違った。

何処を見ても車が走り、巨大な

建造物群が聳え立ち、生活環境が

完璧に整い、そして人間が

世界を支配している。


これだけ見れば住みやすい

世界かもしれんが、残念ながら

俺達は、そう思えない。

あそこの人間達は、俺達が

知っている人間と何かが違う。

なんつーか……考え方?が

違うっーか温かみっーか…

まぁ、何て言えば良いか解んねぇが

何かが違うんだよな。


ただ、1つ言える事は俺達の

世界に存在する悪人とバベル達の

世界に存在する悪人では、かなり

差があるって事だ。

あれだけ差があれば、俺達と

考え方が違うのも解る。

出来れば当分、あの世界には

行きたくねぇな。


とセンチメンタルな感じに

なっている俺とは対象的に

テンションが爆上がりの

連中がいる。


「ふおおお!!こ、此処が異世界!?」


「素晴らしいです!最高ですぅ!!」


のっぺら坊と名無しの権兵衛だ。


「あぁ!あれは、獣人だよね!?

 それに、あれはゴブリン!?

 くはぁぁ!!楽しみ過ぎてヤバイわぁぁ!」


「モフモフモフモフモフモフモフ!!」


「全く、はしゃいじゃって」


ふんっと勝ち誇った様な顔で

笑う京香。


「いや、京香も最初あんな感じだったぞ」


「嘘っ!?」


嘘じゃねーよ。

事ある毎に俺や他の獣人の

身体触ろうとしてたじゃねぇか!


「バ、バベル!?散歩!散歩して来て

 良いかしら!?は、早くファンタジー

 世界を目に焼き付けたいの!!」


「バベルさん!風俗!娼館って

 何処ですか!?早く抱きに行きたい!

 可愛い女の子を!因みに可愛いければ

 男の娘でも可!!」


「だぁー、うるせぇな。

 俺達が居なかった数日の報告を

 受けるのが先だ!

 それが、終わったらガルに案内

 させるから大人しくしてろ」


「何で、俺がぁ!!?」


こんな変態共と町を歩くなんて嫌だ!

なので、滅茶苦茶抗議したが当然

却下されちまった……。


「「宜しくねぇ!」」


満面の笑み……名無しの顔は解らんが、

間違いなく笑って居るだろうな。

はぁぁ…最悪!



で、俺達が会議なんかに使っている

部屋に移動すると閻魔が入ってくる。

当然、のっぺら坊と名無しが

狂喜乱舞するがバベルに叱られ

沈黙。馬鹿だなぁ〜、この2人。


「バベル様が御不在時は、

 これと言って事案はありません。

 ……ですが」


「ん?」


「此処数日、アトランティス内で

 布教活動をしている一団が居ります。

 しかも、無理矢理勧誘すると言った

 行動があった為、苦情が数件ありました」


へぇ……こんな場所でも布教活動

なんかする奴がいんのか。

まぁ、特に制限してる訳じゃないし、

皆、それぞれ信仰している神様が

居るからな。

ただ、無理矢理っーのは良くないだろ。

しかも、此処はバベルの縄張りだ。

こいつ等なら神官だろうと邪魔に

なれば殺すと思うぞ。


「そんな連中なら早々に行方不明に

 なってもらった方が良かったろ?

 消さなかったのか?」


ほらな…。


「私達は消しても良かったのですが

 公衆の場で神官を消すのは心証が

 悪いかと思いまして。

 それに……一団はクインケ帝国の

 一団でしたので念の為、バベル様に

 御報告をと思いまして」


「おー!そうか。報告してくれて

 有り難うな」


いやぁ、相変わらず閻魔は、しっかり

してるなぁ。


「ねぇ、ねぇ、ガルちゃん

 あの子、魔物ちゃんよね?

 凄いしっかりしてるわね〜」


「素晴らしいです」


閻魔の報告を聞いた、名無しと

のっぺら坊が感心している。


「だろ?一応、ゴブリンなんだぜ

 けど、今は京香の部下で滅茶苦茶

 強い魔物に進化したんだよ」


俺の言葉に「ほぇ〜」と感心している。

さぁてと、報告は以上みたいだな。


んでもって、これから……はぁ…

この変態共を引き連れて案内かよ。

あ〜、やだ、やだ。



☆ ☆ ☆



「安いよ!安いよ!今日捕れたばかりの

 魔物の肉だ!」


「何でも揃ってるぜ!武器に防具!

 はたまた、中々手に入らない

 ヤバイ物でも此処なら手に入る!

 さぁ!買った!買った!」


アトランティスの市場は今日も

大賑わいだ。

他国の行商や、お忍びの貴族に

指名手配されてる犯罪者。

アトランティスでは来る者拒まず

なので毎日が祭り騒ぎだ。

他の場所よりか治安は悪いが、

それ以上にアトランティスってのは

旨味が有る。

なんたって、大抵の欲望なら

叶っちまう場所だからな!


そんな中、俺は例の二人組を案内しているんだが…


「おほぉぉぉぉぉ!凄い!凄い!

 何処を見ても獣人や亜人なんて

 ファンタジーの生き物が居るぅぅ!」


「はぁぁ!此処が異世界なんですね!

 私…今、異世界に来ているんですね!

 素晴らしすぎる……何処を見てもモフモフに

 獣耳!それに尻尾に鱗や角が!

 最高過ぎるぅ!!」


とまぁ…案内している間ずっとテンションが

ぶっ壊れている二人組。

しかも、事あるごとに市場に居る連中を

触ろうとして危ないったら無い。


「あれっ?ガルさん何してんすか?」


のっぺら坊と名無しの権兵衛を案内して

疲弊している俺に話しかける奴が居たので

声のする方向に顔を向けると見知った奴らが

手を挙げて近づいて来る。


「お!ポポロじゃねぇか。

 お前達こそ何してんだよ?」


声を掛けて来たのは、京香の命を救い

恋人になったポポロだった。


「俺達は見回りっすよ。冒険者ギルドでも

 アトランティスの見回り仕事が張り出され

 てるんで。

 ガルさんは散歩か何かっすか?

 とゆーか………あの…こちらの方々は?

 何か、すげぇ見られて無いっすか?俺」


うん…見てるな。ガン見だな。

しかも、二人共、両手をポケットに入れて

下から上へ舐める様に見ている。

これ…完全にチンピラが喧嘩腰になってる

みたいな感じだ。


「…貴方、獣人よね?つか顔が完全に狼だし」


「お…おう。獣人だぜ」


「モフモフですね」


「モフ……え?」


「「触って良い?」」


のっぺら坊と名無しの権兵衛がポポロに

触って良いかと聞くと答えを言う前に

名無しがポポロの足を一瞬で払う。


!?

速い!?つか全く見えなかったし音が一切

しなかったぞ!?


足払いをされてポポロの身体が一瞬、

宙に浮くと名無しはソッと優しく受け止めて

これまた優しく地面に横たわせる。


「えっ!?ええ!?」


状況がサッパリ飲み込めず狼狽するポポロ。



「きゃははは。かーわーいーいー」


「モフモフモフモフモフ」


のっぺと名無しが邪悪な笑み……まぁ、

名無しの顔は見えないが、そんな感じで

手をワキワキさせている。


いや!お前等こんな所で何しようとしてんだ!?


そう思い二人を止めようとしたが…遅かった。


「むひょおおおおおお!!!

 胸毛がフカフカぁぁぁ!!

 ちょっと獣臭いけど、何か癖になるわぁ!!

 私、今、獣人の身体を弄って匂いを

 嗅いでるのよぉぉぉぉぉ!!」


「モフモフモフモフモフ!!

 これが獣人のモフモフ!なんて素晴らしい

 モフモフなのでしょうか!

 良い!良いですね!毛並みのモフモフ感!

 筋肉質な身体!あぁ!ちょっと涙目に

 なっている所も良いぃぃぃぃぃ!!」


「いぃぃやぁぁぁぁぁ!

 は、離せ!こんな所で何して!?

 馬鹿!変な所触っ!ぎゃああああ!!

 ガルさん!助けっ!いやああああああ!!」


今…俺の目の前では地獄が広がっている。

しかも今まで体験した事の無い地獄だ。

ましてやポポロは地獄以上の苦しみだろう。


だって、賑わっている公衆の面前で

上半身の服と革鎧をあっという間に

脱がされて二人組の人間に襲われてんだぜ。

身体中を弄られて匂いを嗅がれてさ。

これ……完全に強姦なんじゃ?


周りの連中が超ドン引きしているのも

気にせず弄る事、10数分。

のっぺと名無しは満足したのか御機嫌だ。


「ふぅ!良かったわ!癖になるわね!」


「全くです!何人か攫いたいです!」


……物騒な事言ってんじゃねぇよ。変態共。

周りの連中が10歩ぐらい後退りしたろうが。

しかもさり気無く周りの子供達を大人達が

後ろに隠してるし。


「うぅ…もう、お婿に行けない……」


ポポロは隅で膝を抱えてシクシク泣いてるし。

可哀そうに……間違いなくトラウマだろうな。


「ガルちゃん!この勢いで一発どう?」


「お!のっぺ中々良い事言いますね!

 採用です!

 ガルさん、勢いで行っちゃいましょう!」


「死ね!!変態共!勢いで行く訳ねぇだろ!」


この二人危なすぎるだろ…。

なんかボス達とは違う危なさがある…。

危険だわぁ…こいつ等。


俺は変態二人を無視して歩き始める。

後ろから「待ってぇぇぇ」と声が聞こえるが

気にしない。


スタスタと速足で歩いて行くと

アトランティスの中央広場に出た。


あぁ…此処は、少し前に四獅王コーネル・ガウンを

焼き殺した場所だよなぁ…。

あの頃は、アテゴレ地区が、こんなに変わるなんて

思っても見なかったぜ。


などと物思いにふけっていると変わった集団が

中央広場に居る事に気付く。


何だ?あいつ等。


「アトランティスに住まう民達よ。

 クインケ神を崇めなさい。

 信じなさい。

 さすれば、クインケ神は加護を

 お与え下さり本物のアトランティスに

 導いて下さるでしょう。

 我等と共に祈りを捧げ魔族を滅ぼし

 真の平和を手に入れるのです!」


うげっ!あいつ等、クインケ帝国の信徒達かよ。

多分、閻魔が報告していた連中だと思う。


「さぁ!共に祈るのです!」


「な、何だ!?てめぇ!離しやがれ!」


クインケ帝国の信徒達が強引に道行く連中を

勧誘していく。

おいおい…ちょっと遣り過ぎだろ。

流石に此処まで強引な勧誘だと客や他の

連中に迷惑が掛かる。

声を掛けられた連中も普段ならぶん殴って

終わりだと思うんだけど、これ見よがしに

神官の様な服を着ている連中には中々、

手は出せねぇか。


仕方ない…一応、警告だけでもしておくか。


多分………面倒な事になるかもだけど…。


ガルは、はぁぁ、と溜息を吐いて信徒に

近付いて行くのであった。

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