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異世界ブローカー  作者: 伍頭眼
196/248

ガルの世界 「旅行」

おす!ガルだ。

唐突で悪いんだが、皆は本気で

驚いた時って、どんなリアクションする?

叫び声を上げる?

腰を抜かす?

気絶する?

絶句する?


何で、こんな事を聞いてるかと言うと

俺達は、今信じられない場所に立っているんだ。


事の始まりは、2時間前。

バベルが俺達を召集した。

バベルの専属護衛のボス、京香、ガストラ。

元暗殺者のリーとツヴァイ。

軍狼リーダーのビトー。

元騎士団隊長達にレスタ副団長と

3週間程寝込んでいたリヒト団長だ。

これだけのメンバーを集めるととなると

また揉め事か?


「旅行に行かないか?」


と思っていたが、どうやら違う様だ。

旅行?旅行って旅みたいなもんだろ?

一体何処に行こうとしてるんだ?

この糞忙しい時に。


「お前等、全員これに着替えろ。

 色々とサイズも有るし尻尾は…まぁ…

 大丈夫だろ。裁縫が得意な連中に

 手直しして貰ったからな」


眼の前に並べられる沢山の服や靴。

うおお!

何だ、これ!何だ、これ!?

素人の俺が見ても並べられている服が

とんでも無い技術で作られてるのが解る。

しかも手触りがヤバい!!

俺が昔着ていた服なんて雑な作りで

ゴワゴワしてて肌が触れると擦れて

痛かった。

今では、バベルがこっちに持ち込んだ

服の御蔭で大分…いや、かなり良くなったんだけど

何て言えば良いのか眼の前に並んでいる服は

すげぇ…お洒落な感じじゃない!?


「一体…どんな技で作れば、こんな服に…」

「肌触りも凄く滑らかだし…生地も…」

「この生地、すげぇな!しかも良く伸びるぜ!」


騎士と言えども女だ。

バベルが持ち込んだ服を見て驚愕しながらも

何処かワクワクしている感じだな。

リー達もビトーも顔が綻んでいる。


そんで数十分後…。


バベルが持ち込んだ服に着替えたメンバー。


「想像はしていたが、くっっっっそ似合うな」


バベルが満面の笑みで褒める。

そりぁそうだ!此処にいる女達は

国民達が両手を掲げ賞賛する程の美女達だぞ。

リヒトなんて傾国の美女と言っても

過言じゃない。


「ボス様……その、似合うでしょうか?」

「…………似合いますか?」


リーとツヴァイが顔を赤くしてモジモジ

しながらボスに聞いてくる。


「あぁ、似合うねぇ。想像以上だぁ。

 リーもツヴァイも足がスラッとしていて

 長いからパンツスタイルが良く似合っている。

 褐色の肌に白のシャツも良い。

 誰が見ても美人だと思うよぉ」


「「……キュウ////」」


ボスが想像以上に褒めた事が衝撃的

過ぎたのかリー達が変な声を上げながら

腰砕けになっている。

あっ!ガストラもウィンザーをメッチャ

褒めてるな。

ふむ…ウィンザーもパンツスタイルか…。

すげぇ、ムチムチしてる。

とゆーか全員、パンツスタイルなんだな。

一応スカートなる物もあるのだが、

足元がスースーして落ち着かないみたいだ。


「…///バ…バベル…様…その…//」


おお!ビトーが行った!


「綺麗になったじゃないか。子共っぽさが

 無くなって一気に大人の女性になった。

 薄くルージュを塗っているのか?

 良いね!艶っぽくて悩殺されそうだ。

 良く似合ってる。今度、デートでも

 するか?」


バベルが微笑みながらビトーの髪を

優しく撫でる。

子供に対する扱いでは無くて大人の女性に

するような仕草で。


「グッフッッ!!」


ビトー堪らず鼻血を吹く。


とまぁ、少しわちゃわちゃしたが何とか

全員落ち着いた訳なんだが……。


「バベルゥ…マジで連れてくのぉ?」


「マジで、ヤバくない?」


「……そうっすよね。綺麗になった皆さん

 見れたのは良いんすけど…」


んっ?んんっ?

何でボス達、渋い顔してんだ?

旅行に行くだけだろ?

これだけ強い連中が居たら他の国に行っても

全然問題無いだろ。

ましてや、リヒトなんて近隣諸国じゃあ

有名人なんだからさぁ。

何て事を考えていた…この時までは。


「どうした?お前等。珍しく弱き

 じゃないか」


「だってさ!!もし、これがバレたら

 いくら私達でもバベルを守りきる

 自信無いよ!!」


京香が少し怒った様な口調でバベルに

答える。


「くくっ!そん時は俺が守ってやるよ。

 部下を守るのは上司の務めだ」


「~~ッッ!?もう!解ったわよ!!

 死ぬ気で警護するわよ!

 警護を仕事にしている私達が雇い主に

 守られて溜まるかってんだ!!」


プンプンと怒りながらバベルの後ろに

立つ京香。


えぇ~っと……全然、話しが見えないんだが。

何か変じゃないか?旅行だろ?

旅行………あれ?何処に?

周りの連中も何が何だか解らない顔をしているが

若干…不安そうな顔になっている。

ちょっと、俺も不安になって来た。

よくよく考えれば何か変だよな。


何で閻魔や山王達みたいな魔物が居ないんだ?

まぁ、他国に旅行ってんなら確かに混乱するから

それは解る。

けど、ボス達の服装も変だ。

いつもは、常に戦闘服で武装しているのに

今日は、何故かバベルと同じ様なスーツだし。

武器もホルスターに入れている拳銃のみ。

えぇ…?何でぇ?


そんな事を考えていると不意にバベルが

指輪を嵌めた。


えっ?


あれって…異世界を行き来できる【混沌の指輪】…。

何で今……嵌めんの?


「んじゃあ、行くか」


徐にバベルは扉を開ける。

混沌の指輪を嵌めた手で…。



そして今に至る。




◇ ◇ ◇




パッパー!プーーー!!


俺達の眼の前で車が走っている…。

いや、車は見た事だってある。

バベル達がアジトにしている元他種族刑務所に

数十台ぐらい有るし、アジト周辺では

巡回や移動の為に数台は走っている。

けど、今、俺達の眼の前にある光景は

数十台なんて規模じゃない。

何百……いや何千と言う程の車が綺麗に

整地されている道路を走っている。


「何じゃ!!?こりゃあああああああ!!」


まず、この段階で俺は叫び声を上げた。


車、車、車。

何処を見ても夥しい数の車が走っている。

もう皆、愕然だ。

眼も口も限界まで開いて塞がらない。


「ようこそ!我々の世界へ!」


バベルが笑顔で俺達、全員に言う。


「あ…うぅ…」


言葉が出ない…。とゆーか頭の思考が

完全に停止しちまっている。

俺だけじゃなく全員がだ。


「此処は、アメリカ西海岸ロサンゼルスと

 言う主要都市だ。

 これから車で移動するから少し待て」


とバベルが説明しているとガストラが

無線機を小さくした様な奴で何か喋っている。

後に、スマホと言う通信機器だと聞いた。


とゆーか…マジで何だよ…これ。

とんでもなく綺麗に舗装された道路。

何処を見ても走っている車両。

一体、どうやって建てたのか検討もつかない

建造物群。

そして、人間の数…。

何もかもが、デタラメ過ぎる。

あのリヒト達ですら頭が全く追いついて無い

様で何も言葉を発しない。


そうこうしていると、黒塗りのSUVが俺達の前に

停車するとボス達の様なスーツ姿の男達が数人

降りてきて後部座席の扉を開ける。

乗れって事だろう。

車は3台。

先頭車両にボスが乗って、2台目に

俺とバベル、ビトーと京香。

最後尾には、残りの者達が乗車し

走り出した。


そして走っている間、誰も一言も喋らない。

車を持ってきたスーツ姿の男達もバベルもだ。

でも、俺達にとっては都合が良かった。

まだ、頭で処理しきれてないからな。


そして、15分程、走った所で停車し

全員が下車したんだが頭の処理が追いついて

いない所に、またぶっ飛んだ光景で

言葉を失う。


眼の前にそびえ立つ巨大な建物。

煉瓦や石を加工して建てた物じゃない。

つか材料なんて解らん!

兎に角、デカイ。

そして惜しげもなく匠の技術を集結させた

細工に硝子。明るい照明。

俺達の世界の王城ですら此処まで

じゃない。

それが普通に、こんな場所にある。


「…なん…と…巨大な…」

「硝子が……あんなに…」

「あは…はは…うっそだろ…」


「お前等、呆けてるなよ。行くぞ」


余りにも巨大な建物を見上げてると

バベルが建物に入ろうとする。


「バ、バベル!?待って!此処に入るのか!?」


「此処は……王族の住まう城か!?

 やはり何かしら挨拶に……」


俺がテンパってると、レスタもテンパりながら

バベルに質問する。

王族……そ、そうだよな…こんなデカイ

建物に入るって事は…その王族に謁見したり…。


そんな質問を投げ掛けられたバベルは

苦笑いを浮かべる。


「アホな事言ってんなよ。今日は此処に

 泊まんだ。お前達の世界で言えば宿だ」


その言葉を聞いて全員が自慢の耳を

疑った。

宿?宿っていった?今。

嘘だろう?こんな豪華でデカイ宿なんか

あんのかよ?

はは……ははは…あっ…駄目だ。

考える事が出来ねぇ。


俺達はボス達に背中を押されてオズオズと

建物に入ったのだが…もう凄い。

豪華絢爛とは正にこの事だと思う。

内装が凄いとかのレベルじゃない。

此処に比べたらファルシア大国の城なんて

全然大した事が無い様に思える。


送り届けた車の連中は何処かに走り去り

中央ホールで俺達が立っていると、

スーツをビシッと着ている紳士的な人間が

近づいてくる。


「ラド・バベル様。お待ちしておりました。

 当ホテルを、いつも御利用下さり

 有難う御座います」


「オーナー。いつもの部屋で頼む。

 今日は、ちと人数が居るが大丈夫か?」


「勿論で御座います。それでは、お荷物を

 お預かり致します。どうぞ、こちらへ」


何が何だか解らない状態で、俺達は少し

大きめな部屋に入ると扉が閉まる。

そして、オーナーと呼ばれた人間が

首から下げた鍵を差し込むと先程まで

点灯していなかった箇所のランプが点灯する。

そして不思議な浮遊感が身体に掛かる。


「うわっ!?何だ!?」

「浮いて…!?いや、動いてる!?」


キャーキャー俺達が騒いでいるのを見て

バベルもオーナーも笑っていた。


チン!


「こちらが最上階の限られた方しか利用

 出来ないVIPルームになります。

 何か御座いましたら御連絡を。

 それでは、当ホテルを心ゆくまで御堪能

 下さい」


そういってオーナーは居なくなった。


そして案内それた部屋なんだけど…。

これ、部屋か?

滅茶苦茶広い上にとんでもなく綺麗で

家具なんて芸術のレベルだろ。

しかも全面ガラスで外を見ると景色が

一望出来る。


そんな茫然自失な状態の俺達を無視して

ボスと京香が先頭に立ち、額縁やベッド、

各部屋を隈無く見て回る。


「バベ、異常無し」


「こっちも異常無し」


ボスと京香が戻ってくる。


「まぁ、異常無しだわな。此処のセキュリティは

 刑務所並だしよ。まっ、念には念をな」


ケラケラと笑うバベルがソファに座る。


「お前等も、こっち来いよ」


バベルに声を掛けられ意識が戻る。

やべぇ…ちょっと意識が飛んでた。


言われた通り各々席に着く。


「どうだ?来て数十分しか経ってないが

 感想は?」


ニヤニヤと笑うバベル。


「…凄すぎる…此処が…この世界が

 バベル達の世界なのか?」


「はっはっ!そう!此処が俺達が住む

 世界だ。

 人口約400万。比較的治安が良い場所だ」


「400万!?」


「ファルシア大国の約4倍ではないか…。

 なんと巨大な国だ。まさか、これだけの

 人間が居る国など……」


「国じゃねぇよ。カリフォルニア州って

 言ってな。お前達風に言えば領って感じだ。

 国での人口で言ったら3億3000万人だぞ」


「なッッッ!?!?馬鹿な!?」


はい。また少し思考停止案件です。

3億3000万って何だよ…?

馬鹿げた数字過ぎて……はぁ…。

リヒトや他の連中も顔が引き攣っている。


「まぁ、後で色々教えてやるから今は

 これ飲んで落ち着け」


これまた上等そうなワインを出すバベル。


あぁ…飲ませてもらおう。

もう喉がカラカラだわ。

ゴクリッ。


はぁぁぁぁぁぁ~…うんめぇぇ…。

美味すぎる……何だ、これ。

俺が今まで酒場で飲んでたワインなんて

小便じゃん。

つか、この世界の基準が滅茶苦茶過ぎて

しんどい…。





一通り飲み終わると全員がバベルに

注目する。多分、全員聞きたい事が

山程あるのだろう。

けど、先ずは、どうしても聞かなければ

いけない事を質問する。


「バベル…。何で俺達を此処に……

 この世界に連れて来たんだ?

 説明……してくれんだよな」


俺の質問に、バベルは口元を釣り上げて

連れてきた理由を語るのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] バベルたちの世界に旅行ですか。 異世界人たちのリアクションがいいですね!
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