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異世界ブローカー  作者: 伍頭眼
173/248

バベルの世界「標的」

「何だ、てめぇ等!?」


平民街の中間地区を制圧し貴族街まで

後一歩と言う所で奇妙な連中が突如

俺達の前に現れた。


「お主が、バベルだな」


ガルの質問を無視した黒装束を身に纏い

奇妙な刺青を入れている一人の少女。

その周りにも何十人と同じ様な奴等が居る。


「…そうだが。お前誰?」


口元を釣り上げながらバベルが答える。

何処と無く声に怒気が含まれている。


「これから死ぬ者に名乗る必要など

 無いだろう」


そう言っている少女の足元には先行していた

京香の部下のゴブリン達の亡骸が転がっていた。


こいつ等…マジで何者だ!?

先行していたゴブリンの連中は京香達の

訓練を受けている。

冒険者の討伐ランクで言うと一体一体が

Bランクの魔物達だぞ!

そんな連中を、あいつ等簡単に殺しやがった!

間違い無く只者じゃねぇ…。

騎士…には見えねぇし、この国の軍人って

風にも見えねぇな。

冒険者の団体かとも思ったが……。


「傭兵だねぇ、こいつ等ぁ」


「私達の同族って訳ね」


バベルの前に出て警戒するボスと京香。


「ボス様!お気を付け下さい!

 その者達は黒狼と呼ばれ

 傭兵稼業をしている一族です!」


リーがボスに連中の正体を明かす。


「ほう…お主は確か山猫の娘か?

 仕事に失敗して死んだと聞いていたが

 まさか人間共の妾になっているとは。

 暗殺稼業しか出来ない臆病な猫共には

 その方が、お似合いじゃな」


「何だと!?貴様!」


リーが激昂すると黒狼と呼ばれている少女の

元へ走り出し一気に間合いを詰める。

速い!

その速さに対応出来ないのか、それとも

余裕なのか黒狼少女は全く動かない。


リーは、スピードを身体に乗せながら

刃物を逆手に持ち相手の首筋に攻撃する。


ガキンッと一瞬火花が散ると黒狼少女の

前に割って入って来た黒装束の男。


「長と戦うなど100年早い」


「くっ!?」


ガキンッ!キンッ!と刃物同士がぶつかり合い

火花が散っていく。

途中でツヴァイも参戦しているが

黒装束の男はリーとツヴァイの二人を

相手にしているのに戦いは拮抗している。


マジかよ…。リーとツヴァイ相手に

普通に戦えるってどんだけ強いんだよ。

少なくても騎士団隊長クラスじゃねぇか!

まさか…あの黒装束の連中全員が

そのレベルって訳じゃねぇよな?

もし、そうなら結構……いや、かなり

状況的に悪いだろ!?


そんな嫌な事を考えていると

更に自体は最悪な状況になっていく。


「お久しぶりですね。剣崎 京香さん」


「あら?貴方は確か武闘会に居たナイスミドル

 じゃなーい」


黒装束の連中達から出て来た頭に2本の

角を生やしている初老の男性。

眼付きは鋭く明らかにこの国の連中とは

異なるオーラを纏った男性。

歴戦の兵士と言った感じだ。


「ダガール殿、すぐに終わらせる。

 そなたは後ろに居ろ」


「シーシャ、油断は禁物だぞ。

 相手は大国に戦争を仕掛けられる程

 強大な武力を持っている犯罪組織なのだ」


その言葉を聞いたシーシャと呼ばれる

黒狼少女は鼻で笑う。


「ふん、お主以外の連中が雑魚なだけじゃろ?

 あの様な者達に遅れを取るなど

 軍団長の名が泣くのでは無いか?」


あのシーシャって女…ダガール軍団長と

対等に喋ってやがる。

ダガールって言えば、軍で英雄って

言われている猛者だぞ。

騎士団長の【白狼のリヒト】。

軍団長の【豪鬼のダガール】。

ファルシア大国の二大巨頭の一角に

あんな口の聞き方出来るなんて、あの女も

相当強いのか?


「まぁ、こんな所で言い合いなど

 してても仕方ないですし私も仕事を

 しましょうか。ねぇ、京香さん?」


「うふふ~、ご指名有難う。

 私も貴方と殺りたくて殺りたくて

 仕方なかったのよ」


ザッと地面を踏みしめダガールと

対峙する京香。


「じゃあ、俺は牝犬で遊ぼうかなぁぁ」


凶悪な笑みを浮かべながらな血生臭い

刃が欠けた鉈を手に持つボス。


「人間が我と同胞全てを相手すると?

 笑い話しにもならん冗談だな」


「ゴチャゴチャうるせぇんだよぉ。

 御託並べるんなら勝ってからにしなぁ。

 あっ、ガルとぉ閻魔達はぁバベルの警護

 宜しくねぇ」


「お、おう!任せとけ!!」


ボスにバベルの警護を任されるなんて

今思えば初めてかも知んねぇな。

まぁ…閻魔達が居るからかも知んねぇけどさ…。

兎に角、任されたからには全力だぜ。


「はっはっ。ボスが俺の警護をガルに

 任せるなんてなぁ。

 認められてる証拠だぜ?

 しっかり俺の事守ってくれよな」


バベルがニヤニヤしながらガルの顔を

覗き込む。


だー!見んじゃねぇ!


「で?どーする?このままだと

 戦いに巻き込まれてしまうんだが?」


ニヤニヤと笑いながらガルに

問いかけるバベル。


確かに此処だと巻き込まれるな。

他の連中もボス達の邪魔になるかも

しれねぇ…なら、やる事は一つ!


「リー!他の連中も一時撤退だぁぁぁ!」


大きな声で叫ぶと誰よりも早く

来た道を走って戻るガル。

その余りにも予想外の言葉に他の連中や

リー達は呆然としている。


「くくっ!良い判断だ!

 おらっ、お前等一時撤退だぜ!

 はっはっはっ!」


ケラケラと笑いながらポケットに手を

突っ込んだ状態でガルの後ろに付いていく

バベルを見て、リーや他の戦闘員達も

我に返り撤退していく。


「ふふっ、随分とアッサリ引くのだな」


クスクスと顎に手を置きながら

笑うダガールにシーシャが声を荒げる。


「何が可笑しいのだ!?ダガール殿!

 お前達!バベルを逃がすな!

 殺せ!!」


シーシャが命令すると黒装束の黒狼達が

一斉に動き出す。

勿論、それを許さない者も居るが。


ボスが手榴弾を三つ、動き出した黒狼に

投げる。

何を投げ付けられたのか解らない

黒狼達は足を止めた。


「お前達!ソレから離れろ!!」


一番に反応したのは、豪鬼のダガールだった。

彼は武闘会でボスがウィル相手に似た様な物を

投げたのを覚えていた。

そんなダガールをシーシャは訝しめに

見ている。


「残念。時間切れぇ」


ドゴーーーーンッ!!


一気に三つの手榴弾が炸裂し物凄い音が

鳴り響く。

濛々と土煙を上げ数人の黒狼達が蹲っている。

既に何人かは絶命している様だ。


「何なのだ!?アレは!炸裂魔法か!?」


「奴等の武器だ!あの者達は我々の

 知らない武器を多数使う!

 気を付けよ!」


シーシャはチッ!っと舌打ちをした後に

辺りを見回すと先程の男の姿が無い事に気付く。

逃げたのか?

そう思っていると……。


バスッ!ババスッ!


くぐもった音が聞こえた瞬間、黒狼達が

倒れ始める。

今度は何だ!?と思いながら

倒れた者達を見ると頭部に何かしらの

攻撃を受けた形跡があった。


「お前達、散れ!!攻撃されているぞ!」


シーシャが叫ぶと他の者達も動き出し

物陰に身を潜める。


「ダガール殿!その女は任せる!

 我は、あの眼帯を殺る!!」


そう言ってシーシャも走り出し姿を

消す。


今、此処に残っているのは京香とダガールのみ。

どうやら他の者達は全力でボスを殺す為に

動いたらしい。


「私達2人になってしまいましたな。

 出会いが違えば食事にでも誘いたい

 所ですが」


「あら、嬉しい事言ってくれるじゃない。

 けど、そーゆう訳にもいかないわよねぇ」


そう言うと京香は2本の両刃のナイフを

取り出す。


「全く残念です。

 所で、ボスさんの手助けは大丈夫

 なのですか?

 黒狼達は全員手練ですよ?」


ダガールも、また使い慣れた短剣を

取り出し構える。


「ふふっ、心配しなくて大丈夫よ。

 戦場でのボスは恐ろしく強いから。

 なんたって空間を感知するからね」


京香の言葉に眉がピクリと動く。


「空間…ですか?」


「そう。ふふふっ、あの子達が可哀想ねぇ。

 彼等は思い知る事になるわ。

 歴戦の兵士が、どう言った者か。

 ふふっ、うふふふふっ」


その言葉を聞き一筋の汗がダガールの頬を伝う。

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