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異世界ブローカー  作者: 伍頭眼
135/248

バベルの世界「武術」

スマホで読むと変な空白ができますなぁ(´・ω・`)

何とかしたいけど、中々直りませんー!


うふふ~、ボスもガストラも個々で

頑張ってるみたいねぇ~。

私も適度に頑張らないと!


京香が振り返ると、そこには40名の

少年、少女達が居た。

その顔は、畏怖する者、敵意を向ける者、

嘲笑する者、尊敬の念を向ける者など

様々だ。

バロール、ターニャ、メアリー、そして

グラッドも含まれている。


あらら…あの、三人もう回復したの?

特に、グラッドちゃんなんて半年は動けない程

ボロボロにしたのになー。

やっぱ、ファンタジーって厄介ねぇ。

治癒魔法やら回復ポーションやら私達が知ってる

医療技術の常識をアッサリ覆しちゃうんだから。


「貴方達は、こっちに来たのね」


「先ずは、貴方から学ぼうと思いましてね」


京香の言葉にバロールが返答する。


「それに、僕の親友を怪我させた貴方に

 一泡吹かせたいですし」


じゅるり……あぁ…あぁぁ…可愛い…

この子も可愛いわぁ。

体が小刻みに震えてる。

グラッドちゃんの為に恐怖を押し殺して

平静を保つなんて愛を感じるわねぇ。

この子は、受けかしら…いいや、攻めで

グラッドちゃんが受けね!

はぁぁん…良い…良い!!


「あ…あの?」


「えっ!?あ、あぁ!そうね!是非私に

 一泡吹かせて頂戴」


舌舐りをし妄想の世界にダイブしていた京香が

バロールの言葉によって戻される。


いけない!いけない!妄想してないで

訓練をしないと。

と言ってもなぁー。何を教えようかしら。

そもそも、銃器や爆薬なんて異世界に存在しないし

根本的に使用する武器が違うしなぁ~。

なら…。


「貴方達には、武術を教えます」


「武術?」


生徒達が小首を傾げる。


くっそ可愛いな…こいつ等。


「武術とは、剣術や槍術の様なものですか」


猫耳の女の子が質問する。


うん!この子も可愛い!いいわぁ、猫耳っ子!


「そうよぉー。君達も習った事有るでしょ?」


そう言うと生徒達全員が頷く。


そうよねぇ。此処は異世界で接近戦の武器が主体。

なら身を守る為に習っている事は当然。

けど、私からしたら、お子様レベル。

とゆーか、そもそも私の武術と質が大きく異なる。

私が幼くから訓練しているものは古武術に近い。


「私が住んでいた国では、古武術と言う物があるの。

 剣術、柔術、槍術、弓術、砲術が有り流派も様々よ。

 それらを全て引っ括めて武芸十八般と言っているわね。

 因みに、私の流派は骸流暗道って言う裏道ね」


日本の武道・古武術には表と裏が有る。

表は自衛や防衛に対し、裏は暗殺や殺傷を目的にし

現代日本では表が主流。

しかし、戦火時の日本はバリバリの裏道。

その家系を注いでいる私の武術も当然、裏。

皆も考えた事無い?

どうして、日本が寒い大国と戦争をして勝てたか。

体格差も兵力も違うのにさ。

それは、日本の武術が優秀な殺人術だからよ。

じゃなきゃ、各国の軍隊や警察が日本の武術を

取り入れたりしないわ。

当然、裏の古武術だって廃れていない。

ただ知らないだけよ。

滅多に外に出る事も無いしね。

それ程、危険な武術なのよ。日本の武術はね。


「聞いた事も無い流派だね」

「裏?暗…道?」

「何だ~?そりゃ!強いのかぁ?」


まっ、解らないわよねぇ。


「解らなくて当然よ。私が住んでいた国でも

 公にされてない裏の中の裏だから。

 私の流派、骸流暗道では正々堂々と言う言葉は

 存在しない。如何にして敵を殺すか、ただ

 それだけでね。決まった型が存在しないのよ」


「ふむ…しかし、それを会得すれば強くなれると?」


バロールの言葉で、その場が静寂に包まれる。

それもその筈、京香の強さは此処に居る者達全員が

初日に目撃しているのだ。

もし、それを会得し強くなれれば京香に一泡吹かせる事も

出来る。少なくともバロール達は、そう思っていた。


ぷっ!


「あはは!貴方達には無理よー!私が教えるのは

 初歩中の初歩だけ。護身や、武器を失った時の

 徒手格闘ぐらいね。

 私の流派は生易しく無いのよ~」


「やってみないと解んねぇだろ!」

「そうだ!人間で会得出来て我々に出来ん筈が無い!」

「別に大した事ねぇんじゃねぇ?」


グラッドが先に吠えると次々に抗議し始める

生徒達。

その言葉を聞き、徐に京香は上着を脱ぎ始めた。


「ちょ!!////」

「な、何やって!?」


京香が脱ぎ始めた事により赤面し目を覆い隠す生徒達だったが

その身体を見た瞬間、全員が絶句した。


眼を背けたくなる様な傷痕。

一つや二つでは無く無数に存在する古傷の後。

斬られ、撃たれ、抉られ、潰され、焼かれ、そんな

悍ましい傷が京香の身体には刻み込まれていた。


「そ…その、傷…は?」


「半分は戦場で、もう半分は訓練で付いた傷よ。

 私の流派はね、実戦形式の訓練で多くの者達が

 命を落とす流派なの。

 骸流って言うのは、それが由来と言われているわ。

 そして骸流暗道を認められるのは代々一人だけ。

 何故だか解る?」


「そ、それは、それだけ訓練が厳しいから…?」


生徒の言葉に他の者達も頷く。

京香の身体に刻み込まれた傷は尋常な物では無い。

それだけ訓練が厳しいと言うのは子供の生徒達でも

解る事。しかし、京香の答えは更に上を行く異常な

内容だった。


「一人になるまで殺し合いをするからよ」


「「「………えっ…?」」」


京香の言葉を聞いた瞬間、生徒全員が言葉を失う。

それ程までに、京香が言った言葉は生徒達からすれば

異常な言葉だったのだ。


「骸流暗道に入門し一定の人数に達した時から

 門下生同士で殺し合いをするの。

 期限は一人になるまで何日、何ヶ月、

 下手したら何年もね。

 何処に居ても仕事中でも食事時でも関係無い。

 親しい友人でも恋人でも殺さなければならない。

 貴方達に出来る?今、隣に居る友人や恋人を

 殺す事が?」


出来る筈が無い。

彼等は、国や大切な人々を守る為に学園で

勉学や戦い方を学んでいるのだ。

なのに、その大切な人を殺すなど本末転倒。


「うふふ。ちょっと驚かしすぎちゃったかな?

 まぁ、そーゆう訳で君達には初歩を教えます。

 あー、けど初歩って言っても今よりは大分

 真面になると思うわよー。

 さーー!頑張ろうー!」


明るい声で笑顔に声を発する京香に

グラッド、メアリー、バロール、ターニャや

他の生徒達全員が思っていた。


人間は…自分達が想像しているよりも恐ろしい生き物では?

この女性は危険だ。異常だ。常軌を逸していると。

己が強くなる為に大切な人だろうが殺す執念。

考えが甘かった…いや、甘すぎた。

今、自分達の前に立っている人間は人間では無い。

強さを求め過ぎた成れの果ての…狂人だと。




◇ ◇ ◇





はぁん…ちょっと喋り過ぎちゃったかなぁ。

皆、明らかにテンションが下がっているってゆーか

ドン引きしてる感じよねぇ~。

でも、強くなるとは、そーゆう事でしょ?

よく、漫画やアニメで「大切な人を守る為に強くなる!」って

声高らかに上げるイケメン主人公って居るじゃない?

あれ、格好良いわよねー!

イケメン主人公に、そんな事言われたら

ヒロインなんてコロッといっちゃうよね。

私も見てみたいわぁ。もし会えたら……。


その主人公の目の前でヒロインの首を引っこ抜いてあげる。

両腕を粉々にして足をへし折ってあげる。

臓物ぶちまけて引っ込抜いた頭を主人公の前で

潰してあげる。

現実を見せてあげるわ。

大切な人の為に強くなる?成れる訳ねぇだろ。

そんな薄っぺらい覚悟で強くなれたら全員なってんのよ。

強くなるってのはね、生易しいもんじゃねーの。

だから私達が教えてあげなきゃね。此処の餓鬼共に。


「さーて、始めようかしら。じゃあ、バロールちゃん。

 そこの剣を取って私に斬りかかって来なさいな」


「本気で行きますけど、良いですか?」


「勿論!本気じゃないと訓練にならないでしょ?

 殺す気で掛かって来なさい」


バロールは置いてある剣を手にし構える。

刃引きがされているとはいえ直撃すれば

大怪我をするが京香は平然としている。


「行くぞ!」


バロールが京香に向かって走り出し剣擊を

繰り出していく。

袈裟斬り、下段斬り、上段斬り、突きと言った具合で

間合いも付かず離れずで次々と繰り出す。

京香は、瞬きすらせず相手の剣先や身体の動きを

読みながら躱していく。


(くっ!当たらない!?これでも僕は家を警護している

 元騎士団の者達と互角で戦えるのに!)


ビュン!ビュン!と風を切る音が辺りに響く。


「甘いわよ」


京香はバロールの突きを左手で捌き同時に

上腕を殴りつける。


「あぐっ!?」


腕に何とも言えない激痛が走り剣を落とした瞬間に

捌いた左手をバロールの腕に這わせながら、その勢いで

両目を弾き視界を奪う。

弾いたら左手を戻し右手を相手り上腕に這わせ

腕を捻り揚げ肩と一緒に極め、膝を崩しバロールを

押さえ込む。


「ぐっは!!?」


アッという間にバロールを押さえつけると

生徒達から響めきが上がる。


「…はえぇ…全然見えない…」

「何で、俺達、獣人の動体視力でも見えないんだよ!?」

「バロールって学年で剣術主席だろ?なのに…」


バロールを地面に押さえつけた後に拘束を解き

ゆっくりと立たせる。


「バロールちゃん、剣速も斬り返しも中々だったわ。

 だけど、如何せん攻撃が単調で綺麗過ぎるわね。

 それだと、私達以外の者達でも実戦を経験している奴なら

 簡単に読まれてしまうから気を付けなさい」


京香の言葉を悔しさを滲ませながら聞き、静かに

頷く。


うふふ。こーゆう所は、素直なのねー。

もう!可愛い!!


「今の技は本来、刃物を使用する技よ。

 貴方の上腕に有る神経を切断するの。

 さして、さっきは眼を弾いただけだけど

 実際は眼を抉り視界を奪う。

 その後、拘束しながら喉笛を掻っ切るわ。

 今のが実戦ならバロールちゃんは死んでる」


目にも止まらぬ早業で拘束し眼を抉り首を斬る。

その言葉に、生徒達全員はゾッとする。


「武器を落としても焦っちゃ駄目よ。

 一定の間合いを取り相手全体を見なさい。

 決して相手の武器だけを集中しちゃ駄目。

 必ず全体を見なさい。

 そして、足運びや爪先の向き。肩や腕の初動。

 目線を見なさい。

 それが出来る様に成れば躱すことも捌く事も

 出来るからね。

 んじゃ、二人一組で訓練してみなさい」


そう言われると、生徒達は各々と訓練を始めた。

その光景を、ジィっと見つめる京香。


ふーん。やっぱりバロールちゃん達は他の生徒達とは

頭一つ飛び抜けているわね。

グラッドちゃんも中々だし、女の子のメアリーちゃんと

ターニャちゃんも良い仕上がりね。

多分、才能は有ると思うわ。けど、才能だけで

生きていける程、戦闘は甘くないからねぇ。


この子達は将来、私達の敵になる可能性が高い。

私的には、此処で力の差を見せつけて諦めてくれると

正直嬉しい。無駄な殺傷なんてしたくないしね~。


京香は、煙草を咥えると火を着け煙を吐き出す。


はぁ~…でも諦めないでしょうねぇ~。

まぁ、敵になったら敬意を持って全力で潰してあげる。

それまで、死ぬ気で鍛錬しなさいな。


フフッと獲物を見つめながら笑う京香であった。

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