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異世界ブローカー  作者: 伍頭眼
118/248

閑話 「勇者」

のほほ~(*゜▽゜*)また、評価が上がっていました!

新しくブクマ&評価してくれた方、有難うこぜぇます~ヽ(*´∀`)ノ

これからも、外道系で頑張っていきますので応援お願いします!

ドドーーーン!!


深い森から響き渡る轟音。

此処は、ファルシア大国隣国の【ガガの森】。

そこには、5人の冒険者風の男女が森の主と戦っていた。


「パヌパヌ!尾には気を付けて!先端に毒が有る!」


「こんなの余裕、余裕~」


そう言ってパヌパヌと言われている少女は、ヒラリヒラリと

森の主の巨大なワイバーンの攻撃を避けながら、

希少なミスリル製のナイフを抜くとワイバーンの眼に

目掛けて投げつける。


『ギャオオオオーーーーー!!?』


ナイフが眼に突き刺さると苦しむ様に咆哮を上げ

ワイバーンの動きが鈍くなった。


「セータ!今ですよ!」


「ああ!任せとけ!」


セータと呼ばれた青年は、苦しんでいるワイバーンに

飛び掛り一瞬で首を切り落とした。

ズズンっとワイバーンの巨体が地面に伏すと青年の

周りに仲間達が集まってくる。


「流石!セータ様です!」


「くぅ~、痺れちゃうよ!やっぱウチのダーリンは強いね!」


「ちょっと!私にとっても旦那様なんだからね!!」


「うむ!セータ殿の剣筋は、いつ見ても惚れ惚れしますな」


そんな歓喜の声を聞きながら魔剣【カタス・カトラ】を

鞘に仕舞う青年。


「この程度、僕にとって大した事無いね」



◇◇

◇◇◇




僕の名前はセータ。と言っても此処の世界での名前だけどね。

本名は【佐藤 聖太】

何処にでも居る私立中学に通う3年生さ。

ちょっとオタクで、ちょっとデブで、ちょっと不細工な

僕だけど、ある日ひょんな事から勇者召喚で呼び出されちゃったんだ。


最初は何が起こったのか全然理解出来なかったけど

周りを見て直ぐにピンッと気付いたね。

中世の服装に騎士!そして獣ミミ!これだけで僕は

直ぐに理解したよ!

伊達に異世界物のラノベを読んでないぜ!


もう心の中では嬉しさで絶叫さ!だって異世界だよ!

誰でも憧れる世界に召喚されたんだ!嬉しく無い訳無いじゃん!

けど、呼び出されたのは僕だけじゃなくて他にも居てさ。

しかも同じ学校で学校一のイケメンと学校一の美女が

召喚されたんだ。

あっ!因みに、この二人は付き合っています。

くそぅ~、リア充め~!


まぁ、この2人の事は置いておいて僕達が何故召喚

されたのかなんだけど、まぁ、在り来りな話で戦力として。

幸い、この国は長い間、戦争をしていないので安心らしいが

やはり、近隣諸国に絶対的な国力を見せる為なんだとさ。

けど、説明を聞いたら戦争が無いだけで周りは魔物も

居るし野盗、スラムなんかもあって結構治安が悪い。


日本に住んでたら何処でも治安が悪く感じるけど

リアルに盗賊とか聞くとビビるわ。

当然、そんな世界に来たんだから有るよね?

と思ったら、やっぱり有りましたーーーー!


チート!

殆どの日本人なら異世界チートに憧れるんじゃないかな?

個人の見解だから解らないけど僕は憧れた。


だって!だってさ!どんな敵にも無双なんかしちゃって

周りから頼られて可愛い彼女とか……なんて考えちゃうじゃん!

で、そんな僕のチート能力がコレ。


【全属性魔法】・【魔法箱】・【鑑定】・【身体攻撃倍加】

【称号・異世界の勇者】


こんな感じかな。

他のラノベに出てくる先輩勇者からすると弱いかもだけど

この世界なら充分過ぎる程の恩恵なんだとか。

そもそも、初っ端から全属性の魔法を使えるだけで

とんでも無い戦力なんだって!


よーーし!チートも手に入れたし無双しまくって

女の子にモテモテだー!

……って思ってた時期も有りました。

戦力を測る為に、何でも、騎士団のトップと手合わせする事に

ったんだけど、ハッキリ言ってボロボロに負けました。

僕的には、騎士に圧勝して「こ、この強さは!?」とか

言われてみたかったんだけど全く歯が立たなかったよ。


普通に考えたら当たり前の事で、僕みたいな喧嘩もした事の

無い人間が魔物や盗賊が闊歩する世界の騎士に簡単に

勝てる訳無いわな。

まぁ、それにしても相手の騎士さん強すぎませんかねぇ。

魔法は全部打ち消すしさ。

後、美人過ぎて緊張しました。言い訳じゃないけど

学校に居た時は女子にキモイって言われてた僕に

あの美人さんは刺激が強すぎるよー!

序でに言って置くけど、学校一のイケメン&美女も

負けてたからね。

決して僕が弱いんじゃなくて相手の騎士さんが強すぎたって事!


強くて美人のケモ耳なんて……最高じゃないか…。


なーんて、ケモ耳最高なんて思って不意に自分の頭を

触ったら何かフワフワしてる物があったのね。

何?何!?って思って手鏡を持っていた騎士さんから

自分の姿を見せて貰ったら、もう吃驚!


何で僕にケモ耳と尻尾が付いとんじゃーーー!!


しかも顔もイケメンフェイスになってるしメタボ体型の

僕の身体がシュッと引き締まってたんだ!

これには吃驚さ!

いや、まぁ、ラノベとかでも有るけど実際自分の

姿形が変わるって凄いビビるよ!

髪もサラサラで顔も整っててさ!自分でも格好良いなんて

思っちゃったりして何かナルシストの人の気持ちが解った感じ。


最初は、僕の事をキモがって話しかけないと思ってたらさ

あの2人、本当に僕の事を解って無かったみたい。


ふふっ!よし!この姿が本当の姿だと思い込む事に決めた。

そんで、女の子達にチヤホヤされてハーレムなんかを…

グフフフ……。


お、おっと、いけない!今の僕に、あの笑い方は

気持ち悪いな!これからは、口調とかも変えて格好良く

行くぜ!!


「ダーリン~?何、ニヤニヤしてんのー?」


僕がニヤニヤした笑みに気付いた豹人族のパヌパヌが

声を掛けてきた。


「べ、別に何でも無いよ」


いきなり顔を近づけて来たので多少、動揺したが

それも仕方無いと思っている。

パヌパヌは、赤茶色の短髪でスレンダーな女の子だ。

顔もメッチャ可愛くて健康的な褐色肌が眩しいぜ。

それに、服装も結構露出高めでヘソ出しだもんだから

目のやり場に困るんだけど、パヌパヌは、それを

解ってて見せつけてくる。


「ホントに~?エッチな事、考えてたんじゃないの~?」


少し小ぶりな胸を僕に押し当て上目遣いで見上げる。


くぅぅ~、女性に慣れてない僕にコレはキツイ!


「ちょっと!何一人で迫ってるのよ!セータが困ってるでしょ!」


「あらあら、パヌちゃん一人でズルいわぁ」


「セータ殿もウブよのぉ」


僕が困っている姿を見たからなのか解らないが

性格が、ちょいキツめのレローナが後ろから抱きついてきた。

その後ろからは、おっとりとした性格のミンティア、

その横に居る侍口調のギルナが近づいてくる。


いや…もうね…マジ天国です。


後ろから抱きついて来たレローナは海の様に青い髪を

ツインテールにしてるツンデレちゃん。

初めて会った当初は、ツンツンしてたけど最近は

信頼してくれているのかデレデレです。

勿論、顔も可愛い。因みに彼女、ドラゴニュートです。

胸は……まぁ、言わないでおこう。


お次は、魔法使いのミンティア。

長い金髪の髪を緩く結んでいるダイナマイトボディの

狐人族のお姉さんだ。

ただ、お姉さんにしては母性が半端じゃなくて

包容力とか優しい笑顔とか、とにかく癒される。


最後は、鬼人のギルナ。

真っ赤な髪をポニーテールにしてる豪快な性格の美女で

剣の腕前は相当な物だ。

服装は和服って感じだけど、持っている剣は

西洋風な大剣を担いでいる。

因みに、相当、胸が大きい……うん、素晴らしい!


そんなこんなで、楽しく会話を弾ませながらワイバーンを

解体し終わり一息ついていると和服美人のギルナが

喋りかけて来た。


「そう言えば、セータ殿。最近、奇妙な噂を耳にしたでござる」


「うん?奇妙な噂?」


ギルナの話に興味があるのか先程まで談笑していた

他の女の子達も口を閉じて耳を傾ける。


「うむ、実は……」


ギルナの噂話は、此処最近ファルシア大国で大暴れしている

人間が居るとの事だ。

何でも、その人間達は魔物を使役し見た事も無い武器を使用し

アテゴレ地区と言われている区域の半分を支配したと言う。


う~む…滅茶苦茶チートの匂いがするぜ。

魔物を使役するとか見た事の無い武器とかラノベだと

テンプレだしさ。

しかも、人間が劣等種と見られている異世界で

アテゴレ地区の半分を支配するとか、どう考えても

俺と同類の匂いがする。

更に、ファルシア大国の騎士団を尽く負かし死者が

大量に出ているそうだ。

なんか、ファルシア大国さん間違ってヤバイ奴召喚

しちゃったんじゃないか?

それか、チートに物言わせて遣りたい放題やっている

自信過剰な奴なんだろうな。

と思っていたが……。


「四獅王のコーネルは生きたまま焼き殺され、同じく四獅王の

 イアンは仲間達と殺し合いをさせられた挙句、目の前で

 妻を殺されたそうでござる。勿論その場でイアンも殺されたと

 聞いたでござるな」


はい!ガチでヤバイ奴来ましたーーーー!

いやいや!何、それ!!怖すぎだろ!

そいつ絶対、この世界に来る前から頭がイカれてるって!

何で、こんな剣と魔法のファンタジー世界に

サイコパスみたいな奴が居るんだよ!

しかも、ファルシア大国って僕を召喚した国だから

下手したら招集かけられちゃうんじゃない?


「何それ!?酷すぎない!」


「ダーリン!そんな悪者倒しちゃおうよ!」


「そうですわねぇ…その様な人間が居ては民達も

 さぞ怖いでしょうからねぇ」


俺の気持ちを知ってか知らずか何か倒す方向に

話が傾いて来ている。

いやいや…普通に嫌だよ。

と言おうとしたのだが、僕の口からは全然違う言葉が出でくる。


「許せないな!そんな悪人、俺が倒してやるぜ!」


ビシッと親指を立てて決めポーズまでしてしまいました。


だぁああああ!!違う!違う!何やってんだよ僕は!

いくら良い所を見せようと思ったからって相手サイコだぞ?

普通に怖いって!!


「流石!私のダーリン!!」


「ちょっと!皆のダーリンでしょ!」


可愛い女の子に散々煽てられた僕。

ま、まぁ…召喚されてから3年も経って大分強くなっているし…。

それに、A級冒険者の仲間達も居るし…。

魔剣も有るし、チートも有るし…。


あれ?何か勝てるんじゃない?

噂話は最近って聞いたから此処最近に召喚された人間だと

思う。それなら戦闘経験でも断然、僕の方が上だ。

イケル…イケルぞ!!


「さぁて、ワイバーンをギルドに持って行ったら王族の連中に

 恩でも売りに行くか!?」


「「「「おおおおーーーーーー!!」」」」


よーし!いっちょ異世界の先輩の力を見せてやっか!

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