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異世界ブローカー  作者: 伍頭眼
11/248

孤児院

僕の名前は、シド。


ファルシア大国アテゴレ地区の孤児院で育ちました。

暴力と犯罪の温床になってる地区だけど、僕は

この孤児院を運営していたシスターに

拾われました。

こんな、治安の悪い所で孤児を受け入れる聖母

みたいな方が居る筈無いと思うよね?

僕も最初は、そう思ったよ。

でも、シスターは、そんな僕達に暖かいスープ・

黒パン・毛布に寝床…そして優しい笑顔を与えてくれた。


こんなに優しくされた事なんて無かったから

泣いちゃった。


それからは、少しでもシスターの役に立ちたくて

とにかく頑張ったよ。


と言っても毎日カツカツ火の車状態だったけどね。

それでも楽しかったなぁ~。


そんな優しいシスターが亡くなって三年が経つ。


僕は、シスターの代わりに孤児院を運営する

立場になった。

シスターの意思を継ぐ為に。

孤児の子供達も手伝ってくれるし、国からも

僅かだけど助成金が出る。

それでも、孤児院をやって行くには、まだまだお金が

足りない。

でも、僕には頼りになる兄さんが居るんだ。

血が繋がってる訳じゃ無いけど、同じ孤児院で

育った皆は家族みたいなものだよね。


ちょっと短気でガサツな所がある兄さんだけど、

それ以上に僕達の事を大切にしてくれている。

してくれてるけど…一つだけ不満があるんだ。


その…仕事が人身売買って言う危ない仕事を

している事。

その、お陰で多少は生活が楽になったけど、やっぱり

兄さんには、危ない仕事は、して欲しくないのが

本音かなぁ。

それにさ、やっぱりいくら人間さんだって命を

売り買いされるのは辛いと思うし…。

口に出して兄さんには、言わないけどね。


あっ!兄さんが帰って来た。

今日も沢山食べ物有難う。野菜は…ちょっと少なめかな。

最近、不作続きだったから高騰しちゃったもんね。

野菜が苦手?駄目だよ!しっかり兄さんも野菜

食べないと!

好き嫌いは、駄目ってシスターも言ってたじゃないか。


ふふっ、こんな兄さんだけど、やっぱり頼りに

なるんだよ。

でも、ちょっとだけ今日は顔色が悪いな。

何かあったのかな?

聞いてみよう。


「ガル兄さん…何かあった?」


「んっ?特に何も無いぞ。」


そう言って笑顔を見せる。


「そっか、僕の気のせいだったね。」


気のせいなんかじゃない。

相変わらず嘘付く時は、良い笑顔をするね。

気付いて無いのは、兄さんらしいけどさ。

多分、仕事で何かあったんだ。

心配かけたくないから嘘を付くのは解るけど…

少しは、頼ってよ。


「そーいえば、さっき兄さん宛に、お客さんが

 来たよ。」


「えっ!?」


ビクッと体が跳ね上がる。


「……人間だったか?」


「獣人だよ、奥の部屋で待って貰ってるんだ。」


「あ、あぁ、そっか!解った。

 今から、会いに行くよ。」


フーっと大きく溜息を吐く。


「……人間さんと何か…あった?」


「あはは!何もねぇって、シドは心配性だな!

 じゃ、ちょっと行ってくるぜ。」


手を上げながら逃げるように走っていく。


「あっ!兄さんったら!!」

中々、不定期更新で申し訳ありません(´・ω・`)

ですが、頑張って行きたいと思いまっすヽ(´▽`)/

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