ヤツラをプロデュース(お題:意外な第三極)
「ワレワレがナゼニホンにオリタッタカ、キミタチはワカルカ」
「ワカリマセン!」
「コノバカモノドモ!」
バチーン、ドカーン、グシャグシャ
仲間が一人減ってしまったがどうということはない。
「ダイサンキョクにナルタメダ」
「ダイサンキョクとはナンでアリマスカ」
「ナンはカレーのトキにショクスモノだ!」
ゲシッ、バシッ
仲間が更に一人減ってしまったがどうということはない。
「ダイサンキョクとイウノハダナ、ジミンにもミンスにもナレナイ、ダイ3ノセイリョクでアル」
「ああ、選挙のたんびに入れ替わり立ち替わっちゃうやつね」
「ナンダコイツは」
「ワカリマセン! キヅイタラしんにゅうサレテマシタ!」
今度はバチーンもドカーンもなかった。
侵入を許してしまった仲間は許された。
なぜか? 閣下の機嫌が良くなったからだ。
「トップになれない時点でどうかなって思うし、ナンバーツーにもなれないんだ」
「テンテン、テンテン」
「志はもっと高くもとうよ」
街はずれに掘っ立て小屋を建てて、妙に律儀な宇宙人がニホン制服もとい日本征服を狙っている。
世界を目指さないところからして志が低い。
「セカイはヒロクてワレワレのテにはアマル」
現実路線の宇宙人。
まあ、誰が総理大臣になっても庶民の生活は代わり映えしないし、だったら国会に宇宙人が混ざっている方が面白いかな、と思って、俺はこいつらに加担することにした。
某政治家の三男坊なんて行く末も見えてるしね。俳優にも作家にもなれる才能もないし。
まずはこいつらの聞き取りづらいカタコトもといカタカナな喋り方を何とかしてやるか。
やつらが閣下と呼ぶ、おそらくリーダー格の宇宙人の形態が俺好みの美人だからじゃ、ないんだからね!
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