人は皆、自由に妄想する権利を持っている。
えー。
なんか今、サラリとヒドいこと言われた気がするー。
『殺す』とかなんとか…。
うふふ。
ジルちゃんたら、可愛い顔して冗談キツいぞぅ。
じ、冗談だよね。
ね?ね?
「今度はちゃんと生き返らせるから、ニセモノさんには悪いけど、死んでもらいましょう。大丈夫、ちゃんとやるわ。殺すのも、生き返らせるのも、ね」
うーわー。
この子、本気だ。
あー…やっぱ夢だろ、コレ。
きっと本当のオレは、まだベッドの中でぐーすか寝こけているに違いない。
誰かそうだと言ってくれッッ!
ふとこちらを見たアルベルトが、逃げようとする獲物を縫い止めるかのように目を細めた。
「おい、お前。この期に及んで、これは夢じゃねーか、なんて思ってるんじゃねえだろーな」
う…!?
だからどうして分かるのよ!?
こいつ、本当に心が読めるんじゃないのか?
だからそんなに目つき悪いんだろ。
ちくしょー!勝手に人の思考を覗くなんて、プライバシーの侵害だぞ!
ええい、そっちがその気なら、こっちにだって考えがある!!
ものっすごいエロいこと考えてやるから、覚悟しろよ!!?
大人の本気なめんなよ!!思春期の心に、一生消えない傷を作ってくれるわッッッッ!!!!
「………ジル。殺していいぞ」
きゃああああっ!!
オレのバカっ!!!!