言って良いことと、悪いことがあります。
死者を生き返らせることのできる摩訶不思議なアイテム、それが反魂香である…らしい。
ただし、生き返った者が、生前と同一人物とはかぎらない。
なぜなら反魂香は、魂の抜けた体に魂を呼び寄せるだけの道具であり、その魂の種類を選ばないからである。
アルベルトの説明を要約すると、つまり、まあ、そーいうことであるらしい。
………………………。
って、どこのRPGじゃいっっ!!!!
なんだぁッ!?
魂がどーの、生き返りがどーの……
あ・り・え・な・い・か・らッッッッ!!!!!!!
ゲームでしょ!?
ラノベでしょ!?
少年漫画でしょーーーがッッ!!そーゆーのが通用すんのはよ!
俺は適応外だから!!!!
イヤだよぅ…これじゃただの痛々しい人だよぅ…。
「ねぇアル?それじゃあ、そこにいる勇者様は勇者様じゃなくて、勇者様の皮を被ったニセモノということになるのかしら?」
アルベルトの解説は、まるでどこぞの予備校講師のように、素晴らしく分かりやすかった。
そう、ジルでさえ、正しく理解できるほどに…。
よし、彼にはカリスマ講師の称号を与えよう。
……それにしても、ニセモノ呼ばわりは聞き捨てならないなー。
「ああ。忌々しいことにな」
ジルの問い掛けに、アルベルトは小さく頷いた。
てか、忌々しいってなんだよ!!
禍々しいだの、痛々しいだの、忌々しいだの!!
言いたい放題か!
しかも今、舌打ちしたか!?
舌打ちしたいのは、こっちだっつーの!!!!
って、ををををーい!!?
どーしたジル??
なんか滅茶苦茶アンニュイになってるぞ!!?
「……どうしよう?これ。もう一度殺す?」
なんてことを言うんだッッッッ!!!!!!!!