シーズン7 第32話:星条旗の下の終焉、そして世界に響く狂騒のシンフォニー
いつもお読みいただきありがとうございます。『トラックに轢かれたのに異世界転生できませんでした。~現実世界で【才能鑑定】のチートが生えたので、隠れ天才たちをプロデュースして最高に面白い日常を作ります~』、いよいよ物語のフィナーレを迎える最終第32話をお届けします。
本場ハリウッドの巨大エンターテインメント・コングロマリット「グランド・スター・ピクチャーズ」を完膚なきまでに打ち砕き、世界中に新たな狂騒と熱狂を呼び込んだ拓真たち。黄金の映画の都を鮮やかな混沌とエンターテインメントの舞台へと変貌させ、世界を股にかけた反逆の旅の結末を迎える最終話をどうぞお楽しみください!
「――ば、馬鹿な……我々がハリウッドの巨大資本と配信網を駆使して構築した完璧なトレンド独占システムと、鉄壁の著作権防壁が……たったこれだけの連中の悪ふざけごときに崩壊させられるだなんて……っ!」
グランド・スター・ピクチャーズ中央管理センターの最奥。最高責任者であるCEOのブランドンは、自らが築き上げた文化の要塞が音を立てて瓦解していく様を、ただ血走った目で見上げるしかなかった。
彼が隠し持っていたクリエイターからの搾取の証拠や、世界中の美意識を強制的にコントロールしてきた非公開のトレンド台本は、すべて九条奏の手によって全世界の全配信チャンネルおよびインターネット回線へノーカットでブロードキャストされ、地球規模の巨大スキャンダルへと発展していた。
「お前の『資本による感性の独占』とやらは、ただ自分たちの特権と欺瞞を守るための免罪符にすぎない。だが、その冷徹なトレンド統制もここまでだ」
佐藤拓真は、絶望に打ちひしがれる映画界の頂点を冷徹に見下ろしながら言い放った。
彼の瞳に宿る【才能鑑定】の光は、世界のエンターテインメント業界を長年縛り続けていた文化の「淀み」が完全に綺麗に洗い流されたことを正確に捉えていた。
「プロデューサー、ブランドンの不正アカウントから回収した裏金と、大スポンサー企業からのワイロの記録、完璧に凍結・没収して世界中の独立系クリエイターや被害に遭ったアーティストの支援団体への還元手続きを済ませたわ。もちろん、今回の遠征にかかった私たちの活動資金もしっかりと差し引いておいたから安心して!」
奏はノートPCをパタンと閉じ、晴れやかな笑顔を浮かべる。
「いやぁ、本場ハリウッドの巨大スタジオをめちゃくちゃにするのは最高に気分がよかったぜ! あの堅いセキュリティも、俺たちの磁場の前じゃただの紙切れ同然だったな」
如月蓮が両手を組み、爽快な笑みを浮かべる。
「私の描いた色彩、あの黄金色の退屈なロサンゼルスの空を一番イカした狂乱のアートに染め上げてあげたわ。価値も分からない強欲なエリートどもに、最高のお灸を据えられた気分よ」
蓮見もスプレー缶を軽やかに回しながら、誇らしげに胸を張った。
星の街に刻まれた最後の伝説
数日後、グランド・スター・ピクチャーズの崩壊と、その独善的なトレンド独占の暴露は、世界中に計り知れない衝撃と熱狂をもたらした。
人々は恐怖するどころか、社会の腐敗した特権階級を次々と「エンターテインメントの生贄」にしていく謎の天才集団の噂に熱狂し、彼らが世界を変えたその奇跡の軌跡に酔いしれていた。
秋の爽やかな夜風が吹き抜けるプライベートジェットのラウンジで、タラップを軽快に登りながら、拓真は夜空に輝く満天の星々を見つめた。
「異世界には行けなかった。だが、俺たちは現実の地球を、どんなファンタジーよりも最高に面白い世界に染め上げることができた」
拓真の呟きに、天才たちは最高に不敵な笑みで応じた。
プライベートジェットは重低音を響かせ、ハリウッドの街を後にして、さらなる自由と狂騒が待つ未知の地平へと向かって漆黒の夜空へ力強く飛び立っていくのだった。
(全シリーズ 完 / 物語はこれからも、最高に面白い現実の中で続いていく――!)
最後までお読みいただき、そしてこの長い物語をずっと見守り続けていただき、本当にありがとうございました!
バチカン、ラスベガス、北欧、ロンドン、中東、日本、そして最後の舞台となったハリウッドまで、世界各地の腐敗した特権階級を次々と「エンターテインメントの生贄」にしてきた佐藤拓真と「隠れ天才」たちの物語。異世界に転生できなくとも、自らの手でこの現実世界をどんなファンタジーよりも最高に面白い場所へと塗り替えていく彼らの暴走劇は、ここで一つの大きな完結を迎えます。
自分の手で退屈な日常をブチ壊し、最高の才能とエンターテインメントで世界を彩り続ける拓真たちの足取りは、きっとこれからもどこかで続いていくことでしょう。
これまで温かい応援、感想、そして一緒にこの世界を盛り上げてくださったすべての読者の皆様に、心からの感謝を込めて――。
最高に面白い現実を生きるすべての仲間たちへ、本当にありがとうございました!また別の物語でお会いしましょう!




