シーズン7 第30話:映画の都の裏側、巨大スタジオへの潜入
いつもお読みいただきありがとうございます。『トラックに轢かれたのに異世界転生できませんでした。~現実世界で【才能鑑定】のチートが生えたので、隠れ天才たちをプロデュースして最高に面白い日常を作ります~』、ハリウッド編の潜入作戦がいよいよ本格化する第30話をお届けします。
ロサンゼルスの夜空に広がる巨大エンターテインメント・コングロマリット「グランド・スター・ピクチャーズ」のスタジオ群を標的に据え、拓真たち天才チームが文化の要塞へと忍び込む今回。夢と感動の仮面を被った搾取とトレンド独占の巣窟を、圧倒的な才能と予測不能なバグで切り崩していく緊迫の展開をお楽しみください!
「――ここが、世界中の夢と欲望をパッケージして売りさばく映画の都『ハリウッド』か。外見は華やかなレッドカーペットと星形のプレートで彩られているけれど、ネットワークの奥底でうごめいているのは世界中からかき集められた表現者の才能の搾取と、流行の強制的な植え付けの履歴ばかりね」
ロサンゼルスのきらびやかな夜景を見下ろす高台から、広大な敷地を誇る「グランド・スター・ピクチャーズ」の巨大スタジオ群を見据えながら、九条奏はタブレットを操作しつつ冷ややかな笑みを浮かべた。
スタジオの外周は厳重なセキュリティゲートと、最新鋭の動体検知カメラ網で固められており、まさに外部の人間を一切寄せ付けない文化的要塞だった。
「『世界に夢と感動を届けるエンターテインメントの殿堂』か。どれだけ美しい映画を量産しようと、CEOのブランドンが自社の利益のために無数のインディーズクリエイターの芽を摘み、トレンドを独占している時点で、ただの文化的独裁の巣窟にすぎない」
佐藤拓真は【才能鑑定】の光を静かに瞳に宿し、スタジオの地下深くに張り巡らされた巨大な配信サーバーの配線ルートと、エリートたちが隠し持つ非公開の搾取契約データを完璧に捉えていた。
「連中は自分たちの築いた流行の独占体制に絶対の自信を持っている。だからこそ、その中枢が内側から崩れたときの混乱も一塩だろうな」
「夢と希望の押し売りなんて、私の色彩感覚から言わせりゃ最も退屈で最悪な毒薬よ」
蓮見はスケッチブックを強く抱え、その瞳に妖しくも美しい光を宿した。
「あの黄金色に輝くハリウッドの巨大看板を、私の狂気的な色彩と鮮烈なパレットで、一瞬で誰の目にも焼き付くような狂乱のステージに染め上げてあげましょうよ」
「文化的独占の要塞だろうが、気取った映画スタジオだろうが関係ねぇよ。俺の磁場をぶち込んで、あの気取った巨大撮影機材やサーバーの心臓部を丸ごとスクラップにしてやるぜ」
如月蓮が両手を鳴らし、不敵な笑みを浮かべた。
巨大スタジオの影へ向けて
スタジオの外周を囲む厳重なセキュリティエリアの死角を縫うように、拓真たちの影は誰にも気付かれることなく、地下の小道具倉庫につながるメンテナンス通路へと静かに滑り込んだ。
「準備はいいか、お前ら。流行と権力で世界の感性を買い叩く退屈な映画エリートどもに、俺たちの最高のエンターテインメントを叩き込んでやるぞ」
拓真の冷徹な号令のもと、映画の都を舞台にしたシーズン7の反逆劇が、いよいよ本格的な牙を剥き始める――!
最後までお読みいただきありがとうございます!
世界の映画産業の中心地を舞台に、広大なスタジオの地下メンテナンス通路へと迫っていく様子を描いた第30話。九条奏の鋭いハッキング予測と、拓真の【才能鑑定】が導く正確な攻略ルートにより、鉄壁のセキュリティを誇る巨大撮影要塞へ着実に近づいていくスリリングなエピソードとなりました。
流行と資本で人々の感性を縛るエリートたちに対し、彼らは一体どんな鮮やかなエンターテインメントを仕掛けるのか。映画の都を揺るがす壮大なプロデュース劇は、いよいよ核心へと突入していきます。
次回の第31話もお楽しみに!感想や温かい応援をいつも本当にありがとうございます!




