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あなたと本当にひとつになれたらよかったのに

作者: 澪ナギ
掲載日:2026/05/06

 そっと、視線を”自分”に向ける。

 見つめあった”自分”は、ほんの少しだけ冷たい。それに、少し違和感。


 私、こんな顔だったかしら。


 首を傾げれば。


「どしたの」


 なんて、優しく声をかけてくる。

 冷たい顔だった割には声は優しいのね、なんて思いながら。


「なんとなく、私はこんな顔だったかしらと思って」

「いつも通りかわいいよ」

「あら、ありがとうございます」


 そう笑って。


 一度、瞬き。



 鏡だったはずのそこは、愛しい兄へと早変わりしていた。

 正気に戻ったとわかった兄は笑う。


「おかえり」

「ただいま戻りました」

「どこで戻った?」

「かわいいで戻りましたわ」

「かわいいだろ」

「私ならクリスティアの方がかわいいと言います」

「確かに」


 笑って。


 兄の胸へと、そっと体重をかけた。


「なに、寂しい?」

「いいえ」


 兄の言葉には首を横に振りながら。


「こうしてあなたにもたれかかれば、飲み込んでくれるかなと思っただけです」


 小さくこぼせば、兄は「そ」とつぶやいて。


 まるで本当に飲み込んでくれるかのように、強く抱きしめてくれた。



『あなたと本当にひとつになれたらよかったのに』/カリナ




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