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第6話 ディーちゃん、爆誕‼︎

「さあ、湖で洗濯するよ。

ディセルネちゃん……?ディセ……ちゃん?

んっ……なんだかしっくりこないな……」

ディセルネの汚れたワンピースを抱えたシェリールは、軽快な一歩目を踏み出そうとして、立ち止まった。


『おい、ディセルネ、兄ちゃんは何がしたいんだ?』

『……妾にもよくわからぬ』

互いに念話で話をしていることを忘れて、かがみこんで顔を突き合わせている二人。


『そもそも、なんで俺たちこんなにくっついてるんだ?』

『それは“シェリールに聞こえないように”じゃろ?』

『いや……、聞こえるわけないよな……』

『おぉ、そうじゃったな。妾たちは声を出しておらぬ』


今気がついたと言わんばかりに、感嘆の声を上げるディセルネ。

 

『そんなに驚くことでもないだろう』

ヤーナが「ぽんっ」と跳ねるように、その場を動くと同時に――――

 

「そうだ!ディーちゃん!ディーちゃんがいいね」

手のひらを打って、声を弾ませたシェリール。

ディセルネとヤーナに向き直ると、目尻を下げて二人に呼びかけた。


「さぁ、ディーちゃん、ヤーナくん。一緒に洗濯に行こうね」


『…………』

「…………」

「ディーちゃん?ヤーナくん?」


気の抜けた顔で動く気配のない二人に、シェリールは首を傾げる。


『……ディー……ちゃん……とは、妾……かのぅ』

『あぁ、間違いないぜ……、ディーちゃん』


ハァっと大きくため息を吐いたディセルネに、慌てた様子で近づくシェリール。

咄嗟に彼女の額に手を当てて、心配を滲ませた顔を寄せてきた。

「ディーちゃん、具合が悪いのかな?」


「……シェリールよ、妾は病気ではないぞよ……、

あぁ……、もうよい……。

ディセルネちゃんでも、ディセちゃんでも、なんでも……」


すでにシェリールに抱きかかえられ、背中をトントンと叩くように、あやされ始めた女神ディセルネ。


『ヤーナ、なぜ妾は赤子のように、“背中トントン”されとるのじゃ?』


笑いを堪えた神獣は、前足に顔を埋めて震えている。

『っぷ……、それは……ディーちゃんが心配だからだろ。

ああ、もう声出して笑いそう……。

そこの兄ちゃんは、もうすっかりディーちゃんのパパだよ』


『はて、神に親はおらぬがなぁ。

 ……じゃが、まぁ悪い気はせぬよ。

 シェリールの腕の中は、あったかいのぅ』

心地よいリズムが背中を伝ううちに、ディセルネの瞼はゆっくりと閉じていった。


*****


所変わって、ここは天下――――

水鏡を囲むように椅子を並べて、お茶を嗜む神様方。


「あんなに安心しきった顔をして」

アースが珍しいものを見たとばかりに、思わず呟いた。

「本当に、可愛らしい寝顔ですわね」

セレナが相槌をうつと、何やら隣でボソボソと言い始めたデウス。

「……わしも、ディーちゃんと呼ぼうかのぅ」

 

「「えっ⁉︎」」


「……冗談じゃ……」

そう告げたデウスの眉は下がっていた。



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