1/3
少女の祈り
少女は一人、祈る。
大事なきょうだいを守りたいと。
何もないハズの白い空間に漂うのはその少女と、淡い欠片たち。
その一つに触れて、少女はギュッと握る。
何度、この手を汚したらいいのか。少女は問いかける。
何度、苦しめばいいのか。少女は嘆く。
何度、失えばいいのか。少女は懺悔する。
それでも、許されることはない。
分かっている。こんなことをしていても、結局は現実逃避でしかないことは。
だから、今度こそ掴んで見せる。自分のすべてを投げ捨ててでも。
さぁ、始めよう。
少女にとって、百回目の物語を――。