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6日目

つらい、、、苦しい、、

ぜぇぜぇと息を切らせて、僕は今皇居の周りを走っていた。

視界が徐々に暗くなってくる、これは酸欠というやつではないだろうか。

軽く命の危機を感じて、とうとう駆け足を止めて歩き始める。

「だらしない!!」

頭部の唐突な痛みとともに、怒鳴るように声をかけられる。

「ものを書くにはまず体力、どれだけ鈍ってるの」

今日は明日の打ち合わせに向けて少しでも新作の案を考えなければいけないはずなのに、どうしてこうなった。。


遡ること数時間前、

ドンドンドン!!!

ものすごいドアのノックとともに訪ねてきたのは、見た目が30歳くらいのショートカットの女性だ。もう少しお淑やかにしていれば、1度くらいは交際を申し込んでいたかもしれない。

「新作を書くそうだな。また2年前の二の舞になるんじゃないか?」

どうやらネットのニュースから聞きつけて、心配して駆けつけてくれたらしい。

こういうところは、素直に感謝したい、面倒見がいい人なのだ。

2年前というのは、もう少しで新作を発表できた時だ。いろいろと力になってくれて、最後まで厄介になってしまった。

「おまえはいつも周りに流される。無理をして何とかしようとして、何とかできてしまうところが、なお悪い。」

僕は一応同意して作品に取り組んでいること、親友が編集長として、とりあえずは気を使ってくれていることを伝えた。

「そうか。なら、走りにいくか!!」

まるで1年ぶりに遠距離恋愛の恋人に会ったかのような笑顔で、唐突に彼女はそう言った。


「もう無理です、これ以上走れません。」

「学生のころから君は変わらないな。変わらず情けない。」

そう、この人は僕が高校の時の文芸部の顧問で、物書きに関しては、まぁ師匠のようなものだ。そのせいか、こういう無茶ぶりに対しても従わなければいけないような気がしてしまい、逃げられない。

「師匠もいい年なんですし、そんなに走ったら体痛めます。甘いものでも食べて帰りましょう」

「ふーん、まだ余裕があるようじゃないか、綺麗なお姉さんが、マンツーマンで鍛えてやろう」

明らかに失言だったようで、そこからは競走馬のように走らされた。

鬼だ、鬼がいる。。この人いったい何歳だっけ。。

僕が高校のとき、XX歳だとしてもYY歳…

駄目だ、意識が。。。。


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