夏服でニーソ穿いてるJKを拾った
2021-06-27
安価・お題で短編小説を書こう!9
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>>891
使用お題→『カミソリ』『夏服でニーソ穿いてるJK』『佐賀』『ポケット』
【夏服でニーソ穿いてるJKを拾った】
夏服でニーソ穿いてるJKを拾った。
彼女は佐賀の方から来たと言っていた。言われると確かに、福岡とか、北九州とか、その辺りの女とは、少し雰囲気が違うように感じられた。
俺は彼女を部屋に入れた。彼女を部屋に入れた俺が最初にしたことは、彼女の服とニーソを脱がせて、それらを洗濯することだった。
洗濯機が音を立て、洗濯槽の中で服が回る。当たり前の光景だ。その回っているものが、JKの服とニーソでなければ。
風呂場からは水音が聞こえる。俺は洗面所で洗濯機を眺める。
しばらくの間そうしていたが、ふと洗面台の方に目をやると、そこにはいつも使っているカミソリが置かれていた。
洗面所の明かりを反射して鈍く光る、鉛色のカミソリ。朝になったら俺はひげを剃って、普段通りに出勤するのだろう。
俺は洗面所から移動しようとした。足を動かし、体の向きを変えて、しかし俺は、その場から動くことができなかった。
洗面台の刃物。無造作に置かれたそれが、俺の目には、やけに不吉なものとして映った。
赤黒い香りがした。
俺は、カミソリを手に取ると、戸棚の奥の、分かりにくいところに隠した。
*
風呂から上がった裸の彼女は、ただの若い女だった。俺は彼女の体を求めた。女は素直に応じた。
行為の最中、彼女が感じているかどうかは分からなかったが、翌朝、自分の体を確認すると、全身が傷だらけになっていた。
女はベッドの中で眠っていた。俺は、ひげを剃るのも億劫に感じて、彼女を部屋に残したまま、会社へと向かった。
*
会社に着くと、俺は、何もかも忘れて、仕事に没頭した。女が一人、俺の顔を見て、何かを言いたそうにしていたが、俺は気付かない振りをした。
その日、女が俺に話し掛けてくることはなかった。
仕事が終わると、俺は、二人分の夕食を買って、自分の部屋に戻った。
部屋に戻ると、JKは起きていて、下着姿で、暇そうにスマホをいじっていた。
俺は彼女に自分の服を貸した。そして、夕食を食べるように言った。女は素直に従った。
その夜も俺は彼女の体を求めた。朝になって、自分の体を確認すると、傷がひどくなっていた。
赤黒い香りが、俺の鼻を刺激した。俺は顔をしかめた。
女はベッドの中にいた。俺は、この日もひげを剃ることなく、会社へと向かった。
*
俺が仕事をしていると、昨日は話し掛けてこなかった女が、俺の後ろに立った。
「今日、部屋に行ってもいい?」と女が言った。俺は、駄目だと言った。親戚が来ていると。
女はいぶかって「何か私に隠してることある?」と聞いてきたが、そこまでだった。
仕事を終えて、俺は会社を出た。女は何も言ってこなかった。
帰り掛け、俺は、たまには何か作るかと思って、食材を買い込んだ。
部屋に戻ると、JKはTシャツを着て、暇そうにテレビを見ていた。俺は台所に立った。
包丁で肉を切っていると、JKが俺の横に並んだ。彼女は、何か手伝おうか、と言ってきた。
赤黒い香りが、台所に広がった。俺は彼女に、何もしないで待っているように伝えた。女はテレビの前へと戻っていった。
*
夕食を終えて、入浴も済ませた俺たちは、ベッドで横になっていた。
JKの夏服とニーソは、とっくの昔に乾いていたが、それらは部屋の隅につるされたままだった。
俺は彼女に、夏服を着てニーソを穿くように言った。女はその通りにした。
それから俺は彼女の体を求めた。折角洗った夏服もニーソも、俺たちの汗やら何やらで、すっかり汚れてしまった。
俺は彼女の服もニーソも脱がせて、ひとまず洗濯機に放り込んでおいた。
*
翌朝、まるで日課のように、俺は自分の体を確認した。俺の目に映ったそれは、赤黒い何かに覆われて、元の姿がどうだったのか、傍目にはさっぱり分からなくなっていた。
玄関の呼び鈴が鳴って、続けてドアがノックされた。
俺がドアを開けると、そこにはスーツを着た男女が、何人も立っていた。
JKは、ベッドに腰掛けて、こちらを見ていた。
俺がドアのチェーンを外して彼らを部屋に通すと、彼らが最初にしたことは、彼女を取り囲んで、服を着せることだった。
彼らは彼女を立たせると、そのまま部屋の外へと連れ出して、それで終わりだった。
ポケットの中の刃物のように、彼女を隠しておけたなら。
俺一人になった部屋の中で、その時、俺はふと、戸棚に隠したカミソリのことを思い出した。俺は洗面所へと向かった。
そこに手を伸ばしたところで、しかし俺は、それ以上動くことができなかった。
俺は手を引っ込めると、戸棚から離れて、代わりに洗濯機へと向かった。その中に残された、彼女の夏服とニーソを取り出して。
それは彼女か、俺自身か、はたまた他の誰かのものか、分からなかったが。
赤黒い香りが広がった。
俺は女の影を見た。遠い国から来た女。
その彼女が連れてきた、むせ返るような、初夏の空気。その中に。
俺は横たわって。
身を浸した。
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