第三章 お付き合いの始まり
卓也からその後、毎夜、決まった時間にメールが来た。
挨拶程度の携帯メールではなく
PCへまるで手紙のような長~いメールだった。
こんなに毎日話題がよくも尽きないな~と感心した。
子供の頃の話だったり、若いころのことだったり
読んだ本や映画のこと
社会で起きていること
卓也の仕事のことや、今現在のことも沢山書いてくれた
感じたこと思ったことなど
卓也らしい優しい目線で書いてくれた。
私はそのメールを読むのが大好きだった。
真面目なメールなのに可笑しくて
大笑いを何度もした。
卓也は私のことが、好きなんだってすぐに確信できた。
私は好意を持たれたことが嬉しかった。
でも、嬉しいとは表現できず皮肉な言い方で返したり、
茶化したりしていた。
卓也は男女の関係を匂わすようなことは
書いてこなかった。
ちょっと品があるなと思った。
長いメールくれたりランチに誘ってくれたり
消極的な人ではないと思った。
いつまでも丁寧な言葉で話しかけてくる。
大切にされていたのだと思うけど。
私はそんな清楚な女ではないから
ちょっと居心地が良くなかった。
私の本性を知ったら
卓也は驚くだろうなと少し心配になった。
他の男のように、もっと直接的でもいいのにと思ったけど
これが卓也なんだって思った。
ランチは、すご~く楽しかった。
私は気分障害が寛解したのかと思った。
卓也とは男女関係には
ならないのかもな~と思った。