第十三章 久美の告白
ママ友の久美とはいつの間にか
悩みを共有できる関係になっていた。
娘同士が仲が良かったのも久美と親しくなれた一因だった。
その日、久美はいつもと様子が違っていた。
メチャクチャでお茶目な久美の表情はなかった。
小さな声で話し始めた。
私もいつも100%元気ってわけじゃないよ。
旦那は若い女と浮気したんだよ。
それで今は別居しているけど、別れるつもりはない。
娘も旦那になついているからね。
私は気持としては浮気なんて、とっくに許してるんだよ。
その若い女ともすぐに別れたしね。
もともとお互い遊びだったんだろうし。
旦那は私のことを好きなんだってわかるし。
すごい反省してるし。
浮気なんて誰でもバレないように、ちょっとはするよ。
若い時に勢いで結婚して、それ以降は一生、他の異性と
付き合っちゃダメ。
その方がおかしいってのは理解できるから。
私も頭では理解していたけど
旦那の浮気を知って感情的に爆発してしまった。
旦那への仕返しに浮気をちょっとしてみたよ。
久しぶりに新しい男に抱かれたのは新鮮だった。
でも、浮気が楽しいみたいに麗子ママに言ったのは大ウソ。
麗子ママを驚かせようと話を何倍にも盛って話した。
セックスしてるときは、自分を偽って
最高みたいに思い込もうとしたけど無理だったね。
好きでもない社内の男と寝たんだからね。
一夜限りの男の方が、まだマシだったかも。
麗子ママの卓也さんの話を聞いて羨ましかった。
ちょっと茶化したけどね。ごめんね。
3年も経っているのに、その男を今も想っているんだよね。
その男のために自分を悪者にして別れたんだよね。
いい男に出逢ったんだね。
私の付き合った男達は早く忘れたい黒歴史だしな~。
自分が薄汚い女に見えてくる。
まあ、今からでも遅くないと思って
浮気相手の男とは別れることにしたよ。
素直になって、旦那とも別居は辞めようと思う。
やり直そうかな~って。
麗子ママは、すごい美人だよね。
保育園のママ仲間でも有名だったよ。
女優かモデルかって感じでさ。
でも、いつもどこか憂いがあったのが、私は気になった。
他のママとつるんだリしないし孤高の人って感じ。
不思議な魅力を感じてたんだ。
気分障害の話をしてくれたよね。
実は、私も若い時に気分障害だったんだよ。
今は、よくなっているけどね。
麗子ママは、きっと苦労してるんだな~と思って
その話は一切触れないようにした。
だって、私のような部外者が立ち入るような話じゃないからね。
麗子ママと話すのは楽しかった。
美人なのに、私の下ネタにも素直に反応してくれた。
上品なのに気取りがないな~って。
麗子ママが好きだったよ。
久美ママは、ずいぶんと良く言ってくれるね。
私も若い時は、男がたくさんいて黒歴史ばかりの悪い女。
上品でもないよ。下ネタ大好きだしさ。
久美ママの話は面白くていつも元気がでたよ。
卓也さんのことは、私が彼に依存していたんだと思う。
いつまでも未練がましいのは、ダメな女の典型。
なるべく忘れるよ。時間が解決してくれると思う。
久美ママは気分を切り替えて新しい一歩を踏み出そうとしている。
久美ママはいい女だと思うよ。
久美ママは晴れやかな表情で少し微笑んだ。




