異世界転移?
2話目投稿です。どうぞご覧ください。
一ねえ、何なのその目は?一
黒い影が軽蔑したような目で僕を見てくる。それも一つじゃない。同じような影がいくつもあり、その全てが僕に同じ視線を投げ掛けてくる。
一僕に何か恨みでもあるの?一
そしたら、影の全てが僕に襲いかかってきて、僕を殴ったり蹴ったりしてくる。
一や、止めてよ!何するの!?一
そんなことを言っても止まらない。しかも影は笑い始めた。何がそんなにおかしいんのさ。こっちは痛いのに。
一苦しい。助けて。一
そう言っても誰も助けてくれない。あるのは暴力だけ。
一ああ、そうか。僕は1人なんだー
それが分かった瞬間、視界が滲んできて、黒くなっていく感触がした。
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「...ん?」
俺はふと目が覚める。その時俺の視界に入ったのは、木の壁、嫌、天井だった。そして、今俺はベッドの上におり、周りは見たことのない部屋だ。
少なくとも学校の保健室や病院ではないようだ。壁や天井は木で出来ており、何処かの小屋の印象を受ける。何処なんだここは?
「ここは、何処だ?」
「ああ!目が覚めたようですね!良かった!」
俺が自分の状況を理解しようとした時、奥のドアからガチャリと音が聞こえ、視線を向けると、見たことの無い茶髪の女性がいた。
「気絶していたみたいですから心配しましたが、無事でよかったです。」
「あ、貴方は?」
俺は少し警戒して女性に話しかける。保健室や病院でも無い場所、知らない人間が相手なら普通は警戒する。
優しそうに見えるが、人というのは見かけによらないから、どうしても身構えてしまうものだ。...少し敏感かもしれないが、身を守るためにはそれくらいする必要がある。
「ああ、申し遅れました。私はギルド職員の受付嬢のサラと申します。」
サラと名乗った女性はお辞儀をしてくる。ギルド職員だって?ギルドってのはゲームやラノベ限定の話だろ?現実で存在するものではない。
「あの、冗談は止めて頂けます?」
俺は本気で彼女の言葉を否定した。しかし彼女からの返答はこうだった。
「?別に冗談なんて言っていませんが?」
否定の言葉を否定する言葉だった。
「...え?」
本気で言っているのか?それじゃあ...。嫌、そんことありえないだろ...。
「そ、外の景色を見せて頂けますか?」
「構いませんよ?」
俺はベッドの頭の方にある窓のカーテンを開ける。するとそこには...。
中世ヨーロッパのような景色が広がっており、とてもじゃないが、日本でみられる景色とは思えなかった。
「...嘘だろ?」
まさかとは思うし信じがたいが、俺は恐らく異世界に来たらしい。
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