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第7話 隠された力と唯一の力。

すいません、章始めまで追記します。

読んで頂きありがとうございます。


 魔族の頭目、憤怒のマルスの消滅により残りの魔族の統率が崩壊した。


 「勇者様の後に続け!」

 「負傷した市民を助けるんだ!」

 「急げ! まだ助かる命があるはずだ!」


 あれ程恐れ逃げ惑っていた市民は協力しあって魔族に対抗していた。


 「……どうゆうことだ、みんな逃げ回ってたのが嘘の様に」

 「それは勇者様のおかげです」

 「私のお陰?」

 「勇者様の隠せされた力の一つです」

 「なんだそれは」

 「奮起する魂(ブレイブハート)です」

 「ブレイブハート……」


 勇者は元々一人で戦う職業じゃなかった、一人なら狂戦士で良い。


 「皆の心に立ち上がる勇気を与える力ですよ、これがあるから僕たちは魔族という強大な力に立ち向かえる」

 「知らなかった……」

 「知らなくて当然です、隠された能力ですから」

 「……君はなんでも知ってるんだな」


 思わず呆れてしまった、この小さな子はどれだけこの世界を、あの小さな部屋で知ったというのだろうと。


 「大賢者は凄いな……」

 「そうなんですよ、凄いんです!」


 そう胸を張って自慢げにいるアレクを見て、こうゆうところは子供なんだなと苦笑した。


 「凄いじゃない! 坊やも! 勇者様も!」


 突然後ろから二人を思いっきり叩いた少女がいた。


 「あっ……」


 思わず勇者は声を漏らした。少女は気にする様子もなく謝罪をする。


 「勇者様、いろいろ馬鹿にしたり酷い事言ってごめんなさい。貴方は英雄だわ」

 「う、うん」

 「あれ? やっぱり怒ってる? 封印術のことは誰にも言わないわ! 約束する!」

 「あ、いや。そうゆう事じゃなくてね」

 「……どうしたの?」


 少女は知らなかった、大賢者はHP1だということを。


 「君が叩いたから」

 「……叩いたから?」

 「大賢者が死んだ」

 「……はぁ?」


 勇者の説明を聞いて少女はもう片方の手に感触が無い事に気が付いた。


 「は?」


 いつの間にか消えている少年を見て少女は間抜けな声しか出なかった。




 ヘルザの教会にて。


 「あはははっ! HP1って何それ!」

 「ぷぅ、僕この人嫌いです!」

 「ごめんごめん、いやだって大賢者なのに! ププッ」

 「全然反省してない! やっぱ大っ嫌い!」


 少女とアレクは喧嘩していた。


 「まぁまぁ二人とも落ち着いて、ここ教会だからぁ、静かに」


 神聖な場所で大声を上げて喧嘩をする二人と勇者に神官たちの目は半眼だった。


 「ごめんってアレク、ね? 許して?」

 「むぅ、仕方ないですね」

 「ほんと? ありがとう大好き!」


 そう言うとアレクは少女が初めて会った時と同じ様に口角を上げて難題を突き出した。


 「(ニヤッ)……じゃあ僕の願いを聞いてくれたら許してあげる」

 「え、何?」

 「お姉さん、僕たちと一緒に。勇者の仲間になってくれない?」

 「え”?!」


 その願いは唐突で勇者のラインハルトも思わず反論した。


 「何言ってるんだアレク?! それは流石に意地悪な頼みだ!」

 「そうよ! 第一私の能力は『糸使い』よ! 戦闘向けじゃ無いって言ったじゃない!」


 「お姉さんは自分の能力のこと、どれだけ凄いか分かってないんだね」

 「どうゆうこと?」


 アレクは勇者と少女に向き合って話を始めた。


 「職業ってさ普通は「服屋」とか「漁師」とかでしょ?」

 「そう言えばそうだな」


 「別に適性があるだけで「服屋」が「漁師」になっても問題ない、要するに神が示すアドバイスなんだ」

 「まぁ、そうね」


 「こう言う職業を『スキル(技能)』と呼んでいるわけだけど、その中でも「領主」とか「大隊長」などの希少な職業を『レアスキル(希少技能)』と呼んでいる」


 アレクの話はここからが未知の話だった。


 「僕と勇者様のスキルは『レジェンドスキル(伝説的な技能)』と呼ばれているんだ。で、問題の君の『糸使い』は『ユニークスキル(唯一の技能)』というものなんだ」


 「ユニークスキル……」


 「そう、この世に一つしか無い。特別なスキル」


 一呼吸置いてアレクは話す。


 「君のスキルを僕は知ってる、700年前にあったスキルだ。 最低なスキルとしてね」

 「え………」


 蘇生の間に沈黙が降りた。


 「最低なスキル……」

 「700年前のそのスキルの所有者は大罪を犯した、でも君の力を僕は知ってる。その力は勇者の、ひいては僕を守る力になる」


 それは大賢者ゆえの説得力だろうか、その双眸には一体どんな未来を見ているのだろう。


 「君の力が欲しい、一緒に魔王を倒そう」


 そう大賢者は囁くのだった。


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