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第19話 怠惰の使徒「ラドン」。

サブタイトルを変更しました、中々しっくりしたタイトルが付けれない。


本当にセンスのあるタイトルつけれる作者が羨ましいです、愚痴はここまでにして失礼いたします。


あらすじも続きを読むが出ない様に調整致しました、ただ長いのはダメみたいです。

 「ちゃんと考えて来ました!」


 大賢者は胸を張って答える。


「アレクどうするんだ?」

「メテオストームを放ちます」

「何だそれ?」

「僕の考えた最強の魔法です!」


 メテオストームはアレク自身が考えたオリジナル魔法だった、土台としてフレイムランスが有り、「捻れ」を付与。

 フレイムランスの炎とガイアストームという下から土の棘を突き出す土魔法を混合させていた。


「アレクは本当に常識を知らないな‥‥」

「えへへ〜すごいでしょ!」


 両手に魔力を集中させる、膨大な魔法を行使する際、マナを錬成する為の時間がどうしても必要だった。

 アレクでさえ長い錬成時間を要する様な魔法とは、もう魔法という概念を超えた只の超自然災害である。


「行きますよ! 皆さん離れていてください!」


 長い錬成時間を超えてあえて分かりやすいように叫ぶ。


 『メテオストーム!』


 言葉を発した瞬間ドドドと地面の中から不気味な音がする、下から湧き出てくる力が徐々に大きくなっていく。

 遂には大きな地震の揺れとなり地面が左右上下に激しく動き出す。


「アレク、これはもう魔法の範疇じゃないだろ……」

「んふふ〜」


 ゴッ! と言う大地の破壊音を掻き鳴らせ、メテオストームの禍々しい隆起した槍が周辺に現れた。

 いや槍なんて可愛い表現だった、もう神の槌が下から複数突き上げている状態だ。


「……私は大賢者さんに逆らわなくて正解だった」

「サラに同意するわ」

「何て禍々しい、地獄から邪神の腕が突き出されているみたいですわ」


 魔法は確実に怠惰の使徒ラドンに命中した、10秒くらい遅れて反応がある。


「………んだ? 背中が痛ってえどぉ」


 ドシンと身体を揺らして上体をあげようとする、これにはラインハルトも驚いた。


「あいつ、今の攻撃されて無事なのか?」

「みたいですね、頑丈な身体していると書かれてましたが、ここまで強固な防御力を誇っているとは予想外です」


 ギョロリと顔をこちらに向ける、全員が声を失った。

 ラドンの顔はどう考えても人間には不可能だった、厚ぼったい唇に顔の大半を占める巨大な口。

 対照的に小さな鼻に人間ならば二つの瞳がついている場所に瞳が一つしか無い。


 異形の怪物、怠惰の使徒「ラドン」が目覚めた。


「お〜ま〜えかぁ? このおでの眠りを妨げた奴はぁ〜」


 間抜けでゆっくりとした口調で話し出す怠惰、単なる声ですら立っていられない程の風速がかかる。


「ちびっ子、許さんどぉ〜!」


 地団駄を踏んでギョロっと大賢者の方を向く。怒りの声を出すと同じ様に口からインパクトが放たれる。

 勇者におんぶされていたアレクは反応が出来ない、怠惰と言うには余りにも早い衝撃。ラインハルトも不意を突かれてインパクトが横を通り過ぎる、防ぎようも無い攻撃を見逃してしまう。

 最悪の攻撃だった、不可視にして不可避の攻撃は勇者が反応出来る領域を超えていた。故に結果が伴う。


「……え? アレク?」


 急に背中の重みが解放された、その意味を呆けるように後ろを振り向くラインハルト。

 走馬灯の様にゆっくりとして見えた先には、アレクがインパクトによって引き剥がされて消えていく姿だった。


「おい、嘘だろ!」


 アレクのメテオストームを持ってしてやっとダメージを与えられる程の相手、その術者が消える?

 信じたくない光景に、勇者は頭がパニックになる。 怪物の目がこちらを向く。


「お前たじも仲間だなぁ〜? 許さんどぉ〜!」


 全員に向けてインパクトが放たれる、風魔法で立てない程の強風から動きを阻害された上での衝撃。

 アレクの言っていた相性抜群が理解できた、防御に回るのがやっとだ。


「みんな! 私の近くに!」


 声を張り上げて、みんなを呼ぶ。 勇者はバリアを展開させ直ぐさま分散を付与した。


「ハルト! アレクが消えちゃった!」

「どうするんだ勇者さん!」

「……不味いですわ、お相手さん話を聞いてくれない程激怒しています」


 かつてない危機的状況に、みんなが不安を吐露する。 ここに来てアレクがいると言う安心感に皆助けられていたことを知る。

 勇者は大賢者の様に足りない頭で必死に考える。


「どうするんだ、どうすれば良い!」


 はやる心を必死に抑えて落ち着かせる、大賢者がいない緊急事態。 乗り切るためには知恵がいる。


「ハルト! 私あの化け物の視界を塞ぐわ!」

 ラインハルトが考えているのを横で見ていたユリアは機転を利かせて糸で壁を作る。


「アレクと最初に会った時に使った子供騙しだけど! これで時間は少しは稼げるはず!」

 いきなり視界が防がれて戸惑う怠惰。


「あでぇ? 何処行ったど?」

 ノータリンなラドンは子供騙しの壁に騙されてしまう、だが。


「怒ったど! 絶対に許さないど!」

 フンスーと鼻息荒く吐き出した風が糸の壁をたやすく吹き飛ばした。


「あで? そこにいたど?」


 僅かな時間しか時を稼ぐことが出来ない。

 だか今の糸の壁から勇者は一つ単純な作戦を思いつく。


「ユリア! もう一度糸の壁を頼む! 今度はラドンの目を覆う様に!」

「え? いいわ分かったわやってみる!」


 もう一度ユリアの糸の壁がラドンの顔を覆った。


「なんだ〜、前が見えないど〜」

 視界を塞がれてもがく怠惰、少しのチャンスを生む。


「サラは私に音消しを付与! ティアラ姫はラドンの心境を口頭で教えてくれ!」

 ラインハルトは叫びながら突撃する、聖剣イフタフを抱えて光魔法の展開をかける。


「イフタフ! 力を貸してくれ!」

「よぉ相棒! いつでもいいぜ!」


 気さくに声を掛けるのは勇者の緊張をほぐすジョークなのだろうか。

 騎士団一番隊長を張っていた人類最強の男の剣が襲いかかる。


「バリアを……剣に!」

「……ほぅ、お前さん能力の使い方を理解したらしいな」

「いや、できるか賭けだった」

「ははっまぐれか! 運が良い!」


 剣にバリアを展開する、直感で出来ると感覚がそう教えてくれた。 流石は聖剣の持ち主と言うべきだろう。

 聖剣は光魔法の触媒、つまりは光魔法に収まる7つの能力の触媒としても機能していた。

 勇者の踏み込みする音はまるで聞こえない、ラドンはどこからいつ攻撃が来るか分からない。


「どこだ? この糸邪魔だど!」


 風魔法の発動で糸の壁が取り払われる、勇者はティアラ姫を見る。


「ミュラー様! 怠惰の心はまだ貴方に気付いていません」


 ティアラ姫からそう声が掛かる、ラドンからしたら完全死角エリアからの侵入。

 不意を突けば一太刀与えられると祈る。


「いっけぇええええ!!」


 全体重を乗せてラドンの腹目掛けて突進するラインハルト。

 しかし、ラドンの防御力は世界が違っていた。


 ゴン。 鈍い音を鳴らしてラドンの腹の前で剣が止まる。


「んぁ? なんだど? 虫かど?」


 目隠しされたラドンは振り払う様に勇者を退け払う。


「これで傷一つつかないだと!? ………ぶっ、う”」


 驚愕して立ち止まるラインハルトにラドンの退け払いが当たる、坑道の壁に強烈に叩き付けられる羽目になる勇者。


「ハルト!」「勇者さん!」「ミュラー様!」


 三人もその姿を見て近付いて来る、思わず声を張り上げた。


「来ちゃダメだ!」


 だがその声は虚しく届かなかった。


「お前たじ、うっとおしいど! インパクト!【衝撃】」


 勇者に駆け付ける三人の横っ腹目掛けて能力が浴びせられる。

 ダンプカーに轢かれる様に、三人は目にも見えない速度で壁に叩きつけられた。


「ユリア! サラ! セドナ!」


 ラインハルトの声も虚しく、三人は光の粒子となって消えて行ってしまった。


「そんな……3人共! 冗談はやめてくれよ!」


 凄惨な心からの叫び声は化け物以外には届かない。


「んふ、これであと一人だど」


 ニヤついた顔が、悔しかった。 ぶん殴りたかった。


「あいつに……あいつに届く力が欲しい!」


 あの土手っ腹を貫く最強の矛が欲しかった。


「イフタフ! 聖剣なんだろ! 最強の剣なんだろ!」


 縋った、みっともなくも剣に縋り付いた。


「おい相棒、おいらは単なる剣さそこを履き違えるな」

「どうにも出来ないのか?」

「履き違えるなと言っている、お前の……勇者の力を信じろ!』

「俺の力?」

「そうだ、進化しろ次のステップへ」


 そう言うと聖剣は眩く輝きだす。


「んだ! 目が眩しいど!」


 堪らず目を隠す怠惰、その光の中で勇者が居た。


「次のステップ……」

「お前にはその資格がある、認めてやるよ力の解放を」

「なんだそれは」

「お前は二つの能力を手に入れた、実はもう次のレベルに移行できた」

「なんの話だよ?」

「光魔法さ」


 イフタフは能力の使い方を全く知らない勇者に敢えて知らせては居なかった。


「お前は光魔法の使い方を知った、もう次の魔法もうまく使い熟す」

「それは怠惰を倒す武器になるのか?」

「へへっ、いつも言ってるだろう? お前次第さ」

「良いだろう、教えてくれ新たな魔法を」


 剣を通して魔法の情報が流れ込んで来る、覚醒する光魔法の力。

 時間にして一瞬だろう、光が止んだ先には自身に満ち溢れた勇者の姿があった。


「お前次第だって? 冗談はきつい、この力反則じゃないか」

「おいらは何も知らんぜ?」


 減らず口が少なくならない聖剣を片手に勇者は怠惰と向かい合う。


「覚悟しろよ怠惰、私はもう腰抜けでは無い」


 ラインハルトは剣先の照準をラドンに向けた。

読んで下さりありがとうございます、割烹に記載しましたが早ければ1週間後に更新が停止します。


最後のラストスパートで矛盾点が発生しないかの精査と折角ここまで書いた作品を綺麗にまとめたい為です、心苦しいのですが停止後1週間ほどの創作時間を設けたいと思います。

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