はじまり。
重要人物(?)登場します!
始業式。
私は奇跡的に今年も特進クラスに入ることが出来た。喜ぶところなのだろうか。正直、あまり嬉しくない。平均点が高いから、その分私の頭の悪さが浮き彫りになってしまう。ビリになるのもこのままでは時間の問題だ。
…やばいな……。
勉強しよう…。今年がきっと最後のチャンスになる。今年で持ち直せればきっと来年の受験は大丈夫だろう。今年持ち直すことが出来なければ……
やるしかない。
「あーんこ!」
「何ぼーっとしてんの??」
「ゆっちゃん…」
ゆっちゃんは1年のクラスで1番仲が良かった私の友達。今年からはクラスは別々だ。あたしは理系クラスで、ゆっちゃんは文系クラスだから。
「あたし新しいクラスでぼっちになりそうだよ…。」
「あんこ仲いいこ文系ばっかだもんね〜。
だいじょぶだよきっと!会いに行くし!!」
「うーん…。」
「じゃあ、もう行かなきゃ。
あんこも新しいクラス移動しんと!ばいばい!! 」
「ばいばーい…。」
うちの学校では新しいクラスが、張り出されたりしない。個人個人に配られる紙に新しいクラスが書いてあって、それを見て新しい教室へと移動し、そこで初めて、新しいクラスに誰がいるのかが分かる。
「2の7…ここか…。」
知ってる顔が結構いる。よかった…。
ほっとした。しかし、
「ぅ…あの人も7組なのか…。」
しまった。すっかり普通クラスに落ちるつもりでいたから、あやつのことを考えていなかった。
そっか、今年も、同じクラスなんだ。
急に強い風が吹いて、カーテンから桜の花びらと太陽の光が差しこんだ。あの人がこっちを向いた気がしたけど、逆光でよく見えなかった。
«ピコン»
ゆっちゃんからメッセージだ
『今日ご飯一緒に食べよ!!』
よっしゃ。
「クラス誰がいた??」
「うーんとねーまりちゃんとかゆなちゃんとか、
ひろみちゃんとか、とかかな。」
「いーなーそっちは…。」
「あんこは?誰がいた??」
「んー…」
「…もっちがいた。」
「もっち……?
…あー! 颯汰くんね、そっか…。」
「うん。」
「今日部活あるの??」
「今日はない。明日朝練あるけどぉー…」
「そっか。吹部大変ね。」
「うん。」
ベットに飛び込む。長い一日だった…校長先生の話も長かったし…。
「はぁー…」
あの人、なんて思ってるかな。
なんか思ってるかな。
私は、なんて思ってんのかな。
もっちとは一体何者なんだ…
次回!