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人人人皿毒  作者: 禍影
4日目-2

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「おい止まれ馬鹿!」

 背後から南方の焦った声が聞こえてくる。

 まあ止めたくなる気持ちもわかる。俺から安楽音までの距離はそこそこあり、こっちが殴るよりも安楽音が言葉を発する方が確実に早い。

 それは安楽音も間違いなく理解している。だから護衛の一人もつけず堂々と俺たちの前に姿を晒しているのだろう。

 だが、俺も無策なわけじゃない。

 そこそこの数の『毒草』と触れ合い、俺はシンプルにして最強の攻略法を思いついていた。

「おら!」

 握り締めていた拳から、直径約十センチの角ばった石を投擲する。

 一部例外はいるものの、『毒草』に共通した弱点。一つはフィジカル。もう一つは効果範囲だ。

 マリアは例外として、他の『毒草』は声の届く範囲でなければ一般人とそう変わらない。ただ少し様子がおかしいだけの奴に過ぎない。

 となれば攻略法は簡単。

 遠距離攻撃だ。

 毒の届かない範囲、もしくは今みたいに相手が油断しており、こちらの遠距離攻撃の方が早く決まるタイミング。

 不意打ちされた場合は別だが、そうでないならこの方法で十割勝てる。

 投擲された石は狙い通り安楽音の顔面にぶち当たり、真っ赤な血が飛び散る。

 俺は崩れ落ちる安楽音の体に馬乗りになると、すかさず口の中に手を突っ込んだ。

 これでもう声は出せない。つまり毒をまき散らすこともできない。

 勝利を確信した俺は、取り敢えずこれまでの恨みを晴らそうと、彼女の腹に向けて思い切り拳を振り下ろす――が、伝わってきたのは、普段得られる快感とは真逆の、鈍い痛みだった。




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