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人人人皿毒  作者: 禍影
1日目

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6

「……それで、いつまでお前はそうしてるつもりなんだよ」

「あなたが質問に答えてくれるまでです」

 呆然と立ち尽くすこと約五分。

 その間も飽きることなく袖を引っ張ってくる少女に耐え兼ね、俺はため息とともにそう尋ねた。

「はあ、そうだよ。気味の悪い奴ってのはお前のことだ。だからいい加減袖を引っ張んのをやめろ」

「はい」

 ぱっと、惜しむ様子を一切見せず、掴んでいた手を放す。

 俺は再度深いため息をつく。ようやく悪夢のような質問サイクルから解放された。

「それで、どこら辺が気味悪いんですか?」

「まだ質問続くのかよ!」

 こらえきれず、猛烈なツッコミを入れる俺。本当に、ここに来てから調子が狂いっぱなしだ。

 また質問サイクルが始まらないよう、さっさと話題を変えにかかる。明らかにどこか狂っているとはいえ、全く話が通じないわけではないのだ。

「お前って、いつからここにいるんだ。俺としてはさっさと家に帰りてえんだけど、少しはここでの実験とやらを終えるヒントとか知らないのか?」

「はあ、私は確か三年位前からここにいますけど。実験を終えるヒントはさっぱり分かりません。終わらせようと思ったこともありませんし」

「三年って、マジかよ……」

 どんなに頑張っても数日でここから出るのは無理そうだ。一旦考えをまとめて、じっくりと策を練る必要がある。そのためにもまずは――

「他の住人にも挨拶しに行きますか?」

 俺の考えを読んだかのように、うつろな少女が提案する。

 俺は小さく頷いてから、久しぶりに少女の顔を直視した。

「ところで、お前の名前って何なんだ。因みに俺は津山睦雄だ」

「睦雄さん……。私の名前はムクロです。なんとなく、似た名前ですね」

「いや、似てねぇよ」


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