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「……そろそろ動くか。いつまでもボケっとしてても始まらないしな」
予想外の事件からようやく気を持ち直した俺は、部屋を出てだだっ広い大広間(?)へと舞い戻った。
周りを見渡し自分がどこにいるのか確認しようとする。が、背景は白一色であり、ここがどこだかさっぱり分からない。何とか知っているのものを見つけようと視線をあちこちに飛ばすが、記憶にないものばかりが目に入る。思えば道案内を完全にムクロに任せていたため、その途上に何が置かれているのかなど全く気にしていなかった。
早くもムクロ喪失の痛手を思い知る。
散々気味が悪いとか何考えてるか分からないと貶しておきながらも、どれだけムクロに頼りっきりだったのか。改めて言うまでもなく、目が覚めた時常にムクロがそばにいたのは俺の身を案じていたからだろう。にも関わらずあいつの顔を見て気分が最悪だなどとのたまっていた俺はまさに人間屑。
まあしかし、あいつにも責任の大部分はあるから――主に死人のようにうつろな目とか、内臓飛び出した兎を持っているところとか――、次会った時に一度謝れば十分チャラになるだろう。
俺はすぐに気分を改め、これから何をすべきかを考え始めた。




