第一話「二度目」
趣味で投稿しているだけなので、良かったら気軽に読んでみて下さい。
「新聞の見出しはほとんどが[人類、ついにゲルノスに初勝利]なのに、何故かピリフノ新聞だけは、[人類、ゲルノスに二度目の勝利]なんだよな。人類がゲルノスに勝ったのは初めてのはずなのに。」
「まぁ確かにそうだが、そんな細かい事は別にいいじゃないか。ピルフ。初勝利より二度目と報道してくれた方が、軍の定評は上がるし。」
「でも…。」
「嘘は付けない。ってか。お前が嘘を付けない性格だって事は知ってる。」
「全てお見通しってワケか。ガンドル。」
そう話している2人のもとに、兵士が1人駆け込んできた。
「ピルフ様、ガンドル様!」
「どうした?」
ピルフが少し焦ったような顔でそう聞くと、兵士は、
「パブカ総統がお呼びです。軍事会議を行なうとのこと。すぐに会議室に来てくたさい。」
「分かった。行くぞガンドル。」
「了解。」
そうして2人は会議室へとむかった。
~パラミルワス軍事基地本部会議室~
「失礼致します。」
「やっと来たか。」
2人は総統のその言葉を聞くや否や顔を真剣にし、「申し訳ございません!」と謝罪した。それに対し総統は、
「別にいい。今私は上機嫌だからな。で、全員揃ったな。じゃ、始めるぞ。知っての通り、3年前、謎の生命体「ゲルノス」が人類への攻撃を始めた。それから人類は3年間領土を奪われ続けた。今ではヨーロッパを中心とした21ヶ国がゲルノスの支配下にある。しかし!先日の戦争で人類はゲルノスに対し初勝利を治めた。そして、奪われた21ヶ国の内、イギリスを取り戻した。」
それを聞いていたピルフが困ったような顔で質問した。
「つまり、何を言いたいのでしょうか?」
「そんなの簡単な事だ。つまり、今回の勝利の理由を最大限利用して、そのままゲルノスを絶滅させるのだ。」
「その理由とは?」
「それは空軍統監キュビリッツ、説明しろ。」
「了解しました。ゲルノスは元はスライムのようなドロッとした生物。もちろんその状態では戦力にすらなりません。しかし、そんな奴の一番の特長は、様々な兵器をコピーし、それになる事が出来るという事。これが、人類が3年間負け続けた理由です。我々の科学では到底証明できませんが、数々の兵士が目撃している事から、事実である事は間違い無いでしょう。ここまでは知っているでしょう。」
「ええ、知っています。軍隊に入る前に習いますから。ですよねガンドル。」
「ああ、その通りだ。」
ガンドルは少し不機嫌そうな顔でそう言った。口調も少し強い。しかし、そんな事は気にせず、キュビリッツは話を再開した。
「そして、我々が勝利を治めた理由として、ゲルノスは大気がないと生きていけないと言う事が分かった事にあります。大気がないと生きていけないのなら、宇宙から攻撃を仕掛ければいいのではないかと考えた我々は、宇宙兵器[パルノワ]を打ち上げ、それを使いゲルノスに攻撃したところ、あっという間に殲滅したのです。」
キュビリッツがそう話すと、今まで不機嫌そうだったガンドルが急に反応した。
「という事は、それを大量生産してゲルノスを攻撃すれば、俺たちの念願のゲルノス絶滅の日が近くなると言う事だな!」
それに対しキュビリッツは嬉しそうな顔で、
「その通りだ。」
と、答えた。すると、1人の兵士が慌てて会議室へと入ってきた。入ってきた兵士に対し、総統は「大事な会議の最中だそ。」と注意した。そう言われた兵士は「申し訳ございません!」と謝罪して、その次こう言った。
「本部から南西に25キロ先に、謎の飛行物体あり!」
読んでいただき、ありがとうございました。
今後ともこの科学をよろしくお願い致します。