21.転機
~転機~
翌日早朝、お花摘みのついでに野草採集へ向かう。
目的はタラの木、の葉っぱだ。
タラの木とは高さはあまり大きくならない。
葉は手のひら大の大きさになり、誰でも取れる。
町でも、灌木がわりによく植えられてるのだ。
この葉っぱ、そんな特殊能力がある訳でもない。
食べられないし(いあ、毒はないとは思うが一般に食用ではない)。
が、とても重要な使い道がある。
この葉っぱ、傷をつけるとその部分が変色する。
字を書くと、書いた字の通り変色する。
そして、葉っぱはそれなりに保存がきく。
つまり、無料のノートなんだな~。
前にも書いたが、文具が乏しい(ものすごく高価)なので、非常に重宝するんだわ、実際。
書くことは勉強にも必要だし、記録にも必要。
オレの日記反則技だしねー。
このことを教えてくれたのは、2人目の子供、5歳の女の子スイカイ。
こうしてお絵かきするんだよ~って言ってくれたんだが、そらもうものすごく嬉しかった。
こうしてノート代わりにしてるんだが、もう一つ、一番の驚きがこの後に待っていたのである、うむ。
朝の授業、その中で算数を熱心に考えている寡黙な女の子がいる。
名前はモチス、8歳。
そりゃもう、眉間に皺よせるくらいにね。
ウンウンいってるから
難しいかなっと思って覗き込むと、問題は全然ない。
それどころか、理解は思いっ切り早い、キンコンカンよりもね。
はて?と考えたが、思い当たらず。
とりあえず、授業はそのまま続けた。
このモチス、いきなり光を放ったのよ、ホント。
いあいあ、どこぞのヒーローではないぞ、比喩ってやつだ。
それは、午後からの畑作業の時だった。
畑増やすのに、面積や増やし方をどうすればいいかな~。
厳密に言えば、どう伝えるか(管理上でね)と悩んでた訳だ。
そのとき、モチスがオレの服を引っ張った。
ん?と思うと、少し離れたところに引いていく。
地面には棒きれで書いたラクガキとゆうか、図面が書かれていた。
ん??とハテナを増やすと、モチスはおもむろに一つの道具を取りだした。
道具っていっても、棒2本と蔓1本なんだけどね。
それを、大化けさせたのよ、この子。
1.まずは四角を書く。
2.底辺(任意で決めたらしい)の両サイドに棒を立てる。
3.棒と棒の間にヒモ(野草のツル)を張る。
4.片方の棒を抜き、180度回転させて棒をさす。
5.そこに印をつけておき、今度は底辺から伸びる辺で同じことをする。
6.出来上がった印に棒を1本さし、コンパスの要領で半円を書く。
7.もう一か所も同じようにし、交点を作る。
8.以後繰り返し
9.四角形が正方形とするならば、同じ大きさの四角系が無限に増やしていける。
4の段階で、何を言いたいかは理解はした。
が、黙ってモチスの作業を見続けた。
だってさ、凄えじゃん!!
全てが終わり、むふーと鼻息荒くオレを見る彼女。
思わず抱きしめて持ち上げた。
すげえ!!!天才だよ!!!
これが麒麟児なのか!?
エー、マジかよ!!!
2本の棒と1本のヒモ(実際にやるとロープになるか)でさ
同じ面積を確認できることを、証明したのよ!!!
初歩だけど、これが測量なんだな~、定点定めて数値化していけば地図も作れる。
恐るべきは、読み書きと四則演算しか教えてない8歳の女の子が、自分で考え、これを導きだしたこと。
眉間の皺は、これだったのよ!!
つうか、これはセンスなのかな?才能なのかな?
おにぎりには無かった、それだけはいえる。
(うるせー、無いものは無い!!)
こうして、モチス方式で畑を増やすと、単純で2倍の収穫が取れる畑の大きさが分かった。
(あくまで面積対比、ではあるけど)
四角一つ増やせば倍、3つなら3倍、4つなら4倍だしね。
かつ、スイカイによるタラの木によって、それを記録することも可能になった。
早速、2倍分を測定し、木の棒をたてる。
え?あわてない、まてまて、まだ下草も落ち葉もある。
重要な資源だし、キッチリ回収して、それから伐採だな。
ただし、先に一本伐採しておく。
大きな奴を、な。
区分けの中で、一番デカい木にした。
切り倒すまでは良かったけど、運ぶのが・・・・・
キンコンカンが非常に役立った、脳筋もあなどれんな。
つかアイツら、まよねいずさんから態度変わったよ。
切り倒した木は1mくらいの長さにカットし、教会の屋根の上へ。
ん?干すんだよ、乾燥。
乾燥させるために干す、これ重要。
生木は加工しにくい(曲がる)、火はつかない。
簡単に火がつくなら、山火事なんぞ今の5倍で燃え上がってしまうからねー。
何に使うにせよ、乾燥は必要。
だから先に切ったのよね。
そして、これこそが、オフロになる!!予定。
それより、今日は革命だな。
スイカイとモチスによる、教会革命だ!!!




