17.整備
~整備~
カシミールを出て、すぐ教会へ戻る。
早速、ジャガイモ増産を骨子とした、一大改革・開発へ向けての会議だ!!!
では、何を為すべきか?
オレ自身の腹案は当然あるが、マリアさんにも色々と考えてもらう。
出来る出来ないはさておき、(将来に出来ることもあるだろうから)
色々と意見や考えを出してもらう。
で、ざっと纏めてみるとと、次の通りとなった。
1.生産性の向上(既存の畑のまま収穫量を上げる)
2.畑の拡幅
3.労働環境の改善(まぁ子供達が住み、働きやすいように)
4.子供達への教育
5.新しいジャガイモ料理の開発
6.ジャガイモ以外の売り物の選定
速度優先が高いのは1.2.5.6、先行投資(?)が3.4ってとこか。
全部出来ればそれに越したこたぁない、が、いきなりそれは無理がある。
従って、例によってメリット・デメリットを考えていこうと思う。
1.生産性の向上
メリット
現状の畑のままで収穫量が増えると、労力に対する利益が増える
デメリット
どうやって???
現世ではないので、一番頭が痛いのがコレ。
肥料も限られてるし、オレには上辺の知識しかない。
細かな害虫駆除くらいしか、思いつかないしねー。
つか、既に害虫駆除は子供達が率先してやってるし。
なので、将来目標だな、これは。
2.畑の拡張
メリット
生産量増大
デメリット
労力増大
管理に不安
まぁ無難というか、現状はこれ一択。
幸い、土地は余ってる。
(付近は森なので、領主からは勝手に使って良いと承認を得ているとの事。
いや、逆に開墾を推奨されてたりする。)
ただ、人手に限界はあるので、管理しやすく計算しないといけない。
外部から人手を募る方法は当然あるけど、それは先の話。
手持ちの戦力(オレ、マリアさん、子供達)で賄って、皆を潤すのが最優先。
と、簡単には言ってはみたけど、収穫量の管理から害獣対策まであるし、連作障害もある。
(ジャガイモは連作にはあまり強くない、仮に強くても現世ではないからねー)
しっかり吟味して、出来ることから確実に取り掛からねばイカンナー。
3.労働環境の改善
現世で当たり前といっては当たり前なのに、この世界に無いのがこれ。
特に、健康面。
食事を出しても、他は何も無しってのが多い。
でも、健康面は薬品どころか医学知識もない訳で・・・・
で、だ。
まずは清潔、これを優先しようと思う。
トイレの改善(し尿対策)と風呂だ、風呂の設営。
え?オマエが入りたいんじゃないかって?
ソンナコトモ、ナクハアリマセンヨ。
本音は入りたい・・・げふんげふん、いやー
ある一つの事があったから思いついたのよね。
現世でも知識(それも、聞いたことがあるってだけのレベル)だけなんだが
この地域、地下河川ってのがあるそうだ。
いや、正確になんと呼ぶのかは知らないけど。
まぁ流れる地下水、だそうだ。
詳しくは、地面の下に砂や岩の層があり、そこを絶えず水が通っている。
水の流れは穏やかなため、土砂が流れ出ず地盤沈下も起こらない。
逆に、岩盤や砂がろ過の役割を果たすらしく、質のいい水になっているそうだ。
実際、この町には数多くの井戸があり、全て無料だ。
え?じゃない、水がタダじゃない町もあるんだぞ、この世界は。
いやいや、現世でもだ。
日本が安全なだけで、意外と気づいてないんだよ。
マリアさんが洗濯してるってことは書いたけど、それだけ水が豊富にあるってことなんだよな~。
だからトイレと風呂、な訳だ。
風呂に関しては水源には事欠かない、あとは火だな。
よく小説や漫画では、魔法で一発!てな事だけどそんなに旨い話はない訳で・・・
火を起こす必要がある。
いや、火起こしはさすがにオレも慣れた。
とゆうか種火残してあるからねー。
問題なのは燃料、まぁ薪だな。
しかし、この問題もクリアー!!
そら開墾すれば、木材一杯でるしねw
一石二鳥でござる。
いや、実はそんなに簡単ではないけど、とりあえずは水と火の確保ができる。
ならば、風呂だ!
健康になるには清潔が一番!疲れも取れるしね~。
中世洗剤もないこの世界なら、残り湯で洗濯も問題ないし。
労働環境改善、まずはフロからだ!
4.子供達への教育
これはメリットしかない。
教会のため、彼等個人のためにも勉強は必須。
コストもかからないしね~
問題は、おにぎりが教師としての資質があるか・・・・げふんげふん。
まぁ既に、れっどが読み書きや簡易な算数を教えているので土壌はある。
5.新しいジャガイモ料理の開発
6.ジャガイモ以外の料理の選定
実は、もう目途はある。
でも、これは後回し。
虻蜂取らず、二兎追うもの一兎も取れず。
こうなっては意味が無いからね、いやホント。
と、これだけの議論で夕方になった。
マリアさんも、慌てて夕食の準備へ。
さも、当然の顔をして手伝う。
現状の料理は、簡単なジャガイモ料理だけだが
それでも子供達は喜んでいた。
ジャガイモ料理のレパートリーを増やす、
これは2と5の項目にも直結するんだよな。
早速明日から、しかも子供達にも協力してもらって取り組んでいこうと思う。
ちなみに、ここバンザイでは近くに大きな岩塩の鉱山があるとの事。
だから塩が安いんだよなー。
でなきゃ、ここに町は出来なかったかもだし。
「おにぎりさんありがとうございます。
食事は勿論ですが、今夜良かったら泊まっていって頂けませんか?」
おし、計算通り!
一緒に楽しく夕食を取りながら、子供たちを覚え始める。
いきなり名前を書いても判りにくいだろうから、都度都度書いてくことにする。
夕食後は、空いてる部屋に案内して貰った。
まぁスケベ根性ではないぞ、実は部屋余ってるのを知ってたからな~。
男女、婚前に同衾を禁ズ!!
まぁ、泊まるのはそんな目的ではない。
時間が惜しいし、細やかな事まで関わっていきたいからなんだけどね。
さて明日からは実践、つまり現実。
こんなに、都合のいいことばかりは書けないだろうな~。