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最終章 山田一郎という男

 かくして、バレンタインに恵方巻を食べる文化を根付かせた山田一郎は少子高齢化への貢献などから国民栄誉賞を受賞、また、非暴力不服従の精神が評価されノーベル平和賞も受賞する。

 その後も精力的にバレンタインに恵方巻を食べる文化を広げるべく世界中を飛び回った山田一郎であったが、60歳のときに亡くなる。

 恵方巻の食べ過ぎによる糖尿病が原因とも言われている。


 結局、山田一郎は死ぬまで妻を娶ることが出来なかった。

 しかし、彼は死に際大変に満足気であったという。


 終わりに、彼が死ぬ間際に書いたという手記を紹介したい。


「私には妻も子もいなかった。しかし、大勢の友人たちがいた。それだけで私はこの世界の誰よりも幸せな存在なんだと思う。

 バレンタインにチョコレートを貰えないと嘆くとき、一緒に嘆いてくれる友が居たからそれに抗うことが出来たのだ」


 山田一郎の死に際、病室には坊主とメガネ、マルコムXとキング牧氏が看取っていたという。

 そして当然のように葬儀は坊主によって丁寧に行われ、告別式には全国、全世界から彼を慕う独身男性たちが駆け付けた。

 そう、独身男性全員が彼の友人であったのだ。



 以上が、バレンタインに恵方巻を食べた男、山田一郎の生涯である。

 随分駆け足の紹介になってしまったが、彼の偉大さの一片でも伝われば幸いである。


 これを読んだ多くの独身男性が、バレンタインに恵方巻を食べてくれることを望む。

 また、彼氏彼女のいる方々が少しでも独身男性に気を使ってくれることを切に願うものである。


これで終わりです。

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