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天敵


 朝チュンである。


 夕べはお楽しみでしたねである。


 アレグラは朝から夕方は学生という事が発覚した。ギルド受付員は夜だけバイトしているらしい。そんな彼女は学校に欠席の連絡をしていた。なんでも学生に配布されている魔具で連携をとれるらしい。ポケベルみたいなものかな?


 ちなみに欠席理由は体調不良である。完全に俺のせいだ。夕べ張り切りすぎたのである。百年間あの鬼娘さんの相手を務めあげた俺の実力は伊達ではなかったようだ。


 本当に申し訳ありませんでした!!


「剣だけじゃなくあっちの剣の腕前もS級でしたか」


 そろそろ昼頃になろうというのに彼女はいまだに足腰に力が入らないようである……。


「まだお腹がガンガンされてる感じです」


 エロい。


「ところで夕べ話していた弱点の克服と仲間の件なんですが」

「はい。何かいい案はあるでしょうか?」


 現在ベッドの上で横になり虚ろな目で天上を見上げる彼女と床で正座する俺の図である。実は昨日この件について相談していたのだ。


「弱点の魔法は私の学校に通うのもいいかと思います。学校には冒険家を希望してる学生も多いので仲間を探すにもいいかもしれません。ですが卒業まで最低五年在学しないといけませんが」

「在学中は冒険家になれないんですか?」

「なれはするんですが任務や依頼をこなすほどの暇はありませんね」

「なるほど……ちなみにアレグラさんは在学何年になるんですか?」

「……二年目ですが」

「どうかしました?」

「そろそろ敬語とさん付けで呼ぶのはやめてほしいかもです」

「了解」


 私も敬語はやめると言ってお互いの距離は近くなった気がする。肉体関係になってしまってるわけだが……。


「アレグラ。立てるか?」

「むり。ウィル君のせいで」

「そうか。こうゆう時に回復魔法があれば……」

「それはなんか違う気がする」


 一応言っておこう。気恥ずかしいけど。


「その、アレグラ? 俺達であって一日とちょっとだしまだお互い好きとか愛してるとかわからないと思うんだ。だからお互いを知る事から始めていかないか? 恋人として」

「ウィル君……ありがとう。でも、ごめんなさい。私実は婚約者がいて……」


 あ、これアカンやつや! 婚約者とかいるってことはまさかアレグラって貴族か!? でも貴族がバイトしてるとか思えないし……どうゆうことだ?


「実は貴族なの。社会勉強にと思って素性は隠してバイトしてるのよ」

「そうだったのか。でもまずくないか? 貴族同士の婚約だろ? その……処女を失ってしまって」

「……まずいね。すごく」


 ん? これ何か裏があるな。意味深めいた言い方だ。


「やっぱり私ちょっと卑怯かな。こうなる事を考えてウィル君としちゃったし」

「とりあえず俺にしてほしいことがあるんだな。言ってくれ」

「してほしいこと……理由は聞かないの?」

「どうでもいいよ理由は。アレグラが俺にして欲しいことだけを話してくれ」


 婚約相手は貴族のバラック家。次男のドミニク・バラックという名前の男が相手のようだ。だが彼には黒い噂が数多い。奴隷を買い漁っては性奴隷とし使い捨てる。更に跡継ぎの予定だった長男が謎の失踪。


「それはつまり、消してほしいということでいいのか?」

「ウィル君は人を殺すことに躊躇はないの?」

「相手しだい。つらい話だがな」

「じゃあドミニク・バラック。昔はいい人だったのよ。でも一年前から突然人が変わっちゃって……。みんなは悪魔が憑いたんじゃないかって噂してる」


 悪魔? と言っても大雑把な表現だ。悪魔にも人型の魔人やら獣の姿をしたものまでいるし、得体の知れない魔物も多い。憑依しているのであれば霊とかそういった類のものか? だとしたら俺にとって間違いなく――――


「なるほど。天敵だな」


 だが天敵と呼べる相手と今の内に戦っておくのもいいかもしれない。今後の方向性が見えてくるかもしれない。






 

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