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第2話

※自動字下げしました 2020/8/2

※謎の女性の戦力をUPしました 2020/8/2

・倒せるのは【蛮竜】まで → 確実に倒せるのは【蛮竜】まで

・状況が良ければ【蛮龍】にも勝てる

※台詞表現修正 内容に変化なし 2020/8/29

 ▽主人公【地上・魔王の抱擁・外周部】▽


「what your name?」


 しまった!パニックになりすぎて何故か英語が出た!英語は苦手なのに!


「わ、わっちゅあねーむ?」


 か、返ってきた!どうしよう、クッソ可愛いんだけど!萌え死にしそうなんですけど!


 い、いや!そんな事よりも!


「だ、大丈夫ですか? 何か、汗まみれでかなりエr……疲れてる様に見えるんですが?」


「え……い、いや、大丈夫だ、問題無い」


 おねーさん!! それはフラグですよ!?


「そんな事より! どうやって現れたのかは分からないが急いで逃げるんだ! もうじき奴がここまで「GOAAAAAaaaaaaッッッ!!!!」ッ!!」


 おねーさんがオレに逃げろと言っているとき、背後の林からそいつは飛び出してきた。


 バカみたいにデカイ体


 後ろの木々をなぎ倒す丸太の様な尾


 しっかりと身体を支えるための強靭な4本足


 地面を抉り取る分厚い鉤爪


 大空を自由に舞うためであろう1対の巨大な翼


 全身を覆う深緑色の鱗


 こちらを見据える縦に裂けた黄金の瞳


 そこにいたのは、誰がどう見てもまごうこと無き完全なドラゴンだった…。








 ▽謎の女性【地上・魔王の抱擁・外周部】▽


 まずいな……。


 このままでは追いつかれるかも知れん………ッ!?


 何故こんな所に人が!?


 まさか転移系統の魔術か?


「what your name?」


 何?


「わ、わっちゅあねーむ?」


 一体何処の言葉だ?


 この辺りでは聞いた事の無い言葉だが。


 と言うか何故顔を赤くしてワタワタしてるんだ?


「あ、違う、大丈夫ですか? 何か、汗まみれでかなりエr……疲れてる様に見えるんですが?」


 すぐに私にも分かる言葉で話を始めた。

 どうやら、私のことを心配してくれているようだ。


「え……い、いや、大丈夫だ、問題無い。」


 そう言うと何故か彼は顔を顰めてしまった。何かいけない事を言ってしまったか? と、考えたが。


 すぐに私が何から逃げて来たのかを思い出し。


「そんな事より! どうやって現れたのかは分からないが急いで逃げるんだ! もうじき奴がここまで「GOAAAAAaaaaaaッッッ!!!!」ッ!!」


 くっ、バカな! 早すぎる!



 羽ばたきの音は聞こえなかったから空を飛んだわけでは無いはずだ……なのに……一体どうやって?


「GUOaaaaaaaaaaaa!!!」


 ヒュンヒュンッ


「くっ! 木のツタが!」


 私のすぐそばに生えている木のツタがまるで生きているかの様に動きだし私を攻撃してきた。


 間一髪気付く事が出来たおかげで怪我は無いが、なるほど……『自然魔法』か。


 先ほど木のツタで攻撃してきた様に森の木々を動かして直進してきたわけか。


 しかし、どうする!?


 この深緑龍(ディープグリーンドラゴン)は【龍種】の中では下位の【蛮龍】だ。


 普通の【龍】と比べ理性が無く愚直に襲ってくる分普通の【龍】よりかはましかもしれないが、そもそも私が確実に倒せるのは【蛮竜】までで、【蛮龍】はそれより格が二つも上だ。 狭所で1対1であればkl充てたかもしれないが、ここは奴のテリトリーである森の中。ここでの戦闘となると勝てる、または逃げる事が出来る可能性はかなり低いが存在するが、今は瘴撃波の影響でコンディションは最悪。 勝つことはおろか、逃げることも厳しいだろう。


 しかし、ここでタダ黙って死を待つのはダメだ。


 私は背後に居る突然現れ、【蛮龍】の登場に目を白黒させて居る男性の方を見ずに話しかける。


「聞け!! あなたはここから急いで逃げろ‼︎私が足止めをする!」


「大丈夫なんですか!? メッチャ強そうなんですけどぉ!!」


「大丈夫だ! あなたがここから逃げるまでの時間かせぎ位はしてみせる!」








 ▽主人公【地上・魔王の抱擁・外周部】▽




 つい、めっちゃ強そうと言ったが実際の所はどうなんだろう?


 一応オレのステータスはチートの領域だと自分では思ってはいるものの、相手はファンタジーの代名詞、ドラゴンである。


 その実力は生半可なものでは無いだろう。


 もしかしたら負けてしまうかもしれない。


 しかし、先ほどおねーさんは、「逃げるまでの時間稼ぎ位はしてみせる」と言った。


 それはつまり、あのドラゴンは倒せないと言うことなのだろう。


 このまま黙って見ていてはおねーさんが死んでしまう。


 ……それは………ダメだ。


 目の前で人が死ぬのを、黙って見ているなんてオレには出来ない。





 ▽【地上・魔王の抱擁・外周部】▽





 それは、まるで勝ち目の無い戦いだった。


 パワー、スピード、スタミナ、魔力、どれを取っても彼女が勝つ可能性は絶無であり、勝利は万に一つも無い絶望的な状況だった。


 それでも彼女は剣を振り続けた。


 何故なら、後ろには状況を飲み込めてい無い一般人がいるのだから。


 自分がここで食い止めなくては彼が死んでしまう。


 だからこそ彼女は剣を振り続ける。


 例えその先に待つのが自らの死であっても。


 彼女の剣は基本的には当たら無い。


 当たったとしても、深緑龍(ディープグリーンドラゴン)の持つ頑強な龍鱗に阻まれその肉体には傷一つつくことは無い。


 それでいて、深緑龍(ディープグリーンドラゴン)の攻撃は一つ一つが彼女にとって致命傷となり得るものである。


 彼女は気付いていた。


 深緑龍(ディープグリーンドラゴン)が遊んでいることに。


 それはさながら追い詰めたネズミを甚振り遊ぶ猫の様に。


 ネズミ(人間)を追い詰めた(蛮龍)ネズミ(人間)の精一杯の抵抗を愉しんでいるのだ。


 だが、それは彼女にとっては好都合だった。


 そもそも、彼女の狙いは倒す事ではなく時間稼ぎである。


 深緑龍(ディープグリーンドラゴン)が注目すればするほど、時間をかけて甚振ろうとすればするほど、彼女の狙いは達成される。


 だが、目の前の獲物には飽きたのか、深緑龍(ディープグリーンドラゴン)は勝負を終わらせようとしていた。


 両前脚を地面に叩きつけ、そこから巨大な蔓を発生させ、それで彼女を縛り上げたのだ。


「ぐぅっ!」


 短時間とは言え、一撃貰ったら死ぬと言う状況の中で戦い続けていた彼女は疲労しており、それを躱す事が出来ずに捕まってしまった。


 どんどん縛り上げる力が強くなっていく。


 深緑龍(ディープグリーンドラゴン)はそのまま彼女を絞め殺そうとしていた。


「ぐっ……が…あぁ……!」


 彼女は苦しそうに呻いていた。


 しかし、考えていたのは自分のことでは無く別の人間の事だった。


(彼は……無事に逃げれただろうか?)


 その疑問を最後に、彼女の意識は闇に飲まれた。





 ▽主人公視点【地上・魔王の抱擁・外周部】▽





 おねーさんが蔓で縛り上げられていた。


 一瞬だけ、オレに出来るのか? と、思ったが直ぐに頭を振る。


 出来る出来無いでは無く、やるしか無いんだ。


 右手を前に突き出し、イメージする。


 おねーさんを縛り上げている蔓を切り裂く事が出来る風の刃を。


 そして、今度は失敗し無い様に出来るだけ具体的にイメージを固めると、呪文を適当に唱える。


風の刃(ウィンドカッター)!!」


 目に見え無い真空の刃が飛び出しおねーさんを縛り上げていた蔓を切り裂く。


 それと同時に、落下するおねーさんを衝撃から守るべく新たに魔法を使う。


物質創造クリエイト・オブジェクト!!」


 落下するおねーさんの下に衝撃を100%吸収する謎素材で出来たクッションを創り出す。


 ぶっつけ本番だったが創造魔法は成功した。


「GRUOoooaaa!?」


 自分の生み出した蔓が切られると思っていなかったのか、それとも、今までどうでもいいと思っていた存在にいい様にしてやられたのが悔しかったからなのか分から無いが、ドラゴンは咆哮を上げてこちらを睨みつけてきた。


 普通なら怖いとか、恐ろしいとか思うのかもしれ無いが今のオレにはそよ風程度にしか感じ無かった。


 再び右手を突き出し今度こそ魔法が暴走し無い様に気をつけながら明確に、そして正確にイメージする。


 眼前にいるドラゴンを。


 おねーさんを縛り上げ、殺そうとしたドラゴンを。


 その細胞の一片に至るまで殺しつくそうと。


 イメージを固め、呪文を唱える。


砕け死ね(クラッシュ)


 瞬間。


 眼前のドラゴンが爆散し、飛び散った肉片に至るまでが砕け散って行き、最後には、そこに何かがいたと思わせるものは何も残らなかった。

この小説は、不定期更新で遅筆で駄文で作者が気まぐれに更新します。気長にお待ちください。

それでも「見たい!」と、言って下さる方には、感謝を申し上げます。

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